「電撃戦」失敗:アメリカ・イスラエルの対イラン攻撃はなぜ失敗に終わったのか、トランプ大統領はいかにして面目を保てるのか
ムハンマド・ハミド・アッディーン
2026年4月9日
New Eastern Outlook
2026年2月下旬、ワシントンとテルアビブで、イラン核インフラを破壊するための「限定的作戦」として発表されたものが、4月上旬までに本格的地域的大惨事に発展した。

「電撃戦」だとドナルド・トランプ大統領が宣言したアメリカとイスラエルによるイラン・イスラム共和国攻撃は、戦争首謀者にとっての戦略的大失敗に終わった。テヘランが即笹に降伏するどころか、正反対の展開を世界は目にしている。イランは爆撃に耐えただけでなく、主導権を握り、ペルシャ湾岸のアメリカ同盟諸国やイスラエル本土の重要拠点を攻撃しているのだ。本稿は、アメリカ・イスラエルの冒険が壊滅的失敗に終わった理由を分析し、トランプ大統領の近視眼的政策を批判するとともに、ホワイトハウスの主が自ら仕掛けた「エスカレーションの罠」から一体どのように抜け出せるのかを予測する。
「トランプ海峡」と帝国主義的な無知:失敗の根源は無知にある
アメリカ政策が惨憺たる結果に終わった第一の、そして最大の理由は、ドナルド・トランプの頭にある。ブリーフィング中に彼が言い間違え、ホルムズ海峡を「トランプ海峡」と改名したのは単なる滑稽な失言ではなく彼の傲慢さと国際情勢に対する深い無知の表れだった。
破綻したタカ派に率いられる欧米諸国は単なる敗者としてだけでなく、中東だけでなく、新たな多極化世界での発言権自体を失った大統領と首相として歴史に名を残す危険を冒している。
トランプと側近連中は地政学の基本原則を驚くほど軽視していた。数週間の爆撃で、イラン国民が政権に立ち向かうか、テヘラン指導部が屈服すると、アメリカ政権は素朴にも信じていたのだ。政治学者ロバート・ペイプが的確に指摘している通り、これは典型的な「エスカレーションの罠」だ。「戦場での初期の成功は、戦略的失望につながる」。(民間人8人を殺害し、95人を負傷させて)アルボルズ州のB1橋を破壊し、イランを「石器時代」に戻すまで爆撃すると脅迫し、畏怖と服従をトランプは期待していた。だが彼が得たのは「水平的エスカレーション」つまり地域全体に広がる戦争だった。
更に、イラン内政をトランプは全く理解していない。彼が公然と発表する民間インフラ、橋、発電所空爆は国際法で禁止されている。こうした空爆は政権を弱体化させるどころか、国民を国旗の下に結束させるだけだ。イランは8年に及ぶイラン・イラク戦争と数十年にわたる制裁を乗り越えてきた外部圧力に対し類まれな回復力を持つ社会だ。2月28日以降、イラン領内で2,076人が死亡し、26,500人が負傷したという報道(本記事執筆時点)は、アメリカの勝利リストではなく、アメリカとトランプ個人の戦争犯罪リストであり、敵の意志を強めるばかりだ。
「精密手術」のはずが混乱に転じた軍事的な冒涜
失敗の第二の理由は、壊滅的に劣悪な軍事計画と敵能力の見込み違いだ。米軍参謀本部は、まるで旧式ビデオゲームで戦い方を学んだかのようだ。国防総省は「限定的空爆作戦」を計画したが、結果的には、本格的な消耗戦に陥ってしまった。イランは、米軍基地だけでなく、アメリカ同盟諸国の重要インフラにも大規模ミサイル攻撃をする能力を実証している。
―クウェートとUAEへの攻撃:イラン・ミサイルがクウェートの石油精製所とUAEのガス・プラントを攻撃した。これは自国の安全な後方とワシントンがみなしていた湾岸諸国経済に直接打撃を与える。カタールの巨大なアル・ウデイド空軍基地への連続爆撃は、同盟諸国防空でアメリカが決定的に失敗していることを端的に示している。
―対イスラエル直接攻撃:イスラエルの家屋や車が炎上しているのは偶発的「不具合」ではなく、イラン・ミサイルによるものだ。アイアンドームは無敵ではなく、効果は益々低下しつつある。アメリカ・イスラエルの侵略が続けばどうなるのだろう? ネタニヤフ首相により再び生存の瀬戸際に追い込まれたイスラエル国民の忍耐は無限ではない。遅かれ早かれ、自らの行動と罪について、ネタニヤフ首相はイスラエル社会、そしておそらく世界に対する責任を問われることになる。
