市場は時期尚早に祝杯を挙げるかもしれないが次段階はより大規模な戦争になる可能性が高い。
アラステア・クルック2026年4月20日
Strategic Culture Foundation
後になってみれば、中国の供給網に対する脅威となる攻撃に比べれば、トランプの関税戦争は取るに足らないものだったと見なされるようになるだろう。
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我々は対イラン戦争の新段階に突入している。多くの人々(特に金融市場関係者)が予想していたものとは異なるかもしれない。昨日トランプ大統領は、とりわけホルムズ海峡は開放されており、二度とホルムズ海峡を閉鎖しないことにイランが同意したこと、アメリカの支援を受けて、イランが全ての機雷を撤去した、あるいは撤去中であること、アメリカとイランが協力して、イランの高濃縮ウラン(HEU)を持ち出すことなど述べた。トランプ大統領は次のように書いている。
「我々は必ずやり遂げる。イランと協力して、ゆっくりとしたペースで、大型機械を使って発掘作業を開始する。そして間もなく、それをアメリカに持ち帰る。」
金曜日の早い時間に、高濃縮ウラン(HEU)備蓄を引き渡すことにイランが合意したと大統領は述べた。
これらの主張はどれも真実ではなかった。トランプは(空想にとらわれて真実だと信じて)作り話をしていたか、市場操作をしていたかどちらかだ。後者なら大成功だった。原油価格は下落し株式市場は急騰した。報道によると、ホルムズ海峡が開いていて、二度と閉じることはないという主張の20分前に、7億6000万ドルの原油空売りが行われた…誰かが「大儲け」したのだ。
こうした混乱は大混乱を招いた。また、イランとの新たな協議と合意が近いうち、今週末にも実現するだろうとトランプ大統領は述べた。だが協議の可能性は誤りだ。「パキスタンの仲介者を通じて、第2回目の協議に(イランが)同意しないことをアメリカは伝えられていた」とイランのタスニム通信は報じている。
パキスタンが仲介したとされる停戦合意の当初から、イランは限られた数の船舶の航行を毎日許可することになっていた。だが、これは常にイランの通過条件に従うことを前提にしていた。
トランプ策略の最終的結果は、ホルムズ海峡や高濃縮ウラン備蓄や「ウラン濃縮の権利」に関して、より厳格で柔軟性の低い定義での既存条件をイランが再主張せざるを得なくなったことだ。
イスラマバードでの協議は、当初トランプ大統領が、イランとの直接交渉開始のための「実行可能な基盤」としてイランに対し提示した10項目の枠組みが、実際は何ら有効なものでないことを既に示していた。イランの枠組みは、その日の終わりに、あっさり無視され、アメリカは勝利を収めるために、主要な要求事項、すなわちイランがウラン濃縮を永久放棄すること、60%濃縮ウラン430kgをアメリカに引き渡すことと、ホルムズ海峡を通行料なしで開放することに焦点を移した。
要するに、アメリカの立場は、イスラエルが長年主張してきた要求の延長に過ぎなかったのだ。金曜日のアメリカの欺瞞行為を改めて経験した後、イランは常に警戒を怠らず、この人為的な混乱は、アメリカが計画している軍事エスカレーションから注意をそらすための策略だと考えるようになるだろう。
イランがこれらの重要な要求を拒否したことで、アメリカは、その日の終わりに突如イスラマバードへの関与を打ち切った。これにより、アメリカ「離脱」の背景にある決定的な事情が浮き彫りになった。そしてアメリカ「撤退」の背後にある決定的背景が明らかになった。ネタニヤフ首相は苛立っていた。実に苛立っていた。「[ネタニヤフ]の言い分によれば、都合の良い万能の『悪役』たる『メディア』は、イスラエルが[イラン]との戦争に敗れたという物語を定着させるのに成功した」とラヴィット・ヘクトが『ハアレツ』紙で書いている。
「簡潔で的確かつ明確なメッセージの力をネタニヤフ首相ほど理解している人は多くない。当時、政府のブリーフィングの隅々まで、傲慢さとアドレナリンが滲み出ていた頃、戦争の最初の週に掲げた野心的な目標のうち、少なくとも一つは紛れもない成功事例として示すことにネタニヤフ首相は必死だ」
「テヘラン政権転覆 もはや選択肢にない。政権転覆のための『条件を整える』漠然とした目標は消滅した。イランの弾道ミサイル計画を終わらせることは、今や極めて非現実的と思われ、ネタニヤフ首相の閣僚もそれを認めている。地域におけるイラン代理勢力のネットワークは、影響力はより巧妙なものになるかもしれないが、完全に解体されると考えている者はほとんどいない」
「そこで残る切り札は一枚しかない。ウランだ。」
「過去の危機と同様、高まる圧力により、イランが濃縮ウラン備蓄を搬出せざるを得なくなるのをネタニヤフ首相側近連中は期待している。その結果に、つまり新たな戦争によって政権を不安定化させる可能性に、ネタニヤフ首相は全てを賭けている。」
それが、ホワイトハウスやテルアビブからほぼ毎時間指示を受けていたバンス副大統領が会談を時期尚早に打ち切った理由だ。ネタニヤフの将来がかかっている簡潔で力強い勝利メッセージが、この会談から生まれる気配は皆無だった。
アメリカ憲法専門弁護士のロバート・バーンズ(ヴァンスの友人)は、インタビューで下記のように述べている。
「2025年9月頃からトランプは認知症の初期症状を示し始めた…彼は頻繁に虚言を吐き、日常的に癇癪を起こして、叫び散らし、批判的思考ができない。しかも、バーンズによれば、この状態で、アメリカがイランを打ち負かしたとトランプは本気で信じており、ホルムズ海峡封鎖が世界経済に与える甚大な経済的損害を理解していない」。
