« 反帝国主義者は世界をより良くしたいと考えているが、リベラル派は自己満足に浸りたいだけ | トップページ | 米軍兵士はイランで命令に背き始める必要がある、他 »

2026年4月 9日 (木)

蛮族は戦略的に降伏した。文明の勝利。今のところ。



ペペ・エスコバル
2026年4月8日
Strategic Culture Foundation

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 これは常に文明の問題だった。

 「今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはない。」歴史は太陽のように容赦ない視線でそれを記録に刻む。アメリカ大統領がソーシャル・メディア投稿でした驚くべき野蛮な主張だ。

 要するに、世界にビッグマックをもたらした粗悪な「文明」が、代数学を世界にもたらした古代文明を滅ぼそうとしたのだ。古代文明は、比類ない方法で芸術、科学、政治に影響を与え、キュロス大王からアヴィセンナ、オマル・ハイヤームから最高の詩人ジャラールッディーン・ルーミーまで数々のスターを生み出し、壮麗な庭園、絨毯、建築の驚異、そして哲学的・倫理的な枠組みを発展させた。

 決定的に重要なのは、この野蛮な暴挙について、いわゆる「文明化した」西側諸国全体の政治指導者連中からは何の反応もなかったことで、憤慨を装うことさえなかった。これは彼らの絶対的かつ不可逆的な道徳的・政治的破綻を改めて証明するものだ。

 野蛮な行為に対し、イラン国民はそれ相応の対応で応じた。1400万人以上が全国各地の発電所を囲む人間の壁を作るために登録し、生活を守ると同時に、エプスタイン・シンジケートの圧倒的火力に真っ向から立ち向かった。

 手に汗握る緊迫した場面が近づくと、野蛮なヒヒは、当然、Trump Always Chickens Out トランプはいつもビビってやめた。でくの坊部下連中がそれを不滅のものにした。

 パキスタンがイランに停戦こそ戦争終結への道だと「保証」したなどということは到底あり得ない。外交筋が確認したところによると、実際に起きたのは、土壇場になって北京が保証人となり、イランの10項目計画に含まれる要求事項の少なくとも一部をアメリカが受け入れるとテヘランに保証したことだ。

 このことは、駐中国イラン大使、アブドルレザ・ラマニ・ファジリにも確認された。交渉は今週金曜日にイスラマバードで開始される。

 野蛮なヒヒのような大統領は、自らの戦略的失策の避けられない悲惨な結果に直面し、パキスタンを逃げ道として利用した。これはパキスタン首相自身によるもう一つのとんでもない失策で裏付けられた。ホワイトハウスが彼のために作成したツイート/投稿のヘッダーを彼は削除し忘れていたのだ。

 トランプ大統領と頻繁に連絡を取り合っているアシム・ムニール元帥が事実上率いる現在のパキスタン政権は、シーア派の少数派を抱えるイスラム教の核保有国で、湾岸協力会議(GCC)との良好な関係や、イランとの良好な関係を築いている隣国関係や、サウジアラビアとの防衛協定締結や、中国の戦略的協力関係や、国内に米軍基地がない他に類を見ない地位から地政学的に利益を得てきたし、今後も利益を得続けるだろう。

 だがイスラマバードは常に単なる仲介役で、いかなる「調停」の立案者でもなかった。ホワイトハウスからどんなに曖昧な説明がなされようと、緊張緩和の輪郭を固めたのは中国だった。
 
猶予を懇願するエプスタイン・シンジケート

 イランとレバノン南部のヒズボラにより、西アジアの死のカルト集団は壊滅させられる瀬戸際にいた。どんなに多くプロパガンダが流されようと、トランプ大統領が停戦へ舵を切る上で重要な役割を果たしたのは助けを求める彼らの叫び声だった。

 エプスタイン・シンジケートが丸ごと、そう懇願したのだ。地政学的問題ではなく、作戦上の地獄が原因だった。混沌の帝国は軍事資源を使い果たしてしまったのだ。

 決定的な証拠は、強襲揚陸艦トリポリが砲火を浴びながら2,500名の海兵隊員を乗せたまま南インド洋の深海へ撤退したことだった。これはトマホーク・ミサイル搭載潜水艦を除き、米海軍が戦場から撤退したことを意味した。ちなみに、トマホークの約半数は、驚くほど不正確な命中率で目標を外れている。

 そして問題はまだまだ終わっていない。イスラマバードをはじめ、各国でどのような決定が下されようと、2026年には10兆ドルもの国債が借り換えされる予定で、金融危機は避けられない。そしてオイル・ダラーは急速に歴史のゴミ箱へと向かっている。

 またしても狂気に満ちた死のカルト集団登場。

 決して誰も忘れてはならない。エプスタイン・シンジケートには非合意能力があるのだ。そして、この死のカルト集団は停戦などしない。せいぜい目につく者全員を殺し続けるための抜け穴を探すだけだ。

 事態は既に明白だ。死のカルト集団が停戦協定を破棄すれば、実際、既にそうなっているのだが、イランとヒズボラは、アメリカ資産を攻撃せずに、大規模反撃に出る。

 とはいえ、道徳的、法的、政治的、経済的、戦略的など、あらゆる基準において、蛮族のヒヒが戦争に敗れたと断言するのは時期尚早だ。

 結局、混沌の帝国は、本質的に常に「交渉を成立させない能力」を持っており、特に過去の実績を見れば、外交交渉中に、対イラン攻撃が二回連続して行われ、最高指導者ハメネイ師をはじめ、多数の交渉担当者が殺害されたのは明らかだ。