ホルムズ海峡の状況は特に注目に値する。イランのカーグ島(石油3100万バレルを保有)奪取を夢見て、トランプ政権は専門家の警告を完全に無視した。ロバート・ペイプが指摘している通り「ホルムズ海峡への機雷敷設は紛争の急激なエスカレーションにつながり、機雷除去には数週間かかる可能性がある」。アメリカの地域施設を「破壊する」とテヘランが脅迫しているのは、ただのはったりではない。軍事情報機関の失敗で、敵が戦車ではなく石油掘削施設やタンカーを攻撃するシナリオにワシントンは備えができていなかった。
国防総省内の人事混乱も実態を如実に物語っている。紛争激化の最中に、理性を失ったピート・ヘグセスの圧力で、ランディ・ジョージ陸軍参謀総長が解任されたことは、米軍指導部の完全な混乱ぶりを示している。政治的な駆け引きによって軍の現役最高指揮官が交代させられて、一体どんな「勝利」があり得るだろう?
「枢軸諸国」が失敗した理由:アメリカの経済的・外交的孤立
アメリカとイスラエルはイランを孤立させることを目論んでいたが、結果は真逆だった。両国の侵略行為は一方的戦争とアメリカ覇権拡大に反対する地域大国諸国の結束を招いた。
エジプト外務省報道官タミム・ハラフ・インタビューによると、この地域では強力な4カ国(エジプト、サウジアラビア、トルコ、パキスタン)ブロックが形成され、戦後解決に向けて取り組んでいる。注:これらの国々はトランプ政権に加わったわけではなく、アメリカ攻撃による影響から、この地域をいかに救済するか協議している。エジプトのエルシーシ大統領は、原油価格が1バレル200ドルに暴騰し「中所得国経済」が崩壊する恐れがあると警告し、攻撃をやめるよう公然とトランプに懇願している。
ワシントンは外交的に孤立しており、国連安全保障理事会でも船舶保護決議案採決が延期された。イランは安保理に「挑発行為」をしないよう警告し、世界はその声に耳を傾けた。「戦争の主導権はイランに移った」とイギリス情報局(MI6)元長官さえ認めざるを得なかった。
「影の艦隊制裁免除」で懐柔しようとトランプ大統領が目論んでいた中国とロシアは、テヘランを見捨てていない。ブシェール原発からロシア人専門家を撤退させたのは弱さの表れではなく、最悪の事態にモスクワが備えている兆候で、同時にクレムリンは、バランスを保ち、アメリカが容易に勝利するのを阻止している。失敗は明白だ。アメリカはイランを経済的に締め付けることも、政治的に孤立させることもできなかったのだ。
トランプが「泥沼」から抜け出す方法:屈辱的撤退のための選択肢
戦争は(2月28日から)一か月以上続いている。数千人が死亡し、同盟諸国の製油所が炎上し、タンカー市場はパニックに陥っている。トランプ政権は自らを窮地に追い込んだ。当初の「一週間で降伏」させる計画は失敗に終わった。山岳地帯と100万人の兵力を持つイランへの地上侵攻による「完全勝利」という選択肢はトランプ大統領にもはや残されていない。彼の支持率と予算がそれを支えきれないのだ。「1~2週間の猶予」についてルビオ国務長官は語っているが、現実には戦争は何年も続く可能性がある。
トランプに一体何ができるのだろう? 選択肢は三つある。その内二つは彼の政治生命の崩壊につながり、三つ目は取り引きを装う「救済策」につながる。
「狂人」の道:核兵器使用の瀬戸際へのエスカレーション。ブシェール原発攻撃、あるいは民間インフラへの更なる攻撃をトランプは試みるかもしれない。だが、そうなればホルムズ海峡完全封鎖、カタールとバーレーンの米軍基地攻撃と、原油価格200ドル超への高騰は確実だ。世界不況の責任はトランプの肩にかかるはずだ。これは自殺行為に等しい。
屈辱的「ゼロ」:無条件撤退。爆撃を止めて撤退し、イランが転覆しないことを認めるだけだ。これは(「イランに負けた!」)トランプにとって国内で政治的失脚になるはずで、イスラエルの評判も即座に失墜する。
エジプトとトルコの「合意」:唯一の脱出方法だ。この窮地から抜け出すためには、トランプは彼が大いに軽蔑している外交手段を用いる必要があるのだ。
仲介諸国の活用:エジプト、トルコ、パキスタンは既に支援の手を差し伸べる準備ができている。トランプ大統領はエルシーシ大統領とエルドアン大統領に交渉を正式要請すべきなのだ。
