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2026年4月25日 (土)

対イラン戦争:終わりの見えない膠着状態

2026年4月23日
Moon of Alabama

 ドナルド・トランプ大統領はイランに対する脅迫で、またもや尻込みした。  
 トランプ大統領は、停戦は水曜日に終了する予定だったが、テヘラン政府が「深刻な分裂状態にある」ため、停戦を維持することにしたと述べた。

 アメリカとイスラエルとの戦争を終結させるための「統一提案」をイラン指導者と代表者が提出するまで、停戦は継続されるとトランプは述べた。また、トランプは、アシム・ムニールとパキスタンのシェバズ・シャリフの要請を受けて、この措置を取ったと述べた。提案が提出されるまで、封鎖を維持するよう米軍に指示したとも述べた。
 トランプ大統領が以前認めた通り、アメリカは既にイランから10項目提案を受け取っている。

 トランプが明言せずに認めているように、この戦争が交渉でに解決される可能性は低い。アメリカは構造的にイラン制裁を解除したり、和平条約を締結したりする能力がない。イランは、トランプや後継者が守る可能性が低い単なる約束のために(ウラン濃縮)権を放棄するつもりはない。

 従って、紛争は今後も続くだろう。

 イランの軍事力は長期戦を遂行するのに十分だ。アメリカとイスラエルによる激しい爆撃作戦もイランを武装解除できなかった。  
4月初旬の停戦開始時点で、イランの弾道ミサイルと発射システムの備蓄の約半分がまだ無傷だったと、当局者3人がCBSニュースに語った。

 当局者によると、高速攻撃艇を含めイスラム革命防衛隊海軍の約60%がまだ存在しているという。

 当局者によると、貯蔵施設や生産施設を含む数千の標的を攻撃したアメリカとイスラエルの集中的作戦の後も、イラン空軍の約3分の2がまだ運用可能だと考えられている。

 イランは、まだ損害を与えられるという書面声明を下院軍事委員会公聴会に先立って国防情報局長官が提出した。

 「消耗と使用による能力低下にもかかわらず、イランは地域全体で米軍および同盟軍を脅かす可能性がある数千発のミサイルと攻撃型無人機を保有している」とジェームズ・アダムス海兵隊中将が書いた。

 これに先立ち、大統領とピート・ヘグセス国防長官は、エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦と呼ばれるアメリカの取り組みはイランの軍事能力を事実上破壊するものだと述べていた。
 国防総省が弾薬のほぼ50%を使い果たしたという報道を信じるなら、微々たる結果だと言えよう。  
戦略国際問題研究所が実施した新たな分析によると、過去7週間の戦争で米軍は精密攻撃ミサイル備蓄の少なくとも45%、弾道ミサイル迎撃用に設計されたTHAADミサイル在庫の少なくとも半分、パトリオット防空迎撃ミサイル備蓄のほぼ50%を消費した。この評価に詳しい情報筋によると、これら数字はアメリカの備蓄に関する国防総省の機密データとほぼ一致している。

分析と情報筋によれば、米軍は、トマホーク・ミサイル備蓄の約30%、長距離統合空対地スタンドオフ・ミサイル備蓄の20%以上、SM-3およびSM-6 ミサイルの約20%を消費した。これら兵器を補充するには約4~5年かかる。
 トランプの虚勢は、これまで一度や二度どころか、五度も暴かれている。  
大統領は、これまでに5回にわたり、イランに対し、自らの要求に応じなければ怒りに直面する期限を設けてきた。

 そして彼は毎回、イランが彼が提示した条件を満たしたという公的証拠が、ほとんど、あるいは全くないにもかかわらず、期限を延期した。
 アメリカはもはや選択肢がなくなったが、敗北を認めるつもりはない。

 イランによるホルムズ海峡封鎖による被害は日々拡大しているアーカイブ)。  
先週、紛争が数ヶ月続き原油価格が高止まりする深刻なシナリオでは、2026年の世界経済成長率は2%にまで低下する可能性があると国際通貨基金(IMF)が警告した。これは近年の最も深刻な世界不況時にしか見られなかった水準だ。これに対して、IMFの主要シナリオ、つまり「基準」シナリオでは、紛争は速やかに解決し、今年の世界生産高は3.1%増加すると予測されている。

 この紛争は、世界のエネルギー市場に、既に1973年の石油危機より大きな混乱をもたらしている。影響は原油価格高騰を遙かに超えている。

 人工知能チップ・ブームに不可欠なヘリウムや世界の食糧安全保障に欠かせない肥料のサプライチェーンも滞っている。世界のアルミニウム供給量の約10%を占める湾岸地域で戦争に関連する製錬所の閉鎖が相次ぎ、アルミニウム価格は今月初めに4年ぶりの高値に迫っている。
 現在イラン指導部は一枚岩ではないと主張するプロパガンダをアメリカは展開している。  
トランプ政権の交渉担当者たちは、戦争を終結させ、イランの核開発計画の残滓に対処する合意は依然実現可能だと考えている。だが同時に、テヘラン国内には、アメリカとの合意に賛成する権限を持つ人物がいない可能性も懸念している。
 
  • 最高指導者モジタバ・ハメネイ師はほとんど意思疎通を図っていない。現在国を掌握している革命防衛隊の将軍たちと、イランの文民交渉担当者たちは、戦略を巡り公然と対立している。  
  • 「イラン国内では交渉担当者と軍部間に完全な亀裂が生じており、どちらも最高指導者に接触できず、指導者も応答しない状況だ」と米当局者は述べた。
 それはイランの政治過程を著しく誤解している。最高指導者の下にある国家安全保障会議は常に主要外交政策決定の場となってきた。国家安全保障問題に関して、ペゼシュキアン大統領とアラグチ外相は外交官で、政策立案者ではない。従って、イランにおける「強硬派」と「穏健派」を区別するのは妥当ではない。

 トランプの喝采を浴びて、イランのいわゆる抵抗勢力を殺害するよう主張している主流派の論説委員連中は、自らの無知を露呈しているに過ぎない。

 トランプは最新のTACO方針で、問題を先送りした。アメリカ経済に更に深刻な打撃が現れるまで、彼は自らが引き起こした状況を無視しようとすると私は予想している。

 一方、イランは圧力を強化でき、またそうすべきで、おそらくそうするだろう。最も当然な手段は、イエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)に紅海の南側出口、バブ・エル・マンデブ海峡を封鎖するよう要求することだ。

 これは世界の石油生産量の更に5%を遮断し、経済への圧力を増大させるはずだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/04/war-on-iran-a-stalemate-with-no-end-in-sight.html

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トランプがイランとの戦争踏み切りは重大な戦略的誤算と記憶されるだろう。故最高指導者等の長年の戦略的忍耐=防衛的姿勢が安全保障を保証しないという認識を強めた。ホルムズ海峡の支配へ。米国の関与は限定的になる。未来の歴史家は米国世紀の終焉の始まりとみよう

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