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2026年3月25日 (水)

イラン紛争がおかしくなるにつれて「どのような立場を取るべきか?」という決断を我々は迫られている。



アラステア・クルック
2026年3月24日
Strategic Culture Foundation

 アメリカ国民自身の利益によって支配される国家の回復につながる要素を、いかにして取り戻すかについて、アメリカ国民は早急に議論する必要がある。

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 イランに対して米軍が迅速かつ圧倒的な勝利を収めていると欧米諸国の最強力戦略兵器、つまり欧米諸国プロパガンダ機関は繰り返し主張してきた。これと並行して、テヘラン政権内部で混乱と「混沌」の兆候が強まっているとイスラエル情報機関関係者は西側メディアに説明し、イランの指揮系統が深刻な機能不全に陥っていると補足している。

 一体なぜ圧倒的勝利を主張しないのだろう? おそらく、イランの国家機構、指揮系統、軍事力を粉砕するアメリカ軍事力に並外れた自信を抱いて、トランプは、この戦争に踏み切ったのだ。将軍連中は、破壊力という大枠には賛同してはいたようだが、いくつか「ただし書き」が付いていた。だが、それはトランプの思考回路には通じなかったようだ。

 そしてトランプはまさに、それを実行した。徹底的「殲滅」、絶え間ない遠隔爆撃の波。イランの国家構造を崩壊させる彼の成功を疑う者に対して「我々は更に多く殲滅をする。彼らの指導者を更に殺す」と彼は簡潔に反論した。

 2月28日の攻撃を受けて、(イスラエルを含む)欧米メディアは、関連報道でイランの政治・軍事指導部に対する打撃の破壊的性質を称賛した

 20~40年もの間、この来るべき戦争に対する非対称的対応を準備してきた国家への影響を、批判的に検討しようとする試みは一切行われなかった。(空軍を含む)軍事インフラを地上から全て撤去し、地下深くの「都市」に埋めてしまった国家を爆撃する本当の影響を、検討しようとする努力も一切行われなかった。

 イラン政治指導者や軍事指導者の暗殺が国民感情に及ぼす影響を判断する努力は一切なされなかった。指導者の失脚に対し、イランの分散型指導体制が迅速かつ計画的対応を可能にすることも理解されなかった。また国民の忍耐力を消耗させない短期戦争を主張するアメリカやイスラエルと対照的に、このような分散型指導体制が、イランがアメリカとイスラエルに対し長期にわたる消耗戦を遂行するのを可能にする点も考慮されなかった。

 一方、主流メディア報道は全て、テヘランと国民に与えられた被害の規模に焦点を当てており、都市の破壊や多数の民間人死者が、国民を「立ち上がらせて」、国家指導部の主導権を「奪取する」反対勢力を生み出すという暗黙の前提を含んでいた。

 この紛争が、ほとんど適切に検討されなかったことは、戦争遂行における思考様式で、イスラエルが長年用いてきたものにアメリカが益々倣うようになっている事実を反映しており、欧米諸国の将来に、おそらく広範囲にわたる影響を及ぼすだろう。

 米軍将校の中には、単独の戦略手段としての大規模爆撃の欠点を繰り返し警告し、期待された結果をもたらしたことは一度もないと主張してきた者ももちろんいる。だが彼らの警告は、蔓延する「殲滅」という時代精神に、ほとんど影響を与えていない。

 イラン人を表現するためにトランプ・チームが用いた「邪悪な」「殺人鬼で赤ん坊殺しの」非人間だという言葉遣い自体が、明らかに、更なる「殲滅」以外の軍事戦略を排除するほど、対立を二極化させることを狙っていた。

 「いかなる国際法、規範、抑制、バランスにも縛られていると思はわない」とニューヨーク・タイムズ記者にトランプは述べ「アメリカ軍事力を行使する能力を制限する唯一のものは私自身の道徳観、私自身の精神だ。私を止められるのはそれだけだ」と語った。

 報道によると、アメリカによるイラン指導部奇襲攻撃が、湾岸地域のアメリカ軍基地への即時報復攻撃を引き起こしたことにトランプは驚きを表明した。「我々はそれを予想していなかった」とトランプは述べた。また、イラン側がまさにそうすると明言していたにもかかわらず、その後のホルムズ海峡の選択的封鎖も予想していなかった。彼はリスクを認識していたにもかかわらず、イランがホルムズ海峡の要衝を掌握するとは「思っていなかった」として攻撃を続行したのだ。

出典:lloydslist.com
 
世界の石油・ガス取り引きの条件

 イランが世界の石油の約20%と、ホルムズ海峡を通過する同量の天然ガスを支配していることは、ドルを基盤とする経済圏全体で、イランに比類のない影響力をもたらしている。だが、ホルムズ海峡は肥料や食料など、他の多くの物資の輸送路としても利用されているため、湾岸諸国にとって特別な脅威になっている。

 ホルムズ海峡の選択的閉鎖は、世界経済に二次的、三次的な影響を及ぼす。ロイズ情報部門は昨日こう指摘している。

 「インド、パキスタン、イラク、マレーシア、中国を含む複数政府はテヘランと直接協議し、イラン革命防衛隊(IRGC)が運営する新たな登録・審査制度を通じて船舶航行調整している…IRGCは今後数日中に、より正式な船舶承認過程を確立するとロイズ銀行は予想している」。

