対イラン戦争:敗者が「条件」を設定する――封鎖を封鎖するという奇妙な考え
2026年4月12日
Moon of Alabama
アメリカとイランによる第1回目の協議は何ら進展を見出せなかった。
アメリカの交渉担当者は自らの立場を完全に誤って判断し、条件を設定しようとした(アーカイブ)。
イランを封鎖することで、ホルムズ海峡封鎖を解除するという発想は、ジョン・ソロモンのものではなく、狂信的ネオコン、ジャック・キーンのものだ。
海上封鎖という構想は、先週国内屈指の軍事戦略家ジャック・キーン退役将軍によって初めて提唱された。
「戦争が再開され、我々がイランの残存する軍事力を十分に弱体化させた後、米軍はカーグ島を占領するか、破壊するか選択できる」とキーンがニューヨーク・ポストのコラムに書いた。「あるいは、米海軍が海上封鎖を行い、テヘランの輸出の生命線を遮断することもできる。」
—
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/04/war-on-iran-loser-tries-setting-terms-the-strange-idea-of-blockading-blockaders.html
----------
思わぬ影響があるようだ。Bloombergニュース
TOTO株下落、ユニットバス新規受注を停止-中東情勢で原材料不足
Moon of Alabama
アメリカとイランによる第1回目の協議は何ら進展を見出せなかった。
アメリカの交渉担当者は自らの立場を完全に誤って判断し、条件を設定しようとした(アーカイブ)。
21時間以上に及ぶ交渉の経緯についてバンスはほとんど語らず、イランに核開発計画を永久停止させる二者択一の提案を提示したが、イラン側はそれを拒否したと示唆した。これまでのところアメリカは戦争に敗北している。戦争の目的は一つも実現されていない。イランの濃縮ウランを奪取しようとした試みは、ベトナム戦争以来最大の空軍損失で終わった。アメリカにはいかなる条件も提示できる立場にない。
「我々は譲れない一線を明確に示した」とバンスは記者団に語り「譲歩できる点も明確にしてきた」と補足し「イランは我々の条件を受け入れないことを選択した」と述べた。
その点で、今回の交渉は2月下旬にジュネーブで行き詰まりに終わった交渉とほとんど変わらないように見える。交渉終了後、ホルムズ海峡を再開するための最善の策は、イラン封鎖だと主張する記事をドナルド・トランプがツイッターで引用した。
現在、トランプ最大の切り札は、大規模な戦闘作戦再開をちらつかせる能力にある。何しろ、もろい二週間の停戦は4月21日に終了するのだ。しかし、今後数日の中に戦闘作戦再開の恫喝が持ち出される可能性はあるものの、それはトランプにとって、特に実行可能な政治的選択肢ではなく、イラン側もそれを承知している。
先週トランプが停戦を宣言した主な理由は、世界の石油供給量の20%が失われたことによる痛手を食い止めるためだった。石油不足はガソリン価格の高騰、肥料不足や、半導体製造に必要なヘリウムをはじめとする重要物資の不足を引き起こしていた。たとえ不完全あるいは不十分な合意でも、合意の可能性を受けて市場は上昇した。戦争が再開されれば、市場は下落し、物資不足は悪化し、既に3.3%に達しているインフレ率はほぼ確実に上昇する。
そして、最も喫緊の課題は、ホルムズ海峡の再開だ。
イランが譲歩しない場合、大統領が持っている切り札は海上封鎖だ。https: //justthenews.com/government/sec… (TS: 4月12日 00:16 ET)該当記事「イランが譲歩しない場合、大統領が持つ切り札:海上封鎖」は、弁護士のジョン・ソロモンによるもので、彼の無知さは驚くべきものだ。
土曜日にアメリカが提示した最終合意案をイランが受け入れない場合、公言した通り、トランプ大統領は、テヘランを「石器時代」に戻すまで爆撃する可能性がある。あるいは、既に不安定状態にあるイラン経済を締め付け、中国とインドへの主要石油供給源の一つを断って外交的圧力を強めるため、これまで成功を収めてきた封鎖戦略を再び用いるかもしれない。トイレが故障し、洗濯室が焼け焦げた空母ジェラルド・フォードは地中海にいる。ペルシャ湾に到達するには、スエズ運河、バブ・エル・マンデブ海峡、ホルムズ海峡を通過しなければならない。バブ・エル・マンデブ海峡はフーシ派が、ホルムズ海峡はイランが支配している。どちらを通過するのも至難の業だ…。
皮肉なことに、ベネズエラ封鎖を主導した巨大空母ジェラルド・フォードは深刻な火災事故後の修理と乗組員休息のため一時休止していたが、現在ペルシャ湾にいる。今や、空母エイブラハム・リンカーンをはじめとする他の主要海軍艦艇と合流している。
イランを封鎖することで、ホルムズ海峡封鎖を解除するという発想は、ジョン・ソロモンのものではなく、狂信的ネオコン、ジャック・キーンのものだ。
海上封鎖という構想は、先週国内屈指の軍事戦略家ジャック・キーン退役将軍によって初めて提唱された。
「戦争が再開され、我々がイランの残存する軍事力を十分に弱体化させた後、米軍はカーグ島を占領するか、破壊するか選択できる」とキーンがニューヨーク・ポストのコラムに書いた。「あるいは、米海軍が海上封鎖を行い、テヘランの輸出の生命線を遮断することもできる。」
