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2026年5月17日 (日)

アメリカを崩壊させかねないイスラエルの「徹底的戦争」



アラステア・クルック
2026年5月16日
Strategic Culture Foundation

 トランプの対イラン戦争と、それに密接に関連するイスラエルによる中東全域におけるユダヤ人の覇権をめぐる戦争は、いずれも急速に崩壊しつつある。

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 トランプのイラン戦争と、それに密接に関連するイスラエルによる中東全域におけるユダヤ人覇権を巡る戦争(イスラエル軍の専門用語では「恒久的安全保障」と呼ばれる)は、いずれも急速に崩壊しつつある。

 イランはトランプとイスラエルの恫喝に屈することなく強硬姿勢を崩さず、たとえ、その「勝利」がいかに欺瞞的で、大変な犠牲を払って得る引き合わない勝利に終わろうとも、イランに対する決定的な「勝利」を演出することに、アメリカ経済全体と、世界的な戦略的地位をトランプは賭けているのだ。

 トランプ大統領は首脳会談のために中国に到着した(報道によると、訪問前の準備はほとんど行われていない)。おそらく彼は、中国がアメリカを必要とする度合いはアメリカが中国を必要とする度合いより大きいという、いつもの傲慢な考えに頼っているのだ。そして彼は北京に対し「イランに、時代は進んでおり、アメリカに屈服すべきだと(習近平国家主席は)指示しなければならない」と告げるだろう。

 そんなことは起き得ない。中国はイランの主権闘争を支持し、イランが目指す中東からのアメリカ撤退という目標をロシアと共有している。彼らは、その代わりに、アメリカ主導の安全保障体制に代わるものとして、湾岸諸国主導の体制を望んでいる。モスクワもこれに賛同している。

 習近平は、もちろん極めて丁寧な言葉遣いで、むしろイランに譲歩すべきなのはワシントンの方だとトランプに伝えるかもしれない。トランプが対応を遅らせれば遅らせるほど、アメリカの軌道修正は困難になるだろう。

 いずれにせよ、トランプ特有の傲慢さにもかかわらず、アメリカ大統領は「大きな成果」を何も得られず北京に到着した(ベネズエラを戦略的勝利ではなく、単なる見せかけとみなすなら)。それとは対照的に、より重要なことに、北京はアメリカが経済インフレの危機に瀕しているのに対し、中国は、迫り来る世界的エネルギーショックの影響をほとんど受けず、インフレではなく物価下落局面にあることを理解している。

 率直に言って、習はアメリカにほとんど何も求めていないが、友好関係を維持するために(アメリカ農家を支援するため)大豆をいくらか購入し、場合によって航空機も購入するかもしれない。(もっとも、中国はブラジルから大豆を購入しているため、実際は大豆を必要としていないのだが。)

 トランプは、中国訪問にアメリカ人有力者連中を随行員として同行させた。おそらく、中国が数十億ドル規模の商売を彼に提供すると期待していたのだ。だが中国の反応はやや乏しいかもしれない。報道によると、米財務長官による中国企業への制裁、中国石油タンカーの拿捕や、トランプによる西半球からの中国排除の明らかな試みといった一連の行動に中国は憤慨しているという。

 だが、その背景には、より暗い影が潜んでいる。一極覇権国としてのアメリカの地位の崩壊と、それに伴う世界的不安定化だ。イラン戦争は、冷戦時代の概念的な停滞に陥った大国という現実を世界にまざまざと見せつけた。今世紀初頭から、新たな「戦争のあり方」への転換を示す兆候が数多く見られたにもかかわらず、アメリカは「歴史の終焉」という自己満足から脱却し「前進」する必要性を突きつける地殻変動の兆候を頑なに無視し続けた。

 転機となったのは安価で入手しやすい技術部品が豊富に出回るようになったことだった。

 冷戦が始まった当初、アメリカはソ連を凌駕する軍事費を投じる戦略を選択した。それは、高性能で高価な兵器を開発し、航空戦力と大規模空爆に重点を置くものだった。

 当時、その手法は、その後のソ連崩壊により正当化されたように見えた。この崩壊は、ソ連を過度に追い詰めたアメリカの過剰支出が引き金になったと考えられていた(ただし、現在では、崩壊はより複雑な内部腐敗が原因だったことが良く理解されている)。

