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2026年6月17日 (水)

最近のヨーロッパの和平提案は別の手段による戦争



2026年6月12日
Strategic Culture Foundation

 ロシアとの外交関係を再開しようとする欧州の働きかけは偽善と二枚舌の匂いがする。

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 四年にわたる外交努力の停止、ロシア国家の崩壊を目的とした複数回の経済制裁と、ロシアに対するウクライナでの無益な戦争に投入された数千億ユーロを経て、最近、ヨーロッパの首都で、モスクワとの和平交渉開始を求める声が高まっている。

 政策転換の背景には、欧州がロシアとのエネルギー貿易を断ち切ったことで自ら招いた経済的混乱があるのは確実だ。エネルギー価格高騰は欧州産業を破壊し、何百万人もの国民に深刻な経済的苦境をもたらしている。自ら招いた惨状を認識した欧州各国は、ロシアとの関係正常化を図り、手頃な価格のエネルギー供給を再開しようと必死だ。

 フランスとイタリアは、紛争解決のためにロシアと協議する特使任命と、対ロシア制裁解除を提唱している

 先週末、イギリス、フランス、ドイツの首脳、いわゆるE3は、ウクライナとロシア間の和平合意の「仲介役を務める」と表明した。ウクライナの傀儡大統領、ウラジーミル・ゼレンスキーは、6月7日、ダウニング街で、イギリスのキア・スターマー首相、フランスのマクロン大統領、ドイツのメルツ首相から歓待を受けた。トランプ大統領はイランとの戦争終結にばかり気を取られているよう なので、アメリカに代わって交渉を主導することを彼らは提案した

 欧州代表として交渉役を務める人物として様々な名前が挙がっている。ドイツのアンゲラ・メルケル元首相やイタリアのマリオ・ドラギ元首相などが候補に挙がっている。フィンランドのアレクサンダー・スタッブ大統領の名前も挙がっている。だが、モスクワにとって、これらの人物はいずれも受け入れられないだろう。特にメルケルは、2015年のミンスク合意を密かに弱体化させ、7年後に勃発した戦争の火種を蒔いた過去があるため、受け入れがたい人物だ。

 驚くべきことに、ほとんど滑稽なことに、特使として信頼できるヨーロッパ人が一人もいないのだ。

 EUの外交トップ、カヤ・カッラスは、その著しい無能さゆえに嘲笑の的になっている。彼女の反ロシア的暴言は、外交政策遂行の上で彼女の存在意義を著しく損なっている。そのため、欧州外交官の間で、彼女の「機能不全」と非難する反発が起きている。

 今週、欧州は対話再開のため、三人の大使をモスクワに派遣した。ロシアのミハイル・ガルジン外務次官は、イギリス、フランス、ドイツの代表と会談した。欧州側の意見を聞く用意があるとロシア外務省は表明した。

 だが、ガルージンは訪問者たちを冷たくあしらい、ロシアとの戦争に加担しているヨーロッパは仲介者を装うことはできないと指摘したと報じられている

 木曜日の会合後、マリア・ザハロワ外務省報道官は、欧州使節団は和平解決という課題への取り組みに真剣でないとして、その活動を切り捨てた。

 「行き詰まったゼレンスキー方式」を大使らは推進しているとザハロワは非難した

 彼女はこう述べた。「これらの国の指導者たちは、声明を通して平和を呼びかけているふりをしているが、実際には受け入れがたい条件を提示して、キーウ向け長距離兵器の生産を増やし、ウクライナとヨーロッパの軍事化に向け着々措置を講じている。」

 ヨーロッパが平和を真剣に考えているなら、キーウのネオナチ政権への武器供与をやめ、紛争の根本原因に対処するというロシアの長年の要求を何らかの形で認めるべきだ。

 キーウ政権の即時停戦要請を欧州が支持しながら、ウクライナが欧州製のドローンを使ってロシア領土への長距離攻撃を行う能力を拡大し、ここ数ヶ月で数百人の民間人を殺害していることは、傀儡政権を再武装させ、一時的な猶予を与えて、後日、一層致命的攻撃で戦争を再開するための単なる身勝手な策略に過ぎない。

 欧州政治家たちの二枚舌は、2015年のミンスク合意における裏切り行為と、2022年4月のイスタンブール和平交渉の妨害行為にまで遡る。その結果、第二次世界大戦以来、ヨーロッパで最大規模の戦争が勃発し、数百万人の犠牲者が出て、全面戦争に発展する現実的脅威が生じている。

 欧州各国政府とEUとNATOの官僚連中は、依然ロシアに戦略的敗北を与えるイデオロギーに固執している。平和を望んでいるとトランプ大統領が発言しているにもかかわらず、ワシントンも同様のようだ。

 キーウのナチス政権への武器供与を加速させながら、上辺だけ停戦を呼びかけるのは、欧州指導者連中が遅ればせながらロシアとの外交を模索しているという主張には誠実さが欠けていることの証拠だ。

 ドイツ元外相ジグマール・ガブリエル(2017年~2018年)は、ヨーロッパは2021年に外交の機会を失ったと述べて、恥ずべき真実を指摘した

 当時、ウクライナでの戦争を回避するための交渉に向けたロシアの真摯な努力をEU首脳陣もアメリカのバイデン政権も拒否した。モスクワはNATOの拡大、特に軍事同盟へのウクライナ編入に明確に反対を表明し、集団安全保障のための合理的解決策を提案していた。だが、ロシアの外交努力は、ワシントンとブリュッセルに即座に拒絶された。

 2014年のクーデターで樹立し武装させた傀儡政権ウクライナ政権との武力衝突に、ロシアを挑発するのに欧米諸国は躍起になっていた。NATO枢軸諸国は、戦争と経済的締め付け、あるいは一部欧米政治家が認めたように「全面戦争」でロシアを打倒できると判断したため外交は否定された。

 歴史的な主張や不可分な安全保障に関するロシアの主張を全く考慮せず、即時停戦を要求する欧州の姿勢は、まだ欧州指導者たちが、真摯かつ有意義な対話を行う準備も意思もできていないことを示している。

 18世紀のプロイセンの戦略家カール・フォン・クラウゼヴィッツが言う通り、最近彼らがした政治対話の申し出は、別の手段による戦争に過ぎない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/06/12/europes-recent-peace-overtures-are-war-by-other-means/

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 今朝の孫崎享氏のメルマガ題名
ニューヨーク・タイムズ紙 社説【トランプ大統領はこの戦争(イラン戦争)に敗れた】トランプ氏は、戦争開始で致命的な過ち。彼は無謀に公然と法を無視し戦争遂行。合意枠組みを見る限り、トランプ主張条件を獲得できなかったよう。トランプ自身と、米国に屈辱的な敗北。
 植草一秀の『知られざる真実』
サナエトークン提案藤井聡氏

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