« Axios、対イラン新攻撃日程を発表 | トップページ | アメリカ合衆国をキューバが脅かしていると本気で信じている人など皆無だ »

2026年5月25日 (月)

トランプ大統領は今本当にイランを爆撃できるのか?



マーティン・ジェイ
2026年5月21日
Strategic Culture Foundation

 湾岸協力会議(GCC)とイランの関係と、イスラエルに対するこれら諸国による見解の変化の再較正はトランプの遺産になるだろう。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 ここ数日、多くの著名評論家が、ドナルド・トランプはイランに閉じ込められていると指摘している。彼らは、トランプはイランから脱出したいと強く願っているものの、残された唯一の選択肢はイラン爆撃再開だと主張した。彼らは、この爆撃は差し迫っており、プーチン大統領が、中国で習近平国家主席と会っている最中に実行される可能性が高いと警告した。驚くべきことに、彼らの予測はある程度正確だった。トランプの意図は、戦闘機からトマホーク・ミサイルを発射し、イランの主要施設を攻撃する第二波爆撃を示唆することだった。だが、より詳細な分析によると、トランプは、そのような計画を本気で実行するつもりはなく、むしろ、トランプが勝利宣言して撤退できるように、地域の指導者たちを互いに解決策を見つけさせようとする策略だったことが明らかになった。

 結局、トランプ大統領の狂気じみた行動に再び立ち向かったのはサウジアラビアだった。リヤドの米軍基地からの給油機離陸と、ヨルダンに駐留するF-35戦闘機の支援をサウジアラビアは拒否した。攻撃を実行するためにF-35は少なくとも4回給油が必要だ。しかし、今回はサウジアラビアだけではなかった。クウェートや、最近イスラエルとの関係を強化し、イスラエルとの合同任務部隊がイラン攻撃の準備をしているとさえ発言したアラブ首長国連邦からも注目すべき抵抗があった。これらの国々は全て、そのような攻撃は実行できないとトランプ大統領に伝えた。これだけでも十分奇妙だが、パキスタンは8000人の兵士と多数の戦闘機をリヤドに派遣し、異例の結束を示した。ラリー・ジョンソンなどの評論家は、サウジアラビアをアメリカから守るためにパキスタンが派遣したのではないかと疑問を抱いている。

 トランプが正気を失いつつあり、傷つきやすい自尊心を満たすためなら何でもする可能性があることに、この地域の指導者たちは気づき始めている。2月28日に彼がこの作戦を実行に移した時、多くの人々が本当に衝撃を受けた。計画自体はほとんどの人が知っていたものの、実際に実行するとは誰も思っていなかったのか? また、イランのウラン濃縮問題に関する和平合意をイラン側に強要する策略だと考えていたのか?

 この地域のエリートが、もはやアメリカが自分たちを守ってくれないのを認識するにつれ、新たな協力関係が急速に生まれつつある。さらに悪いことに、アメリカこそが、彼らをイランの標的にし、敵にする可能性が最も高いのだ。そのため、イランとの外交的解決策を策定するとともに、GCC諸国におけるアメリカの役割についてアメリカとの新たな合意を形成する必要がある。こうした非公式合意の一つとして、サウジアラビア、トルコ、パキスタンが連携し、イランに対する防衛緩衝地帯と、イスラエルに対する緩衝地帯の両方を形成する案がある。これ三国の地政学的な考え方が一致しているためだ。

 イランからトランプは何も得られない。イラン人は彼にうんざりしているが、そのうんざり以上に深刻なのは、彼を真剣に受け止められないことだ。そのため、今や唯一本当の問題は、アラブ諸国との関係だ。彼はアラブ諸国を自分の思い通りに動かせるかもしれないが、永続的平和のためには、地域の新たな覇権国たるロシアと中国に頼る必要があるのを彼らは理解している。トランプ自身もそれを理解しており、習近平との会談は実際はイラン問題への支援を求めるものだった。愚かにも、彼は中国での外交儀礼を拙くこなし、中国の主席が話している最中、居眠りまでしてしまった。だが結局、彼は訪問から具体的成果を何も得られず、中国がそもそも必要としていないボーイング機のような巨額取り引きの話だけ持ち帰った。この訪問で興味深いのは、中国がアメリカ人をどのように扱ったかだ。彼らは、最後のあがきをしている衰退する帝国主義国家としてのアメリカ人を甘やかし、まるで依然世界を支配しているかのように振る舞うのを許したのだ。こうした寛大な措置は賢明な一手だったが、GCC諸国はこれに追随するまい。彼らは、イランがホルムズ海峡の自由航行を認めるような地域における全く新しい安全保障協定を求めている。トランプが地域の大物として振る舞い続けるのを許すには余りに多くのものが危険にさらされている。そのような愚行は彼らにとって余りにも大きな代償を伴うからだ。

 GCCとイランの関係と、イスラエルに対する見解の再調整は、トランプの遺産になるだろう。かつてないほどワシントンDCで話題になり始めているアメリカとイスラエルの友好関係も同様だ。今のところ、アメリカによるイラン爆撃の脅威はなくなったようで、5月20日のブレント原油価格が89ドルまで下落したことにもそれが反映されている。市場は現実を理解しており、トランプは間もなくこの地域から撤退し、封鎖という幼稚で気まぐれなゲームをやめざるを得なくなると考えているようだ。だがアラブ諸国に彼にそれを伝える勇気があるのだろうか?

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/05/21/can-trump-really-bomb-iran-now/

----------

 植草一秀の『知られざる真実』
ホルムズ海峡開放が迫る
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
日経「緑の日傘」消える日本、街路樹50万本減、世界の都市整備と逆行(日経) 木の枝葉が地面を覆う面積の割合(樹冠被覆率)は2015年の9.2%から22年の7.43%に低下。ニューヨークが23.4%、シドニーが19.8%、パリ17%.

« Axios、対イラン新攻撃日程を発表 | トップページ | アメリカ合衆国をキューバが脅かしていると本気で信じている人など皆無だ »

イラン」カテゴリの記事

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

サウジアラビア・湾岸諸国」カテゴリの記事

トランプ大統領」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« Axios、対イラン新攻撃日程を発表 | トップページ | アメリカ合衆国をキューバが脅かしていると本気で信じている人など皆無だ »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