 では、なぜ、カタールと共有するサウス・パルス・ガス田からのガスを受け取るイランのターミナルを攻撃する戦略にイスラエルはエスカレートしたのか? トランプ大統領が攻撃を承認したとイスラエルは主張している。「本日未明、イスラエルは、アメリカやカタールに通知することなく、イランのサウス・パルス・ガス田を攻撃した」とトランプ大統領は反論した

 イランのエネルギー・インフラへの攻撃は、予想通り、イランによる湾岸諸国のエネルギー・インフラへのミサイル攻撃という報復的エスカレーションを引き起こし、紛争を深刻な経済戦争に発展させた

 本質的に、現在問題になっているのは、世界が石油と天然ガスを購入する際の条件だ。購入者は、ドル以外の通貨でエネルギーを購入できるようになるのだろうか? どうやらそうらしい。パキスタンは、貨物が人民元で購入されたことを証明して、まさにそのような方法でホルムズ海峡を通過させる交渉に成功した。

 従って、問題になっているのは、イランが追放を強く主張する地域における米軍駐留だけでなく、地域におけるドル取り引きの完全停止をイランが求めていることだ。

 もしイランの思惑通りに事が運べば、これは湾岸諸国の経済的存続にとって厄介な道筋になりかねない。

 この戦争に関して、間もなく湾岸諸国は自らの立場を決定しなければならないかもしれない。一方、彼らはアメリカ重商主義的生活様式に完全に順応してきた。だが、イランはそのパラダイムを覆す恐れがあるのだ。他方、彼らが熟考する必要がある湾岸諸国の将来見通しはイランがホルムズ海峡通過を認めるかどうかにかかっているのかもしれない。

 世界経済体制に対する「締め付け」を、イランが彼ら独自の基準に基づいて選択的に追求すれば、(欧州諸国を含む)他の国々は、将来の経済的繁栄を確保するために、テヘランとの「交渉の席」に着かざるを得なくなる可能性がある。  
目に見えないアメリカの権力構造

 だが、この軽率で非常に大きな損害をもたらす可能性がある経済戦争を受けて自らの立場をどうするか検討する必要があるのは湾岸諸国君主たちだけではない。アメリカ国内にも、アメリカ国民も自らの立場をどうすべきか議論する必要があると主張する人々がいる。

 最近アメリカ人評論家ブレット・ワインスタインが多くのアメリカ人の共感を呼んだ。彼自身トランプを積極的に支持していたが、トランプが対イラン戦争を主張したことで、特にその結果、大統領の座が危ぶまれる状況下で困惑し不安を感じているのだ。

 「トランプのように政治を理解している人物が一体なぜこれほど明白な間違いを犯すのか?

 タッカー・カールソンとの対談で、実際はトランプが状況を制御できていないことが一つの答えだとワインスタインは示唆した。

 「我々アメリカ人は自分自身と対話する必要がある。体制がいかに破綻しているか、そして、それが我々にどのような行動を取らせているかだけでなく、体制が実際どのように機能しているのかについても話し合う必要がある。我々をそのような行動に駆り立てているのは一体誰なのか。」

 問題は、トランプが選挙公約の「新たな海外戦争を起こさない」を破った点より根深い。(本日「トランプ政権は中東への米軍増派を検討しており、イランに関する次の措置としてトランプは海峡の安全確保も検討している」とロイター通信が報じた。)

 タッカー・カールソンとの対談で、1961年か1963年頃から、アメリカの制度は深刻な機能不全に陥っているように見えるとワインスタインは指摘した。もはやアメリカの国益を第一に考えていないのだ。実際、アメリカの支配は、金融から医療に至るまで、多くの分野でアメリカ国民の本当の利益とは明らかに相容れないものになっていると彼は主張している。そして、1963年11月の出来事以降、国家は「反憲法的」構造に変貌してしまったのだ。それは、アメリカが本来あるべき姿とは正反対だ。

 ワインスタインは、この状況の原因は、公式には明らかにされていない「何か」、つまり目に見えない何かにあるとした。支配権と利害関係が不透明な「隠れた権力構造」を示唆している。「何がそれを動かしているのか? この体制の中で一体誰が権力を握っているのか? 我々には分からない」と彼は主張した。アメリカを中東における一連の戦争へと駆り立てた、目に見えない利害関係とは一体何だったのか?

 エプスタイン事件が極めて重要だった理由を強調し、公表された僅かな詳細から諜報機関や金や汚職が絡む権力構造が明らかになり、アメリカでは憲法上の危機と深刻な安全保障上の危機が暗黙のうちに存在していたことが示されたとワインスタインは述べた。

 この権力構造がどのようなものか、そしてその権力構造の利益が何であるかを、アメリカ国民は早急に知る必要があったのだ。そして、アメリカ国民が現在どのような立場にあるのか、また、アメリカ国民自身の利益に基づいて統治される国家を取り戻すための要素をいかにして取り戻すかを議論する必要があったのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/03/24/as-wheels-come-off-iran-conflict-it-compels-decision-where-do-we-stand/

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 ≪櫻井ジャーナル≫
無謀な戦争を始めたイスラエルに操られる米大統領の周りではしゃぐ日本の首相
 植草一秀の『知られざる真実』
高市訪米成功報道のデタラメ

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