 莫大な費用をかけた航空機による圧倒的な航空戦力に依存する欧米諸国のパラダイムは、イランが数百ドル程度の兵器を用いて、数千万ドルもするアメリカ防衛迎撃ミサイルに対抗する非対称的なミサイル戦と海戦を展開したことで崩壊し、その非有効性が証明された。

 イラン戦争から浮かび上がる主な教訓は全世界が理解できる。第一に、欧米諸国の防衛体制はドードー鳥のように時代遅れなことだ。既成勢力は、軍産複合体に注ぎ込まれる莫大な資金がアメリカに軍事的優位性をもたらし、更に重要なことに、ドル覇権を支え、より多くの武器のために紙幣を増刷できると信じ、眠りこけていたのだ。

 だが実際は、それは大規模な企業腐敗と、機能的に劣悪ながら、莫大な費用がかかる兵器を生み出した。

 もちろん、状況に応じて適切な対応を取る必要があるが、より革新的な敵対勢力に対しては、後者の方が西側諸国を凌駕する革新性と機動力を発揮している。全員がそのことを認識しており、既に対応策を講じ始めている。

 小型で機動力に優れたイラン海軍が大型で動きの鈍い米海軍艦艇をいかに翻弄したかを中国は目の当たりにしてきた。アメリカが台湾問題において中国に海軍力による圧力をかけようとする場合、この教訓は当然台湾問題にも適用される。

 ロシアも、段階的に慎重に計画され標的を絞ったミサイル攻撃が、イランにイスラエルに対する抑止力をもたらしたことに気づいているだろう。モスクワは、NATOの空域と情報支援を利用しながら、ロシア領深く攻撃を仕掛けているイギリス、フランス、ドイツ製のミサイルに関して、おそらく同様の考え方をしているはずだ。

 だが、アメリカが衰退しているという世界的認識が加速しているのは、イランの非対称戦争への対応に失敗したからだけではない。ホワイトハウスに蔓延する認知的不協和感より更に重要なのは、トランプ大統領が、地域全体におけるイスラエル略奪行為の完全な共犯者だという認識だ。

 アメリカはイスラエルに、地域における優位性を維持する上で「質的優位」を与えることを目的とした非常に高価なアメリカ製航空機を基盤とする航空戦における支配力という同じ教義を継承した。イスラエルの対イランでの失敗、ヒズボラに対する紛争の行き詰まりと、未だに終結しないガザ戦争は、この手法の成功ではなく、失敗の証拠だ。

 注目すべきは、イスラエルがアメリカの「戦争手法」に傾倒する以前、イスラエル建国の父で初代首相のベン=グリオンのイスラエル防衛教義は違っていたことだ。

 イスラエルは地理的に小さな国で、人口も少なく、経済資源も限られていることを強調した。そのような状況では大規模常備軍を維持するのは不可能で、小規模常備軍を基盤とし、必要に応じて多数の予備役兵で支援する体制が必要だとベン・グリオンは述べた。

 ベン・グリオンは、イスラエルには国防軍だけでなく、国民と国家を支えるための強固な経済が必要だという主張を根拠とした。そして、これら全てが小規模な軍隊の必要性を裏付けた。また彼は「戦争はそれ自体が目的ではなく、政治ゲームの一部だ」というクラウゼヴィッツの立場をとった。

 だが、イスラエルでは、2023年10月7日以降、イスラエル軍事戦略家ウディ・エベンタル大佐が一連の投稿で強調している通り「政治と戦争の結びつきは(ベン・グリオンの時代から)180度逆転した」。

 「選挙日を前に、平和という言葉は語彙から消え去り、弱さの象徴となってしまった。首相と連立政権は、それぞれ独自の理由から、トランプ大統領がガザ、レバノン、イランでの戦争再開を容認してくれることを期待して、頑として譲らず『攻撃』『破壊』『粉砕』を続けようとしている。」

 「10月7日、偏執病の限界を超えた」。「ハマスによる攻撃は、ホロコーストのような行為として捉えられ、徐々にイスラエル社会を結びつける接着剤となった。歴史的出来事が差し迫った脅威へ変貌し、ハマスはナチスで、イスラエルの(軍事的対応を)批判することは反ユダヤ主義だという認識が広まった」とオメル・バルトフ教授は述べている