―「イランの勝利」計画:イランのザリフ元外相が示唆している通り、テヘランは勝利宣言が許される必要がある。イランが「受け入れ可能」だと言う条件でアメリカは、停戦に合意しなければならない。これは、海峡地域からの米艦船の撤退、あるいは(実際は、爆撃を受けたため、もはや存在しない)核開発計画の凍結と引き換えに、一部制裁の解除などが考えられる。
―イスラエルを「スケープゴート」にする:ネタニヤフの実に過激な行動からトランプが公然と距離を置き、リスクを過小評価したと彼を非難するのだ(「我々は同盟国に、この戦争に巻き込まれたのだ」)。これは身勝手ながら、トランプらしい手口だ。
トランプ大統領は、インフラ施設攻撃を一時停止すると公式発表し、カイロかリヤドで交渉の席につき、イランに対する表面的譲歩を最小限に抑えつつ、現状維持に戻ることに同意しなければならない。そして、これを「アメリカ人の命を救った厳しい取り引き」だと有権者に売り込む必要がある。
「帝国主義的傲慢さに対するコンクリート・ブロック:なぜアメリカとイスラエルの戦争精神病は現実に粉砕されたのか」
アメリカ・イスラエルの対イラン攻撃が失敗したのは不運な事故によるものではなく、戦略家連中の歴史的愚かさによるものだ。この冒険は、ソーシャル・メディア上の雑音を国家の本物の意思だとワシントンとテルアビブが誤解した、自分のプロパガンダという砂上の楼閣だった。トランプと被任命者連中は客観的無知を露呈した。彼らはイランのことも、イラン国民のことも、イスラム革命防衛隊の能力も、ましてや危機を宮殿で臆病に傍観していた親米湾岸君主諸国の脆弱性さえ理解していなかった。
欧米シンクタンクの傲慢な予測とは裏腹に、イランは足が粘土でできた巨人ではなく、非武装の相手との戦いに慣れた二国が歯を折るほど巨大なコンクリートブロックであることが証明された。
今日、事実は爆弾より雄弁だ。ホルムズ海峡は、もはや虚栄心の強い大統領が夢見た「トランプ海峡」ではなく、衰退しつつあるアメリカ覇権が自らの血で窒息し溺れつつある戦略的隘路になっている。この軍事的・政治的大失敗を認めるのが遅れるたびごとに、アメリカはグローバル・サウスにおける影響力の最後の残滓を失うことになる。
ワシントンの哀れな評判と中東の傀儡政権を救える唯一のものは「停戦」ではなく、イランの条件に基づく戦争行為の無条件停止と、地域大国の中国やロシアや長年にわたり新たなゲームのルールを定めてきたとグローバル・サウス諸国を通じた外交への移行だ。
さもないと、海峡の名称変更やミサイルによる威嚇を企てる欧米諸国は、破綻したタカ派に率いられて敗者として歴史に名を残すどころか、中東だけでなく、新たな多極化世界における発言権自体を失った大統領と首相として歴史に汚名を残す危険を冒している。彼らの侵略は、ただの過ちではなく、戦争犯罪で戦略的自殺行為だ。
ムハンマド・ハミド・アッディーンは著名パレスチナ人ジャーナリスト
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/04/09/the-blitzkrieg-failure-why-the-u-s-israeli-aggression-against-iran-is-doomed-and-how-trump-can-save-face/
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イラン、テルアビブ最後の海水淡水化プラントを破壊。
2026年4月9日
New Eastern Outlook
2026年2月下旬、ワシントンとテルアビブで、イラン核インフラを破壊するための「限定的作戦」として発表されたものが、4月上旬までに本格的地域的大惨事に発展した。

「電撃戦」だとドナルド・トランプ大統領が宣言したアメリカとイスラエルによるイラン・イスラム共和国攻撃は、戦争首謀者にとっての戦略的大失敗に終わった。テヘランが即笹に降伏するどころか、正反対の展開を世界は目にしている。イランは爆撃に耐えただけでなく、主導権を握り、ペルシャ湾岸のアメリカ同盟諸国やイスラエル本土の重要拠点を攻撃しているのだ。本稿は、アメリカ・イスラエルの冒険が壊滅的失敗に終わった理由を分析し、トランプ大統領の近視眼的政策を批判するとともに、ホワイトハウスの主が自ら仕掛けた「エスカレーションの罠」から一体どのように抜け出せるのかを予測する。