「カーグ島のインフラを維持しつつ物理的に支配権を掌握すれば、イランの石油と経済を完全に掌握できる」と彼は付け加えた。「それは、イランの『核の塵』、つまり濃縮ウラン貯蔵庫を奪取し、濃縮施設を破壊するために必要な究極の切り札になる。」それはまた、世界の石油市場への供給量減少を意味する。歴史的に見て、海上封鎖の影響が現れるには数ヶ月、場合によっては数年もかかる。それはトランプ大統領が政治的に生き残る時間よりも長い。
ワシントンの狂信者たちが考えているほど、カーグ港はイラン輸出にとって重要ではない。イラン・イラク戦争の8年間、カーグ港は閉鎖されていたが、イランからの石油輸出は途切れることなく続けられた。
イランを封鎖しようとするいかなる試みも、インド、中国、ロシアの船舶がイランの港に入るのを阻止するためには武力行使が必要になる。
—
Moon of Alabamaの運営には多大な時間と費用がかかります。ぜひご支援をご検討ください。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/04/war-on-iran-loser-tries-setting-terms-the-strange-idea-of-blockading-blockaders.html
----------
思わぬ影響があるようだ。Bloombergニュース
TOTO株下落、ユニットバス新規受注を停止-中東情勢で原材料不足
« 「電撃戦」失敗:アメリカ・イスラエルの対イラン攻撃はなぜ失敗に終わったのか、トランプ大統領はいかにして面目を保てるのか | トップページ | ハンガリーの覇権争いでマジャルがオルバンに勝利:今後の展開は? »
「イラン」カテゴリの記事
- 対イラン戦争:短評(2026.05.10)
- ホルムズ海峡は「原子爆弾」に匹敵する ― イラン最高指導者顧問(2026.05.11)
- 対イラン戦争:トランプ大統領のエスカレーションにブレーキをかけたサウジアラビア(2026.05.09)
- エネルギーを巡る激震:ウクライナと対イラン紛争がヨーロッパの未来をどのように変えたのか(2026.05.08)
「アメリカ」カテゴリの記事
- 欧米諸国の戦争挑発行為を終わらせることが我々の最優先事項であるべきだ。(2026.05.08)
- 戦争のための製品:ウクライナというシリコンバレー軍事AIの実験場(2026.05.07)
- 蛮族への最後通牒(2026.05.07)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- 対イラン戦争:短評(2026.05.10)
- 対イラン戦争:駆逐艦戦、持ちこたえるイラン、切り札を握る敗者(2026.05.10)
- ホルムズ海峡は「原子爆弾」に匹敵する ― イラン最高指導者顧問(2026.05.11)
- 対イラン戦争:トランプ大統領のエスカレーションにブレーキをかけたサウジアラビア(2026.05.09)
- エネルギーを巡る激震:ウクライナと対イラン紛争がヨーロッパの未来をどのように変えたのか(2026.05.08)
「シェール・ガス・石油」カテゴリの記事
- エネルギーを巡る激震:ウクライナと対イラン紛争がヨーロッパの未来をどのように変えたのか(2026.05.08)
- トランプの「プロジェクト・フリーダム」は完全に頓挫した。さて、これからどうなるか?(2026.05.08)
- 中国、アメリカ制裁に対抗(2026.05.06)
- UAEのOPEC戦略:巧妙な権力闘争か、それとも混乱への道か?(2026.05.05)
「トランプ大統領」カテゴリの記事
- 対イラン戦争:駆逐艦戦、持ちこたえるイラン、切り札を握る敗者(2026.05.10)
- トランプの「プロジェクト・フリーダム」は完全に頓挫した。さて、これからどうなるか?(2026.05.08)
- 対イラン戦争:―トランプの「プロジェクト・フリーダム」はいかにして失敗したのか(2026.05.06)
- トランプ政権のイラン政策失敗:「不運」か、意図的か、それとも偶然か?(2026.05.04)
- イランの最新提案をトランプ大統領が受け入れない本当の理由は一体何なのか?(2026.05.04)
「Moon of Alabama」カテゴリの記事
- 対イラン戦争:短評(2026.05.10)
- 対イラン戦争:駆逐艦戦、持ちこたえるイラン、切り札を握る敗者(2026.05.10)
- 対イラン戦争:トランプ大統領のエスカレーションにブレーキをかけたサウジアラビア(2026.05.09)
- 中国、アメリカ制裁に対抗(2026.05.06)
- 対イラン戦争:―トランプの「プロジェクト・フリーダム」はいかにして失敗したのか(2026.05.06)
« 「電撃戦」失敗:アメリカ・イスラエルの対イラン攻撃はなぜ失敗に終わったのか、トランプ大統領はいかにして面目を保てるのか | トップページ | ハンガリーの覇権争いでマジャルがオルバンに勝利:今後の展開は? »



コメント