ペルシャ湾岸諸国の人々を守るのではなく攻撃するアメリカ軍基地

エドゥアルド・バスコ
2026年3月11日
Strategic Culture Foundation
この本物の軍事占領に対して彼らが立ち上がるまでにどれくらい時間がかかるのか?
❗️Telegram
お問い合わせ: info@strategic-culture.su
「我々の成功は、今後もアメリカの軍事力と、中東の同盟諸国やパートナーに対する我々の保証の信頼性にかかっている。」
これは2013年12月、オバマ政権のチャック・ヘーゲル国防長官が湾岸協力会議(GCC)諸国に向けて述べた言葉だ。これはワシントンが傀儡諸国に与えてきた歴史的保証を補強するもので、アメリカが世界の安全保障の守護者だという欺瞞的プロパガンダを再確認するものとなった。
このような約束は、民主党政権であれ共和党政権であれ、どの政権でもなされるものだ。12年後、ドナルド・トランプはカタールを具体的に取り上げ、この経文を再び強化した。「アメリカは、カタール領土(…)に対するいかなる武力攻撃も、アメリカの平和と安全に対する脅威とみなす」とトランプは述べた。トランプによれば、アメリカはカタールへの攻撃に対し「軍事力を含むあらゆる合法かつ適切な措置」で対応するという。
イスラエルはハマス指導者を標的にドーハを爆撃したばかりだった。アメリカ大統領演説は全く空虚なものだった。2012年の合意で100億ドルで購入されたパトリオット、そして2019年に20億ドル以上をかけて新たに購入したパトリオットとNASAMSは、イスラエルの爆撃を阻止できなかった。アメリカはこの攻撃を「アメリカの平和と安全に対する脅威」と考えず、むしろ無視した。
カタール政府が80億ドル以上を投じて建設したアル・ウデイド空軍基地に、米中央軍、米空軍、英空軍をカタールは受け入れている。だが、これらの措置は、いずれもカタール国民を守っていない。米イスラエルによる攻撃に対するイランの報復措置は、この基地(中東最大の米軍施設)自体脆弱な標的であることを露呈させた。基地は3日にミサイル攻撃を受け、米ミサイル防衛システムで最も重要なセンサーの一つ、約11億ドル相当のAN/FPS-132早期警戒レーダーが損傷か破壊された可能性が高い。衛星画像では、このレーダーに重大な損傷が見られ、遠距離からの弾道ミサイル探知能力に支障をきたす可能性がある。
2017年、サウジアラビアはアメリカの軍事装備に1100億ドルを費やし、来年までに3500億ドル以上を支出する見通しの合意に達した。この合意にはパトリオットとTHAADシステムも含まれる。しかし、この巨額の支出は完全な安全保障を保証するものではないようだ。現在の戦争において重要な迎撃が行われたにもかかわらず、アメリカ政府は一部要員に、自衛のためサウジアラビアから脱出するよう指示した。これはアメリカ自身さえ、他国に販売している防衛能力を信頼していないことを実証している。実際、3日未明に、リヤドのアメリカ大使館が2機のドローン攻撃を受け、その2日前には米兵も攻撃を受けた。
国防安全保障協力局(DSCA)、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のデータベースと、議会調査局(CRS)報告書によると、湾岸諸国は1990年以降、アメリカから兵器と防護システムの購入に約5,000億ドルを費やしてきた。アメリカによる防衛インフラ建設と維持は、ほぼ全額受け入れ国の資金で賄われる。しかし、イランによる正当な報復により、これら全て台無しになっている。
アメリカが提供する防衛の無力さは、昨年の戦争で既に実証されていたが、ハマス、ヒズボラやフーシ派によるイスラエルへのミサイル発射によっても実証され、アイアンドームをめぐる神話は打ち砕かれた。ある意味、これら攻撃の多くが成功したことは、全能の米国軍需産業にとって屈辱的出来事だった。イエメン軍が撃墜したMQ-9リーパー無人機は、2億ドルの損失をもたらした。フーシ派が米軍機を撃墜するために使用した無人機の製造経費は、MQ-9リーパー製造経費のごく一部に過ぎない。