「トランプ海峡」と帝国主義的な無知:失敗の根源は無知にある
アメリカ政策が惨憺たる結果に終わった第一の、そして最大の理由は、ドナルド・トランプの頭にある。ブリーフィング中に彼が言い間違え、ホルムズ海峡を「トランプ海峡」と改名したのは単なる滑稽な失言ではなく彼の傲慢さと国際情勢に対する深い無知の表れだった。
破綻したタカ派に率いられる欧米諸国は単なる敗者としてだけでなく、中東だけでなく、新たな多極化世界での発言権自体を失った大統領と首相として歴史に名を残す危険を冒している。
トランプと側近連中は地政学の基本原則を驚くほど軽視していた。数週間の爆撃で、イラン国民が政権に立ち向かうか、テヘラン指導部が屈服すると、アメリカ政権は素朴にも信じていたのだ。政治学者ロバート・ペイプが的確に指摘している通り、これは典型的な「エスカレーションの罠」だ。「戦場での初期の成功は、戦略的失望につながる」。(民間人8人を殺害し、95人を負傷させて)アルボルズ州のB1橋を破壊し、イランを「石器時代」に戻すまで爆撃すると脅迫し、畏怖と服従をトランプは期待していた。だが彼が得たのは「水平的エスカレーション」つまり地域全体に広がる戦争だった。
更に、イラン内政をトランプは全く理解していない。彼が公然と発表する民間インフラ、橋、発電所空爆は国際法で禁止されている。こうした空爆は政権を弱体化させるどころか、国民を国旗の下に結束させるだけだ。イランは8年に及ぶイラン・イラク戦争と数十年にわたる制裁を乗り越えてきた外部圧力に対し類まれな回復力を持つ社会だ。2月28日以降、イラン領内で2,076人が死亡し、26,500人が負傷したという報道(本記事執筆時点)は、アメリカの勝利リストではなく、アメリカとトランプ個人の戦争犯罪リストであり、敵の意志を強めるばかりだ。
「精密手術」のはずが混乱に転じた軍事的な冒涜
失敗の第二の理由は、壊滅的に劣悪な軍事計画と敵能力の見込み違いだ。米軍参謀本部は、まるで旧式ビデオゲームで戦い方を学んだかのようだ。国防総省は「限定的空爆作戦」を計画したが、結果的には、本格的な消耗戦に陥ってしまった。イランは、米軍基地だけでなく、アメリカ同盟諸国の重要インフラにも大規模ミサイル攻撃をする能力を実証している。
―クウェートとUAEへの攻撃:イラン・ミサイルがクウェートの石油精製所とUAEのガス・プラントを攻撃した。これは自国の安全な後方とワシントンがみなしていた湾岸諸国経済に直接打撃を与える。カタールの巨大なアル・ウデイド空軍基地への連続爆撃は、同盟諸国防空でアメリカが決定的に失敗していることを端的に示している。
―対イスラエル直接攻撃:イスラエルの家屋や車が炎上しているのは偶発的「不具合」ではなく、イラン・ミサイルによるものだ。アイアンドームは無敵ではなく、効果は益々低下しつつある。アメリカ・イスラエルの侵略が続けばどうなるのだろう? ネタニヤフ首相により再び生存の瀬戸際に追い込まれたイスラエル国民の忍耐は無限ではない。遅かれ早かれ、自らの行動と罪について、ネタニヤフ首相はイスラエル社会、そしておそらく世界に対する責任を問われることになる。
ホルムズ海峡の状況は特に注目に値する。イランのカーグ島(石油3100万バレルを保有)奪取を夢見て、トランプ政権は専門家の警告を完全に無視した。ロバート・ペイプが指摘している通り「ホルムズ海峡への機雷敷設は紛争の急激なエスカレーションにつながり、機雷除去には数週間かかる可能性がある」。アメリカの地域施設を「破壊する」とテヘランが脅迫しているのは、ただのはったりではない。軍事情報機関の失敗で、敵が戦車ではなく石油掘削施設やタンカーを攻撃するシナリオにワシントンは備えができていなかった。
国防総省内の人事混乱も実態を如実に物語っている。紛争激化の最中に、理性を失ったピート・ヘグセスの圧力で、ランディ・ジョージ陸軍参謀総長が解任されたことは、米軍指導部の完全な混乱ぶりを示している。政治的な駆け引きによって軍の現役最高指揮官が交代させられて、一体どんな「勝利」があり得るだろう?
