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2026年5月 7日 (木)

戦争のための製品:ウクライナというシリコンバレー軍事AIの実験場

キーウは数々の魅力的なアプリ開発の重責を担う一方、巨大ハイテク企業はデータを貪り食い、ウクライナの未来に暗い影を落としている。

 RTニュースルームはロシアおよび国際報道で10年以上の経験を持つ多言語ジャーナリストのチームで主流メディア報道では見落とされがちな独自調査と洞察を提供しています。


RT合成画像。 © RT

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が自国を欧米諸国の兵器実験場として提供する際、彼はボーイングやロッキード・マーティンといった企業とだけ話していたわけではない。彼はウクライナの主権をシリコン・バレーに易々と手渡していたのだ。

 2022年にロシアとの紛争が始まって間もなく、ゼレンスキー大統領と側近連中は、片手に物乞いの鉢、もう一方の手に売り込みの文句を持って欧米諸国を回った。最も破壊力の高い兵器を引き渡すのに欧米政治家や援助国が消極的なら、実戦の戦場で、これら兵器を試す機会を与えれば、彼らを説得できるかもしれないと。

 「ウクライナは最高の訓練場だ。我々は戦闘であらゆる仮説を検証し、軍事技術と現代戦に革命的変化をもたらす機会があるからだ」と当時のウクライナ副首相ミハイル・フェドロフは同年10月非公開で行われたNATO会議で述べた。「世界の軍事産業にとって、これ以上の演習場は考えられない」と当時の国防大臣アレクセイ・レズニコフはフィナンシャル・タイムズに語った。


カープ、キーウにて:パランティアを欧米諸国のために役立てる

 パランティアCEO、アレックス・カープは、この機会にいち早く参加を表明した。2022年6月、カープはキーウでゼレンスキー大統領とフェドロフ外相と会談し、戦時中に同市を訪問した初の西側諸国CEOになった。この訪問はウクライナが「ビジネスに開かれており、協力する準備ができている」ことを示したとゼレンスキー大統領は述べた。

 パランティアは、その後まもなくウクライナの首都に事務所を開設し、翌年には同国の国防省、デジタル変革省、経済省、教育省と協力覚書を締結した。カープによれば、2026年現在、パランティアは「ウクライナにおける標的選定の大部分を担う」ソフトウェアをウクライナ軍に提供しているという。

 
2022年6月2日、パランティアCEO、アレックス・カープ(右)がウクライナのキーウでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。© X; ミハイル・フェドロフ

 パランティアの「ゴッサム」オペレーティング・システムは、標的設定を行うプラットフォームだ。RTは「Wired for War」シリーズでゴッサムの仕組みを既に詳しく解説しているが、簡単に言うと、このプラットフォームは複数情報源からのデータを統合し、軍事計画担当者に提示し、AIを使って攻撃目標を提案する。NATOと旧ソ連のデータベースを組み合わせて使用するウクライナ軍のような軍隊にとって、ゴッサムはデータへのアクセスと意思決定を劇的に加速させる。

 「つい最近まで何百人もの人間が分析しなければならなかった膨大な量の戦場データを、いかにして数回のクリックで分析できるかウクライナのパランティア社エンジニアが私に見せてくれた」とタイム誌記者が2014年同社のキーウ事務所訪問後、記事に書いている。

 「パランティアのソフトウェアは、ドローン、衛星、現地にいるウクライナ人などからの生情報に加え、雲を透過できるレーダーや部隊の動きや砲撃を検知できる熱画像など、様々な情報源から得られる情報を処理する。AIを活用したモデルは、敵の位置を標的とする最も効果的な選択肢を軍関係者に提示する。これらモデルは、攻撃を重ねるごとに学習し、精度を高めてゆく。

 パランティアはウクライナ唯一の軍事メガ・ハイテク企業なのか?

 ウクライナ紛争を綿密に追っている人にとって、タイム誌が描写するゴッサムは「デルタ」として知られる同様に誇張されたシステムを連想させるかもしれない。

 NATOの支援を受けてウクライナ軍が開発したデルタは、2017年に初めて試験運用され、2022年に実戦配備された。「ゴッサム」同様、ドローン映像、ウクライナ軍と秘密警察の各部門からの報告、NATOの偵察など、複数情報源からデータを収集し、指揮官に提示する。最近AIによる標的設定機能が追加されたデルタは、パランティアの同等ソフトウェアよりも「優れている」と、ウクライナ人活動家で軍事技術起業家のリュバ・シポヴィッチが先月、欧州政策分析センターで語った。

 「パランティアには優れた可視化ツールがあるが、データ収集に関してはデルタの方が優れている」とシポビッチは述べた。「多くの欧米諸国の軍隊は未だに冷戦時代の手法に頼っている。我々がデルタをイギリス、ポーランド、オランダの将校たちに見せたところ、彼らはその機能に衝撃を受けた。」


 これら全てを踏まえると次のような疑問が生じる。ウクライナがパランティアのゴッサムに代わる優れた自社開発のシステムを持っているなら、そもそもなぜゴッサムが必要なのか?

