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2026年4月10日 (金)

帝国はひとまず後退した



「現状を見る限り、これが帝国にとって屈辱的敗北なのは確実だ。」

ケイトリン・ジョンストン
2026年4月8日

 ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。

 以前、イランの「文明全体を滅ぼす」とトランプ大統領は脅迫していたが、今回の譲歩の理由として「イランの10項目提案」を挙げて、イランとの二週間停戦を発表した

 トランプ大統領と郎党は、これをアメリカにとっての大勝利だと歪曲し、テヘランの10項目計画は、大統領の脅迫に対する重大な屈服と位置づけている。だが、イランが数週間前から同じ条件を提示していたことを一部の記者は指摘しており、これは実際は、ホワイトハウスが譲歩していることを意味する。

 大統領発表の数時間前、Drop Siteのライアン・グリムはTikTokに動画を投稿し、トランプ大統領はイランの10項目和平案を受け入れ、まるでイランが最近提示したばかりの新提案であるかのように振る舞い、終末論的脅迫を撤回しつつ面目を保てると主張した。西側メディアが、これまでずっとイランが提示した停戦条件を完全に無視してきたため、トランプ大統領はこのようなことをしても許されるとグリムは論じている。


 興味深いことに、トランプ大統領はまさにそのように行動したようだ。以前はイランの提案を「不十分だ」と拒否していた大統領が、一転して、イラン提案を、政権がイランに課せた圧力に対する全く新しい対応策として位置づけたのだ。

 3月28日、Drop Siteは次のように報じていた。  
「イランが戦争を恒久的に終結させるための条件には、アメリカとイスラエルがイランを二度と攻撃しないという長期的保証、停戦がレバノン、イラク、パレスチナにも適用されること、戦争中にイランが被った損害に対する賠償、制裁の解除と、イランがホルムズ海峡の支配権を維持することなどが含まれる。」
 これらは、イランが今日アメリカに受け入れるよう圧力をかけたと主張する条件と同じだ。イラン国営メディア、Press TVは、イラン最高国家安全保障会議の発言を引用して、「イランは犯罪国家アメリカに10項目計画を受け入れさせて歴史的勝利を収めた。アメリカはホルムズ海峡の支配権、ウラン濃縮権、全ての制裁解除をイランに認めた」と報じた。

 ニューヨーク・タイムズは次のように報じている。  
機密性の高い交渉について匿名を条件にイラン高官二人が語ったところによると、提案にはイランが二度と攻撃されない保証、レバノンのヒズボラに対するイスラエル攻撃の停止と、全ての制裁解除が含まれているという。
 
「見返りとして、ホルムズ海峡を通る主要航路に対する事実上の封鎖をイランは解除する。また、イランは船舶1隻あたり約200万ドルの通行料を課し、その金額を海峡対岸に位置するオマーンと折半する。計画によると、イランは直接賠償を要求するのではなく、その収益の自国分をアメリカとイスラエル攻撃により破壊されたインフラ再建に充てるという。」

 現状を見る限り、これは明らかに帝国にとって屈辱的敗北と言える。イランは、ホルムズ海峡の通行料徴収権や、長年イラン経済を苦しめてきたアメリカ制裁からの解放など、戦争前には持っていなかった多くのものを手に入れる一方、帝国は高額な料金を支払って船舶輸送を再開し、核保有国となったイランから世界を救ったとでも言いたげな態度をとるのだ。

 先月まで「イランとの取り引きは無条件降伏以外あり得ない!」と主張していたホワイトハウスの姿勢からすると、まさに大転換だ。

 イランに対する西側諸国の好戦的姿勢について常に優れた洞察力を持つクインシー研究所のトリタ・パルシは、次のように書いている。  
「これはいくら強調してもしすぎることはない。アメリカとイランがイスラマバードで会談し、イランの10項目計画に基づく最終合意を交渉する際、新たな力学が働くだろう。トランプ政権の失敗に終わった戦争により、アメリカ・イラン外交におけるアメリカの軍事的脅威の効力は失われた。アメリカは依然脅迫を行うことはできるが、それがもはや大きな影響力を持たないことを全員認識している。つまり、イランとの戦争が試みられ、失敗に終わったのだ。その結果、交渉はどちらか一方の強制ではなく、双方の真の妥協に基づかなければならない。」

 もちろん悲観的になる理由は山ほどある。アメリカとイスラエルは、交渉中にイランを何度も攻撃してきた。たとえアメリカが合意内容を守ったとしても、イスラエルが侵略行為で合意を妨害する可能性は常にある。イランは今や、イスラエルから身を守る唯一の方法は、イスラエルの侵略行為に対する代償を西側世界全体に課すことだと理解しているはずだ。西側諸国がイスラエルを抑え込む方法を見つけられなければ、イランは我々全員にゴミを燃やして家を暖め、裏庭でニンジンを栽培するような事態を招くだろう。

 参考までに言うと、シオニストのツイッター界隈は今まさに大混乱に陥っており、ローラ・ルーマー、イヴ・バーロウ、エリ・デイヴィッドといった悪名高いイスラエル擁護者連中が、イランがこのような立場になって、殺戮が終わったことに憤慨して、嘆き悲しんでいる。この停戦には私も誰よりも懐疑的だが、世界最悪の連中が今まさにこの件で大混乱に陥っている事実は、かすかな希望の光を与えてくれる。

 そのうちわかる。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/04/08/the-empire-backs-down-for-now/

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