 10月7日の出来事によってイスラエル人はホロコーストを単に過去に起こった出来事としてではなく、「常に起こりうるもの、つまり、イスラエルがあらゆる脅威に全力で立ち向かい、根源を破壊しなければ、ここで再びホロコーストが起きる」という認識を持つようになったとバルトフは主張している。

 イスラエルのイダン・ランダウ教授は「永続戦争」の立場を採用することでこうなると主張している。  
「最終局面など存在しない。敵は、アマレクの様々な姿をした、区別のつかない集団だ。ガザ虐殺は、民間人の犠牲に対する無関心という衝撃的な新たな基準を打ち立てた。あらゆる標的は、お前たちが好むアマレク(現在は革命防衛隊)との関連だけで犯罪者扱いされ、我々は、もはやこの関連性を実際の事実で立証することにこだわるのをやめた。宣言すれば、それが現実になるのだ。」
 「イスラエルの安全保障思想の中には、常にイスラエルの安全保障上の境界を拡大しようとする潜在的潮流が存在してきた。先制攻撃という手法は、まさにこの概念を具体化したものだ。こうして、イスラエルでは今や安全保障イデオロギー連合が出現し、防衛的・予防的言説を利用して『大イスラエル』という救世主的目標を実現しようとしている」とエヴァンタル大佐は説明している。

 イスラエルの現在の政策に関するこの率直な説明は、アメリカが直面しているより大きな惨事の中核をなすもので、イランに対して意図的に選択した戦争の失敗による評判の失墜を遙かに超える。

 イランと抵抗勢力を破壊し、先住民を追放または「根絶」するイスラエル政府の野望を強化するために、イスラエルが考案した、大量虐殺的で、究極的に救世主的「戦争の手口」に、トランプは、アメリカを協力させ密接に結びつけてきた。この行為は「世界の大多数」を憤慨させている。これは、アメリカの国際的評判に暗い影を落としている大きな問題だ。トランプに責任がある。「永続戦争」は戦争犯罪の一形態だ。

 先日、テレビ番組「60ミニッツ」で(永続)戦争は終わっておらず、継続しなければならないとネタニヤフ首相は述べた 。

 「我々は多くのことを成し遂げたが、まだ終わっていない。イランから撤去しなければならない核物質、濃縮ウランがまだ残っているからだ。解体しなければならない濃縮施設もまだあり、イランが支援する代理勢力もまだ存在し、イランは依然弾道ミサイルを製造しようとしている。我々は多くのもの劣化させたが、それらは全てまだ存在しており、やるべきことが残っている。」

 彼は気にしていない。

 アメリカ経済への影響(トランプ大統領も同様のようだ)や、アメリカ内の政治的不安定化をネタニヤフ首相は全く気にしていない。またアメリカが大規模戦争を再開すれば、被害を受け、場合によっては壊滅的な打撃を受けるはずの湾岸諸国のことも全く気にしていない。

 彼が気にしているのは、ヘブライ人の覇権(そして自身の政治的存続)だけで、たとえ(非ユダヤ人)アメリカが評判と経済的代償を払うことになろうと構わないのだ。

 エヴァンタル大佐の投稿はヘブライ語圏でたちまち拡散した。エヴァンタルは、イスラエルを救う唯一の方法はベン・グリオンの当初の理念に立ち返ること、つまりイスラエルは自国の国境内で暮らし、軍事行動は政治的解決策を見出すための補助的なものとして捉えるべきだと主張している。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/05/16/israel-war-root-may-unravel-america/
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 5月16日(土)午後、湯島の全国家電会館で開催「ガーベラの風」イベント参加し損ねた。  植草一秀の『知られざる真実』
「対米自立」「平和と共生」の政治
 デモクラシータイムス
「米中会談」と高市首相の空虚 カルビー「ポテチ」ショック! (半田 滋/雨宮 処凛/白井 聡) ウィークエンドニュース 20260516
 1:37:35 https://www.youtube.com/watch?v=N3Z3ABUWEK4

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