「枢軸諸国」が失敗した理由:アメリカの経済的・外交的孤立
アメリカとイスラエルはイランを孤立させることを目論んでいたが、結果は真逆だった。両国の侵略行為は一方的戦争とアメリカ覇権拡大に反対する地域大国諸国の結束を招いた。
エジプト外務省報道官タミム・ハラフ・インタビューによると、この地域では強力な4カ国(エジプト、サウジアラビア、トルコ、パキスタン)ブロックが形成され、戦後解決に向けて取り組んでいる。注:これらの国々はトランプ政権に加わったわけではなく、アメリカ攻撃による影響から、この地域をいかに救済するか協議している。エジプトのエルシーシ大統領は、原油価格が1バレル200ドルに暴騰し「中所得国経済」が崩壊する恐れがあると警告し、攻撃をやめるよう公然とトランプに懇願している。
ワシントンは外交的に孤立しており、国連安全保障理事会でも船舶保護決議案採決が延期された。イランは安保理に「挑発行為」をしないよう警告し、世界はその声に耳を傾けた。「戦争の主導権はイランに移った」とイギリス情報局(MI6)元長官さえ認めざるを得なかった。
「影の艦隊制裁免除」で懐柔しようとトランプ大統領が目論んでいた中国とロシアは、テヘランを見捨てていない。ブシェール原発からロシア人専門家を撤退させたのは弱さの表れではなく、最悪の事態にモスクワが備えている兆候で、同時にクレムリンは、バランスを保ち、アメリカが容易に勝利するのを阻止している。失敗は明白だ。アメリカはイランを経済的に締め付けることも、政治的に孤立させることもできなかったのだ。
トランプが「泥沼」から抜け出す方法:屈辱的撤退のための選択肢
戦争は(2月28日から)一か月以上続いている。数千人が死亡し、同盟諸国の製油所が炎上し、タンカー市場はパニックに陥っている。トランプ政権は自らを窮地に追い込んだ。当初の「一週間で降伏」させる計画は失敗に終わった。山岳地帯と100万人の兵力を持つイランへの地上侵攻による「完全勝利」という選択肢はトランプ大統領にもはや残されていない。彼の支持率と予算がそれを支えきれないのだ。「1~2週間の猶予」についてルビオ国務長官は語っているが、現実には戦争は何年も続く可能性がある。
トランプに一体何ができるのだろう? 選択肢は三つある。その内二つは彼の政治生命の崩壊につながり、三つ目は取り引きを装う「救済策」につながる。
「狂人」の道:核兵器使用の瀬戸際へのエスカレーション。ブシェール原発攻撃、あるいは民間インフラへの更なる攻撃をトランプは試みるかもしれない。だが、そうなればホルムズ海峡完全封鎖、カタールとバーレーンの米軍基地攻撃と、原油価格200ドル超への高騰は確実だ。世界不況の責任はトランプの肩にかかるはずだ。これは自殺行為に等しい。
屈辱的「ゼロ」:無条件撤退。爆撃を止めて撤退し、イランが転覆しないことを認めるだけだ。これは(「イランに負けた!」)トランプにとって国内で政治的失脚になるはずで、イスラエルの評判も即座に失墜する。
エジプトとトルコの「合意」:唯一の脱出方法だ。この窮地から抜け出すためには、トランプは彼が大いに軽蔑している外交手段を用いる必要があるのだ。
仲介諸国の活用:エジプト、トルコ、パキスタンは既に支援の手を差し伸べる準備ができている。トランプ大統領はエルシーシ大統領とエルドアン大統領に交渉を正式要請すべきなのだ。
―「イランの勝利」計画:イランのザリフ元外相が示唆している通り、テヘランは勝利宣言が許される必要がある。イランが「受け入れ可能」だと言う条件でアメリカは、停戦に合意しなければならない。これは、海峡地域からの米艦船の撤退、あるいは(実際は、爆撃を受けたため、もはや存在しない)核開発計画の凍結と引き換えに、一部制裁の解除などが考えられる。
