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2026年4月19日 (日)

中国の知恵:変化する世界秩序で必要不可欠なもの

Taut Bataut
2026年4月17日
New Eastern Outlook

 中国の戦略的知恵は、四つの主要概念に基づいて国際関係の手法を導いている。急速に変化する世界秩序の中で、これら原則は、複雑な地球規模の課題に対処し、安定を維持し、協力的な解決策を促進するため、世界がこれまで以上に必要としている普遍的な知恵を提供している。

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 はじめに  
仁義施さずして、攻守の勢異なればなり(仁義を施さなければ、攻守の形勢は逆転する)賈毅(Jia Yi=ジャー・イー)

 今日の世界は混乱と混沌の極みにあり、特にアメリカをはじめとする既存強国は制御不能に陥っている。現在の世界秩序は、分断や信頼の失墜や他国を犠牲にした自国権益の追求に特徴づけられる。中小国は戦略的自律へと向かわざるを得ない状況に追い込まれている。生き残りをかけた戦いは、世界中で安全保障上のジレンマを生み出している。これは、西側諸国が作り出し、推進してきた体制の結果だ。国際社会は、いわゆる西側民主主義とルールに基づく秩序の真髄を目の当たりにしている。世界は今、大規模戦争の瀬戸際に立たされている。必要なのは、リセットだ。そして、その鍵を握っているのは中国だ。西側諸国に、しばしば誤解されてきた古代中国の政治的知恵は、暗闇に陥った世界にとって希望の光となり得る。中国の平和的台頭は、その最良の例だ。中国が平和的に成長できたなら、国際社会もそうできないはずがない。

 天下から無為まで、中国の知恵は、過去の束縛を打ち破り、調和、統合、繁栄を特徴とする時代を到来させるよう世界に呼びかけている。

 四つの戦略的概念

A. 天下

 「天下」の概念は、古代中国の政治思想における古典的かつ根幹的な考え方だ。これは初期の中国の宇宙観や統治哲学と密接に結びついている。天下とは、世界は相互に繋がっており、統一された道徳的・政治的秩序が存在するという考え方だ。国際社会を、分裂や混乱の余地のない調和のとれた体制として捉えている。この概念は『書経』や『礼記』をはじめとする古代中国の文献で広く論じられている。この考え方は、単一の政治共同体が存在するべきこと、権威は正義と仁愛と人々の福祉から生まれるべきこと、そして、支配ではなく統合を特徴とする「大同」が存在するべきこと、という重要な原則に基づいている。中国の「一帯一路」構想は、中国が共有体制の下での経済的相互依存を促進する、この考え方の代表的な例だ。

B. 和而不同

 「和して同ぜず」という概念は、古代中国の知恵の珠玉の一つで、もし今日、その真の姿で実践されれば、より豊かな世界へと導く可能性を秘めている。この概念は、古代中国の哲学者孔子が古典『論語』の中で初めて提唱した。孔子は「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」と述べている。この考え方は、様々な原則を規定している。多様な制度や文化は両立可能だ。多様性は呪いではなく祝福だ。統一性と自治は、繊細なバランスを保つべきだ。この考え方は、中国主導のBRICSなどの国際機関にも反映されている。BRICSでは、異なる国家制度、文化、政治思想を持つ国々が、均一性よりも調和を優先し、互いに協力し合っている。

C. 勢

 「戦略的な権力配置」と訳される「勢」の概念は、古代中国の最も傑出した哲学者・思想家である韓非子と孫子の著作に由来する。孫子はこの概念を軍事政策に適用したが、韓非子は政治と統治に、より関心を寄せた。この概念は力による支配を否定し、健全な競争を重視する。この原則は、国家の立場が運命を決定づけると述べている。たとえ弱小国であっても、地形、時間、位置を支配すれば強大国に勝利できる。直接衝突を経ずに得られる勝利こそ最良の勝利だという考えに基づいている。更に、絶えず変化する地政学的環境における適応力の重要性も強調している。