要するに、バーンズによれば、イランが降伏寸前だというトランプの妄想は、彼の精神状態の悪化、つまり「現実」を理解する能力の低下を反映しているのだ(ピート・ヘグセス戦争長官が強化しようと努めている楽観的解釈)。
おそらく、イランへの圧力と更なる圧力、経済的圧力によた、イランがウランを放棄せざるを得なくなるか、米軍が地上で劇的に奪取するか、いずれかで、430キロの濃縮ウランを(比喩的に)高々と掲げる勝利のトロフィーを獲得できるとネタニヤフ首相と同様、トランプ大統領も信じているのだ。
このような危機に直面する中、ホワイトハウス中枢で(またもやバーンズによる)バンス副大統領は、イランとの新たな会談をイスラマバードで実現させるため舞台裏で奔走していると報じられている。これは停戦交渉中にイスラエルがレバノンで大規模空爆と地上攻撃を行い、最大1000人(ほぼ全員民間人)を死傷させたこと、トランプ大統領が二日前のレバノン停戦開始時にイスラエルによるレバノン攻撃を「禁止」したとされた後も攻撃が続いていることなどにより、政治過程が意図的に阻害されているにもかかわらずだ。
だがパキスタンによる度重なる態度の変遷や、多方面に飛び交う情報の中「昨夜、イラン軍当局者は、テヘランがアメリカに最終通告し、レバノンを攻撃しているイスラエル軍に対する軍事作戦およびミサイル攻撃を開始するまであと1時間だと伝えた。これにより、トランプ大統領は(ついに)レバノンでの停戦を宣言せざるを得なくなった」と述べた。もっとも、この決定はイスラエル国内で大きな怒りを招いた。
(既に停戦協定に違反している)イスラエルが停戦協定を遵守するかどうか全く不明だ。ネタニヤフ首相やイスラエルの全野党指導者やイスラエル国民の大多数は戦争継続を望む点で一致している。
イスラマバード会談が失敗に終わったのは、第一に、両者の溝が一度の会談では埋めきれないほど深かったこと、第二に、両者が現実の状況について、異なる、しかも矛盾した認識を持っていたことによる。アメリカは、相手が既に軍事的に壊滅状態にあり、絶望的な状況にあるという「仮説」に基づいて交渉に臨んだようだ。
対照的に、12日間の戦争後、より強くなったという確信を持ってイランは交渉に臨んだ。彼らの解釈では、ホルムズ海峡と紅海の支配による影響は、痛みのバランスが決定的にイランに有利になる段階にはまだ達しておらず、ましてイランの大幅譲歩が適切な段階には到底達していないことだった。
次の段階はどうなるだろう? そう更なる戦争だ。より大規模な武力衝突となり(イスラエルとアメリカの標的リストは数日間の攻撃に使えるよう想定して作られたものでないため)イランの民間インフラを標的とした大規模ミサイル攻撃が再び行われる可能性が高い。
4月14日「停戦交渉はワシントンが地上戦準備に利用する隠れ蓑になる可能性もある…アメリカとイスラエルは和平交渉を利用して対イラン地上作戦の準備を進めており、アメリカ国防総省は地域における米軍増派を続けている」とロシアの安全保障会議が警告した。
今回トランプ大統領は制裁と封鎖を通じてイランへの経済的打撃を更に最大化することを目的とした新たな戦線を加えた。スコット・ベッセント財務長官が主張するように、中国はイランにとって割引価格石油の最大顧客であるため、中国が主標的になっている。ベッセントは、この新局面は以前のアメリカとイスラエルによる対イラン軍事攻撃に匹敵する金融上のものだと主張している。彼はこれを「経済的な壮絶な怒り作戦」の一環と呼び、特に違法石油販売や密輸ネットワークからのイランの収入源を断つことを目的としている。
また、イラン産原油購入を継続する国、企業、金融機関、あるいはイラン資金が自らの口座を経由して流入するのを容認する国、企業、金融機関に対し、アメリカは二次制裁を課すとベッセントは述べた。これは「非常に厳しい措置」だと彼は表現した。イラン資金が銀行口座を経由して移動していることが証明された場合、アメリカは二次制裁を適用するとベッセントは明言した。
もしこの発表が、中国に圧力をかけて、イランを屈服させようとする意図がイスラエルとアメリカにあるのだとすれば、イランと中国の情勢を著しく読み違えていると言える。トランプ大統領にとって、おそらく逆効果になるだろう。
これは経済戦争における新戦線となり、経済戦争を世界規模に拡大させることになろう。
この声明を(ベネズエラ封鎖に続く)中国のエネルギー供給網を締め付けるアメリカによる新たな試みとしか中国とロシアは捉えないだろう。ホルムズ海峡は依然中国船舶の航行に開放されている。トランプ大統領による封鎖は最初の締め付けで、今度は中国の銀行や貿易に対する制裁をちらつかせている。
後になってみれば、中国の供給網に対する脅威となる攻撃に比べれば、トランプの関税戦争は取るに足らないものだったと見なされるようになるだろう。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/04/20/markets-prematurely-may-celebrate-but-the-next-phase-likely-will-be-more-bigger-war/
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東京新聞 夕刊 一面
殺傷武器輸出を容認
非戦闘目的「5類型」撤廃
閣議決定
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