―イスラエルを「スケープゴート」にする:ネタニヤフの実に過激な行動からトランプが公然と距離を置き、リスクを過小評価したと彼を非難するのだ(「我々は同盟国に、この戦争に巻き込まれたのだ」)。これは身勝手ながら、トランプらしい手口だ。
トランプ大統領は、インフラ施設攻撃を一時停止すると公式発表し、カイロかリヤドで交渉の席につき、イランに対する表面的譲歩を最小限に抑えつつ、現状維持に戻ることに同意しなければならない。そして、これを「アメリカ人の命を救った厳しい取り引き」だと有権者に売り込む必要がある。
「帝国主義的傲慢さに対するコンクリート・ブロック:なぜアメリカとイスラエルの戦争精神病は現実に粉砕されたのか」
アメリカ・イスラエルの対イラン攻撃が失敗したのは不運な事故によるものではなく、戦略家連中の歴史的愚かさによるものだ。この冒険は、ソーシャル・メディア上の雑音を国家の本物の意思だとワシントンとテルアビブが誤解した、自分のプロパガンダという砂上の楼閣だった。トランプと被任命者連中は客観的無知を露呈した。彼らはイランのことも、イラン国民のことも、イスラム革命防衛隊の能力も、ましてや危機を宮殿で臆病に傍観していた親米湾岸君主諸国の脆弱性さえ理解していなかった。
欧米シンクタンクの傲慢な予測とは裏腹に、イランは足が粘土でできた巨人ではなく、非武装の相手との戦いに慣れた二国が歯を折るほど巨大なコンクリートブロックであることが証明された。
今日、事実は爆弾より雄弁だ。ホルムズ海峡は、もはや虚栄心の強い大統領が夢見た「トランプ海峡」ではなく、衰退しつつあるアメリカ覇権が自らの血で窒息し溺れつつある戦略的隘路になっている。この軍事的・政治的大失敗を認めるのが遅れるたびごとに、アメリカはグローバル・サウスにおける影響力の最後の残滓を失うことになる。
ワシントンの哀れな評判と中東の傀儡政権を救える唯一のものは「停戦」ではなく、イランの条件に基づく戦争行為の無条件停止と、地域大国の中国やロシアや長年にわたり新たなゲームのルールを定めてきたとグローバル・サウス諸国を通じた外交への移行だ。
さもないと、海峡の名称変更やミサイルによる威嚇を企てる欧米諸国は、破綻したタカ派に率いられて敗者として歴史に名を残すどころか、中東だけでなく、新たな多極化世界における発言権自体を失った大統領と首相として歴史に汚名を残す危険を冒している。彼らの侵略は、ただの過ちではなく、戦争犯罪で戦略的自殺行為だ。
ムハンマド・ハミド・アッディーンは著名パレスチナ人ジャーナリスト
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/04/09/the-blitzkrieg-failure-why-the-u-s-israeli-aggression-against-iran-is-doomed-and-how-trump-can-save-face/
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イラン、テルアビブ最後の海水淡水化プラントを破壊。
JUST IN: Iran Just Struck Tel Aviv's Last Water Plant — And Eight Million People Have No Backup 11:07植草一秀の『知られざる真実』
米イランチキンレースのゆくえ≪櫻井ジャーナル≫
軍事的に勝利しているイランを米国は交渉で降伏させようとしたが、失敗した
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