D. 無為

 「無為」、別名「非強制行動」とは、政治家は戦略的自制心を保ち、国政への過剰な介入を避けるべきだという考え方だ。この概念は、最小限の介入が最大限の成果を生み出す事実に基づいている。中国の古典哲学者老子は、代表作『道徳経』で、この考え方を提唱した。支配者は自らの意志を押し付けすぎず、流れに身を任せるべきだと老子は指摘した。彼の有名な言葉は「太上(たいじょう)は、下(しも)これあるを知る。」(「最高に優れた指導者は、民衆が『そのような人がいる』ことだけ知っている(存在感がない)状態だ。功績を成し遂げても、民衆は『自分たちでやったんだ』と言う。全てが自然にうまくいく」という意味だ。この考え方は、紛争の最小化も求めており、中国が国際問題において非対立的姿勢をとっているのはそのためだ。無為は、不必要な攻撃や武力行使を避けることが永遠の安定と持続性をもたらすと主張している。中国の新型コロナウイルス感染症対策は、この考え方の最も優れた例と言えるだろう。中国は戦術的政策を追求する代わりに、ワクチン外交を選択し、国際社会がそれぞれのニーズや要望に応じて対応できるようにした。

 なぜこれらの概念が今日重要なのか?

 中国の古典的戦略概念は、あらゆるイデオロギーの国家が、平和的な方法で、望ましい結果を得るための明確なロードマップを提供している。現在の多極化世界秩序は、まさにこのような指針を必要としている。これまで欧米諸国は、自らの統治モデルを世界中に押し付けてきた。トランプ政権2.0は更に野心的で、国際社会の勢力図を混乱させている。

 世界は多様な集団が平和的に共存できる「和して同ぜず」原則を遵守すべきだ。アメリカは、過去の優位性を維持するため、今や露骨な支配政策を追求し、各国に特定の基準に従うよう強要する道を歩んでいる。このような分断は、支配ではなく、統合を促進する「天下」の理念によって克服できるはずだ。多極化は今日の現実で、アメリカは一極支配という幻想から脱却すべきだ。

 同様に、アメリカは、再び競合国のすぐそばで不安定状況を作り出し、他国を挑発している。イランは攻撃を受け、台湾は既に不安定な状態にあり、日本は攻勢に出ており、フィリピンは新たなウクライナになりつつある。こうした一連の動きは全て、中国に打撃を与えるためのものだ。世界は「シー」の原則、すなわち、競合国と戦争をするのではなく、間接的で健全な競争を観察するという戦略的な権力構造を堅持すべきだ。

 自国に有利な結果を生み出すための戦略は平和的方法で実行される環境であるべきだ。まさに今世界はそれを目の当たりにしている。中国はアメリカが直接対決することなく過ちを犯すのを黙認している。ベネズエラ、イラン、キューバなど、アメリカは現状を変えるために公然と武力を行使している。世界が今必要としているのは、戦略的な自制と内政不干渉の原則を特徴とする非強制的な統治モデル、すなわち無為自然主義だ。

 結論

 天下から無為まで、中国の叡智は世界に過去の束縛を打ち破り、調和、統合、繁栄に満ちた時代を到来させるよう呼びかけている。中華人民共和国はこれまで自国の統治モデルを押し付けたことはなく、むしろ国際社会がそれぞれの戦略的ニーズに応じて中国の原則を適用することを常に容認してきた。これに対し、西側諸国は常に自らが構築した原則を他者に押し付けようとしてきたが、結果は今や明らかだ。世界は再び大惨事の瀬戸際に立たされており、これは西側諸国が、地政学の管理に失敗した明白な証拠だ。従って、今こそ、この事実を認識し、様々な文明の叡智と知性が共に機能する旅に出るべき頃合いだ。

 Taut Batautは南アジア地政学に関する論文を発表している研究者、作家。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/04/17/chinese-wisdom-a-necessity-in-a-changing-world-order/

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 【新華社北京3月8日】中国の王毅共産党中央政治局委員・外交部長は8日、第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議の記者会見で、イラン情勢について次のように述べた。   
「仁義施さずして、攻守の勢異なればなり(仁義を施さなければ、攻守の形勢は逆転する)」。大国は公正を守り、正しい道を歩み、中東の平和と発展のためにより多くの積極的な役割を果たすべきだ。中東に秩序を、中東の人々に安定を、世界に平和を取り戻す。
 最近の新華社記事は例えば下記。

 【新華社北京4月7日】中国外交部の毛寧(もう・ねい)報道官は7日の記者会見で、イラン情勢に関する質問に答え、戦闘の長期化は誰の利益にもならないとし、各当事者は誠意を示し、早期終結を図るべきだと強調した。

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