 大局的視点という歌は変わらない(歌おう!):これは多極化世界の三大推進国イラン、中国、ロシアに対して最後まで続く戦争だ。
 
中国のパワー・プレイと、既知の事実いくつか

 停戦前、中国はイランから1日120万バレルの原油を輸入していた。これは実質的に、トランスポンダーを停止した26隻の幽霊タンカー船団により、ホルムズ海峡の通行料所で人民元国際決済システムCIPSを通じて人民元で決済されていた。こうした取り引きは全て、SWIFT、制裁、石油会社と欧米諸国の保険を迂回して行われていた。

 世界で最重要な隘路に事実上導入された新たな代替決済体制について語ろう。

 この複雑な影のエネルギー構造は、停戦が維持されると仮定すれば、影響を受けないままになる。だが重要な点は、中国が一息つけることだ。蛮族の宣言による発電所の日を巡る緊迫した状況の後、イラン産原油輸出を全て停止する不吉な脅威は消え去ったように見える。これが土壇場で中国がイランに保証を与えた理由を説明している。

 混沌の帝国が公言していた「狙い」、つまり、政権転覆の挑発、濃縮ウランの捕獲、ミサイル計画の破壊、イランの軍事力投射能力の破壊と比較してみよう。これらは全て壮大な戦略的失策となり、ホルムズ海峡の新状況という形で頂点に達した。

 停戦期間中はもちろん、停戦後も、ホルムズ海峡を通過する全ての船舶の通行料徴収をイランとオマーンは詳細な法的枠組みに基づいて調整する。人民元で通行料を支払った後に、ホルムズ海峡を通過するアメリカ船舶。歴史の皮肉という観点から言えば、これほど詩的で心を揺さぶる光景は他にあるまい。

 だが、イランが主導権を握っているとはいえ、混沌の帝国が時間稼ぎをしているのは明らかだ。イラン最高国家安全保障会議から得られる重要な教訓は以下の通りだ。

 「これらの原則(イランの10項目)のみに基づき、イランがイスラマバードで2週間の交渉を行うことが最高レベルで決定された。これは戦争終結を意味するものではない。これら原則が詳細に確認された場合にのみ、イランは戦争終結を受け入れる。」

 理論上トランプが「受け入れた」とされる10項目を簡単に振り返ってみよう。
  1. 攻撃しないという誓約。
  2. イランによるホルムズ海峡支配権の維持。
  3. ウラン濃縮に関する合意。
  4. 全ての主要制裁措置の解除。
  5. 全ての二次制裁の解除。
  6. 国連安全保障理事会の全決議の破棄。
  7. IAEA理事会の全決議の破棄。
  8. イランへの賠償金支払い。
  9. 地域からの米軍戦闘部隊撤退。
  10. レバノンのヒズボラとの戦争を含む、あらゆる戦線での戦争停止。
 これらの点ほとんど全てにおいてイランが妥協する可能性は皆無だ。賠償金支払いは、ホルムズ海峡の通行料収入に転嫁されるかもしれない。だが制裁解除はあり得ない。アメリカ議会が決してそれを許すまい。アメリカがイランを二度と攻撃しないという保証は冗談にもならない。更に、混沌の帝国はガザやレバノンに関し何も保証できない。

 とはいえ、これはイランにとって極めて危険な賭けで、主要保証国である中国にとっても大きな試練になる。イランは、特に石油化学産業において甚大な被害を受けている。中国から多額投資があったとしても復興には何年もかかるだろう。

 今週金曜、「三ばか大将」はイスラマバードへ向かうかもしれない。カーリー:ヴァンス。シフティ:ウィトコフ。モー:クシュナー。だがイランは(アラグチ外相を通じて)彼らの一人、カーリーとしか真剣に話し合わないだろう。

 今のところ文明は生き残っている。いくつか事実を挙げておこう。事実その1:アメリカはもはや超大国ではない。事実その2:イランは世界のトップ大国の一つとして復活した。事実その3:臆病な湾岸石油君主国のほとんどが最終的に米軍基地を永久に追い出すことになろう。事実その4:カタールとオマーンはイランと安全保障協定を結ぶだろう。

 最重要課題は依然残っており、それは世界全体に関わる問題だ。すなわち、西アジアにおける癌の治療法をいかにして見つけるかだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/04/08/barbaria-strategically-surrenders-civilization-wins-for-now/

----------

 文中の「三ばか大将」、意味が分からない方々が多いのではないだろうか? 昔の人気テレビ番組。

 Wikipediaから引用させていただこう。  
『三ばか大将(The Three Stooges)』は、アメリカでは1930年代より短編映画の人気者で、テレビ時代が始まった1949年にはかつての短編映画をテレビ用に編集し放送

  中略

 日本では、1963年6月から1964年11月まで『三ばか大将』の番組名で、日本テレビ系列で毎週日曜19:30 - 20:00(JST)に放送され、スポンサーの森永製菓が3人のイラストを今で言うマスコットキャラクター化するほどの人気を博していた。
とある。

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
イラン戦争、トランプ声明で、「イランからの10項目提案を受理。workable basis(現実的に機能する基盤)」。二週間停戦、両者とも長期化を避けたい(米国:中間選挙・ガソリン価格・経済、イラン:経済疲弊・孤立)。困難材料:要求格差が大きい

« 反帝国主義者は世界をより良くしたいと考えているが、リベラル派は自己満足に浸りたいだけ | トップページ | 米軍兵士はイランで命令に背き始める必要がある、他 »

イラン」カテゴリの記事

アメリカ」カテゴリの記事

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

シェール・ガス・石油」カテゴリの記事

トランプ大統領」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 反帝国主義者は世界をより良くしたいと考えているが、リベラル派は自己満足に浸りたいだけ | トップページ | 米軍兵士はイランで命令に背き始める必要がある、他 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