専制的な政府をアメリカは強制的に排除すべきだという信念の分析

アメリカ合衆国は人道的介入する世界最後の政府だ。文字通り最終走者だ。
ケイトリン・ジョンストン
2026年2月2日
ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。
「X政府は悪いことをしている」と「だからアメリカはX政府を強制的に転覆させるべきだ」は全く別の主張だ。プロパガンダをする人々は、あたかもこれらが同じ主張であるかのように、そして後者の主張が前者の主張に自然に続くかのように振る舞い続け、この操作を何の疑問も持たずに受け入れる人々が余に多く見受けられる。
これらは同じ主張ではない。全く無関係だ。良い大人に説明する必要はないはずだが、だが我々は、そういう状況だ。
たとえ、アメリカが標的とする政府の行動がいかに悪質かという主張を全て事実として受け入れたとしても、また、アメリカの一方的な政権転覆戦争が国際法に違反している明白な事実を無視したとしても、ある政府が悪いことをしているからといって、アメリカの政権転覆介入が正当化されると受けとる正当な理由は依然存在しない。
外国政府が悪事を行ったからといって、別の政府が軍事行動を起こして、その政権を転覆させることが良いことだとは限らない。これはアメリカ合衆国に特有のことだ。アメリカ合衆国は世界で最も独裁的な政府で、政権転覆を目的とする介入は、阻止しようとしていたと支持者が主張する以上に、確実に多くの死や苦しみや虐待を引き起こす。
アメリカ合衆国は、人道的介入に関与する世界最後の政府だ。文字通り最終走者だ。ワシントンとその同盟国・代理国ネットワークほど、人道的な名目で正当化した壊滅的軍事行動をしてきた政府は他にない。
ここ数十年にわたり中東で見られる暴力や混乱や不安定さのほとんどは、アメリカ主導の西側諸国による介入の余波だ。既存文明社会の上にユダヤ人国家を築き、傀儡政権を樹立し、軍事基地を設置し、イラクに侵攻し、イエメンでのサウジアラビアによる大量虐殺を支援し、リビアとシリアで意図的に暴力的反乱を扇動し、その他の数え切れないほどの介入のおかげで、中東は第二次世界大戦後、他の地域と同様には、比較的平和で安定した状態に至れなかった。
「従って、アメリカはX政府を武力で転覆させるべきだ」という主張も、「X政府は悪いことをしている」という主張から自然に導かれるものではない。一般的に悪いことをしている政府を、アメリカは転覆していないからだ。世界の独裁国家の大半は、アメリカによって武装され、支援されている。
アメリカ帝国の敵ではないために、その虐待行為について、ほとんど耳にすることがない実に多くの専制的政府が世界には存在している。例えば、彼らがアメリカ覇権国家の世界権益と同調しているため、サウジアラビアやUAEや他の専制的湾岸諸国の君主制国家による大量虐殺について欧米メディアや欧米諸国政府が絶えず騒ぎ立てるのを我々は聞かない。
これは実際は、ある政府の悪事を止めるためにアメリカが、ある国を攻撃したことがないことを示している。それは言い訳にはなるかも知れないが、決して理由にはならない。アメリカが標的にする政府は、西側諸国の自由主義的理想より権威主義的な傾向がある。もし彼らが鉄拳で国を支配していなければ、帝国主義傘下に吸収しようとするアメリカの試みに、とっくの昔に屈していたはずだからだ。しかし、それは決して彼らを標的にする本当の理由ではない。
本当の理由は世界覇権だ。外国政府が悪いことをしているからアメリカが攻撃するのではない。アメリカに従わず、帝国の指輪にキスしないため攻撃するだけだ。
従って「X政府は悪いことをしている」という主張が、アメリカがその政府を武力で転覆させるべきだという期待を当然生み出すのは狂気じみていて愚かだ。外国政府が不正を働いたからといって決してアメリカは打倒せず、仮に打倒した場合には、自国の内政に専念していた場合より遙かに大きな混乱、苦難、破壊をもたらすのが常だ。
プロパガンダをする人々は、繰り返しや、反響室や、情報の支配や、言説の歪曲を駆使して我々の心を操る。だが連中は我々自身の基本的な批判的思考力の欠如にも頼っている。我々が根底に持っている前提をより厳密に検証するだけで大きな成果が得られる。
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画像はアメリカ戦争省より。(パブリック ドメイン)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/02/02/dissecting-the-belief-that-the-us-should-forcibly-remove-tyrannical-governments/
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