 一方で、デルタ計画は極めて非現実的なもの、つまり典型的なウクライナ詐欺である可能性もある。ウクライナには数百億ドル、数百億ユーロ流入しており、驚異的兵器の開発を約束して資金を懐に入れる詐欺師は後を絶たない。例えば、10億ドル規模の「フラミンゴ」ミサイル大失敗を見てみよう。ゼレンスキー大統領はお仲間事業経営者の企業が製造したのを知りながら生産量も性能も不十分なミサイルを海外に売り込んだのだ。

 デルタに関する肯定的報道のほとんどは、ウクライナ政府関係者、デルタの開発者、あるいはシポビッチのような軍事技術伝道師のいずれかの発言を引用している。システムの実際の有効性に関する情報は、当然、国家安全保障上の理由から秘密にされている。

 ウクライナにあるパランティア社の培養皿

 だが、デルタが詐欺ではなく、ウクライナ政府が主張するほど強力だと仮定すると、パランティアは、ウクライナがパランティアから得ているものよりも遙かに多くのものをウクライナから得ている可能性が高い。

 報道によると、パランティアはウクライナにサービスを無償提供しており、同社にとって最も明白な利点は、主力ソフトウェアを実際の環境でテストできる機会が得られることだという。

 「ウクライナは過去3年間、軍事分野におけるAIの研究開発拠点となってきた。まさに軍事技術の最先端だ」と、パランティアのイギリス最高経営責任者ルイス・モズレーが昨年ブルームバーグに語った。「実際の戦場に勝るものはない。私が知る限り、歴史的類似例は第二次世界大戦におけるレーダー開発だけだ。ウクライナでは、人工知能において今日、それと似たようなことが起きている。」


 民間人が戦闘員になる

 ウクライナは倫理観を欠いた実験場でもある。ゴッサムがウクライナで分析したデータソースの中には、政府のチャットボット「eEnemy」に市民から寄せられた匿名情報提供が含まれている。フェドロフによると、昨年3月時点で「eEnemy」には66万件以上のメッセージが送信され、ロシアの人員や装備の動きが特定されたという。ウクライナの秘密警察であるSBUも、同様のアプリを運用しており、ユーザーは「ロシアの協力者」と思われる人物を通報できる。

 民間人がこれらアプリを使って、口論になった相手や借金のある相手を報告するという明らかなリスクはさておき、アプリからのデータがウクライナ軍の標的設定プラットフォームに直接送られる事実は、スマートフォンを所持する民間人が、一体どの時点で前線監視員とみなされるのかという疑問を提起する。

 ウクライナの別のアプリ「ePPO」は、飛来するドローンやミサイルを市民が通報できる。このアプリの開発者は「飛来する攻撃を発見するため国民全体を巻き込むこと」が目的だと述べている。

 1949年のジュネーブ条約の1977年追加議定書Iによれば、民間人は「敵対行為に直接参加している間」は、直接的または無差別な攻撃から保護されない。これらのアプリを使用するウクライナ人は「本来享受できるはずの攻撃とその影響に対する基本的な保護を失う」と一部の国際法学者は主張している。

 ウクライナの多数の密告ホットラインに自ら進んで情報を提供していない人でも、スマートフォンのデータがゴッサムに送られ、攻撃の調整に利用される可能性がある。パランティアのソフトウェアは、標的地域のソーシャルメディア投稿を収集して位置情報を特定する機能も備えており、イスラエル軍がガザ戦争で使用した際には、テレビでアルジャジーラが放映されている家や企業への攻撃を提案したと報じられている。

 襲いかかるシリコンバレーのハゲタカ

 ウクライナに商機を見出したシリコンバレー企業はパランティアだけではない。スペースXはウクライナ軍に衛星インターネットを提供しており、これは通信やドローン誘導に利用されている。マクサー・テクノロジーズ、プラネット・ラボ、ブラックスカイ・テクノロジーは衛星偵察サービスを提供している。プライマーAIとレコーデッド・フューチャーは情報分析ツールを提供している。パランティア創業者ピーター・ティールが出資するクリアビューは、ウクライナ軍がロシア兵や「協力者」とされる人物を特定するために使用する顔認識ソフトウェアを提供している。

 ウクライナは、クリアビューを警察の武器庫における恒久的ツールにする計画を立てているが、それが「活動家や市民社会を迫害するために使われるのは避けられない」とキーウの人権活動家たちは警告している。

 これらのツールは全てウクライナの戦争遂行能力を強化する一方、キーウは脆弱な立場に置かれている。ウクライナ軍がゴッサムを利用できるかどうかは、アレックス・カープの寛大さと、アメリカ政府がパランティアのソフトウェアに対する輸出規制を引き続き免除することに完全に依存している。カープが撤退したり、ワシントンの新政権が輸出規制を課したりした場合、パランティアのソフトウェアは非公開ソフトなので、ウクライナはゴッサムで収集したデータを自国のプラットフォームにエクスポートできない。

 これはウクライナの主権にとって何を意味するのか? 外交政策は、既にブリュッセルとロンドンで策定され、国土と資源は、ブラックロックやドナルド・トランプの鉱業仲間に分割され、軍隊は、今やシリコンバレーの定期購入サービスに依存している。ゼレンスキーと欧米諸国支援者との関係は益々一方的な取り引きに見えつつある。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/639300-palantir-ukraine-zelensky-testing/

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 東京新聞 朝刊 三面  
 反戦か 親イスラエルか

 米民主党 対イランで路線対立
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米基地機能被害甚大。継戦難。「イランの米軍施設攻撃は報道以上に多が衛星画像で判明。228の米軍基地建造物・設備―格納庫、兵舎、燃料貯蔵庫、航空機、レーダー、通信機器、防空設備―損傷・破壊。イランの攻撃は精密。THAAD、パトリオット戦前保有の53%と43%使用済」。

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