アメリカ防衛の無力さは、アメリカの軍事複合体が生み出す製品の極めて低い品質を露呈している。この複合体は、ロッキード・マーティンやレイセオンといった少数独占企業に支配されている。これら企業は、競争相手もなく、アメリカ政府に従属する顧客を抱えているため、比類ない品質の兵器やシステムを製造するために最大限の努力を払う必要性を感じていない。更に、この分野では腐敗が蔓延しており、湾岸諸国のような劣等民族は、アメリカ向け製品と同じ品質の製品を購入する資格などない。彼らの政権は、何にでも高額を支払う用意があるようだ。
40年以上にわたり攻撃に対処してきた経験を持つイランは、こうした脆弱性を巧みに利用してきた。米軍基地がこの地域で活動を続ける限り、中東和平は不可能だとイランの最高指導者たちは公然と主張している。「ペルシャ湾地域における米軍駐留に終止符を打つ以外に選択肢はない」とイランのサイード・ハティーブザーデ外務次官は述べた。こうした訴えは、近隣諸国において、一般市民だけでなく、軍や政治勢力の中にも確実に広がっている。
ペルシャ国家は、軍事施設攻撃だけでなく、湾岸諸国経済の中枢であるエネルギー産業に影響を及ぼす戦略的目標も攻撃している。これは、アメリカとイスラエルによる自国石油インフラ爆撃への報復だ。イランによるこれら攻撃は、帝国主義の傀儡政権に、主君の攻撃を阻止するための行動を迫る一層の圧力になっている。明白な解決策は、自国領がイラン攻撃に利用されるのを阻止することで、それは必然的に軍事基地閉鎖を意味する。
これらの国々はいずれも反体制派を弾圧する独裁国家だが、民間人の苦しみが増すにつれ、民衆の不満は抑えきれなくなる可能性がある。指導者連中はこのことを承知しており、潜在的に危険な状況から抜け出す安全な方法を模索し、既に知恵を絞っている。
これらの国の人々は、アメリカとイスラエルの嘘産業に煽られた政権が、イランこそ侵略者で、攻撃の責任を負うと吹き込む偽プロパガンダを全て鵜呑みにするだろうか? しかし、なぜアメリカは住宅街のすぐ近くにミサイル発射基地を建設するのか? イスラエル軍同様、これは明らかに「道徳的」かつ「倫理的」な軍隊ではない。住宅街の人々はアメリカ兵用の人間の盾として存在しているのだ。防衛の論理は逆転している。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールの人々を守るのはアメリカ対空システムではなく、占領軍を守るために命を落とさなければならないのは、こうした二級市民だ。
更に、米軍基地には、地元住民に対する罪を犯した兵士が駐留していることがしばしばある。これはイラク戦争中に顕著になった。例えば、2004年にマフムディヤにある彼女の自宅に第101空挺師団の兵士が侵入し、アビール・カシム・ハムザ・アル・ジャナビという14歳の少女が強姦され、その後殺害され、家族も殺害された事件があげられる。また、イラク侵攻中に長年にわたり記録された強姦事件に加え、第4歩兵師団が使用していたバラド空軍基地などの米軍基地周辺地域で行われた性的搾取や売春行為も挙げられる。
1日、米海兵隊はパキスタンのカラチにあるアメリカ領事館への襲撃を試みた少なくとも9人の抗議行動参加者を射殺した。彼らは、前日イランの学校で約150人の女子生徒が虐殺されたイランに対する犯罪的侵略に抗議していたのだ。中東、中央アジア、アフリカ、中南米諸国における帝国主義の存在は、まさにこれを目的としている。現地住民を守るためではなく、レイプ、殺害、そして自らを人間の盾として利用することだ。
この真の軍事占領に対して彼らが立ち上がるまで、どれくらい時間がかかるのだろう? おそらく長くはかかるまい。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/03/11/american-bases-do-not-protect-they-attack-the-peoples-of-the-persian-gulf/
----------
植草一秀の『知られざる真実』
「天に唾する」横暴国会運営
« イスラエルの使命:中東を炎上させせること | トップページ | ミサイルの流れを見守る中国 »
「サウジアラビア・湾岸諸国」カテゴリの記事
- イラン・アメリカ・UAE・パキスタンの謎(2026.04.05)
- イランの大胆な戦略的動き―「占領地に対するミサイル優位」宣言と「核抑止力」警告(2026.03.30)
- ペルシャ湾岸諸国の人々を守るのではなく攻撃するアメリカ軍基地(2026.03.13)
- アラブによる分析を歪曲してイラン攻撃を主張するシオニスト(2026.02.04)



コメント