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2026年2月28日 (土)

イラン危機:自ら作り出した窮地からトランプ大統領は一体どうやって抜け出すのか?



マーティン・ジェイ
2026年2月26日
Strategic Culture Foundation

 トランプ大統領の一連の誤った政策判断がイランとの膠着状態を招いた。

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 トランプ大統領の一連の誤った政策判断がイランとの膠着状態を招いた。今、誤算より憂慮すべきは彼が下した判断だ。

 ドナルド・トランプが最も好むのは、自らを立役者、解決策を持つ唯一の人物として全ての注目を集める熱狂的ドラマを作り出すことだ。だが、イランとの新たな核合意締結を目指す彼の艦隊が中東で作り出した危機は、既に彼に後悔の念を抱かせているに違いない。トランプがいかに「窮地に追い込まれ」、誤算と長期戦につながる可能性がある緊張を緩和する明確な出口が見えていないかを評論家たちは指摘している。

 彼をこの窮地に陥れたのは一体何だったのか? まず、ベネズエラ指導者を拉致した作戦が確実に影響を与えていることは否定できない。この勝利がいかに容易だったか、アメリカ現地部隊を投入せずに、軍事力でいかに狙いを実現できたのか信じられないほどトランプ自身も驚いていたことが益々明らかになっている。だが、マドゥロ大統領拉致は非常に高い代償を伴った。ロシアと中国は共にこの事件に大きな衝撃を受け、全く新しい地政学的生存メカニズムを始動し、両国はトランプが狙いを定めている中東の新戦場、イランに益々接近することになった。トランプ二期目は、アメリカ国民を、ほとんどの商品購入を困難にする一方、ロシア、中国、イランを結束させた失敗した関税政策に特徴づけられることになろう。加えて、中国経済はアメリカを優遇市場から脱落させ、かつてないほど好調である点も付け加えておきたい。

 中東の敵国との長期戦に踏み切る際、誤算のリスクを専門家たちは常に指摘する。そして、それには十分理由がある。この地域におけるアメリカの失策は通常甚大な影響を及ぼし、イラク政権転覆後の戦略が、いかにアメリカを急速に敵に回し、結果的にISISが台頭する事態を招いたのかを決して忘れてはならない。もちろんイスラエルにとって、これはジョージ・W・ブッシュ政権によるイラク戦争計画全体の失敗に対する予期せぬボーナスだった。ブッシュ政権は、スンニ派を基盤とする過激派集団を作り出し、この地域における西側諸国の主敵イランと、その代理勢力を標的に、混乱を起こすよう指示する失敗を重ねた。混乱する戦況の中、一連のアメリカ大統領たちは、そのテロ組織の支持者たちがイギリスやフランスで犠牲者を虐殺した際、自らの責任を免れるため、その組織に対する偽戦争さえ仕掛けることを許された。オバマ大統領は任期末期に、いわゆる対テロ戦争を開始し、トランプはテロリストを殺害していると世界に公言しながら、対テロ戦争を継続することに喜びを感じている。だが実際は、トランプは多くのテロリストに報酬を支払い、シリア国内の他地域で再集結させ、アサド大統領との新たな戦いに備えさせていた。

 煙幕政策は相変わらず虚偽に満ちているが、西側諸国の地域戦略の力学はより明瞭になった。イラン政権の打倒だ。だが、これはイスラエルの覇権主義的狙いと完全に合致しており、トランプに同調しない欧州諸国政府にとっては、ほとんど意味をなさない。彼らは、イランを明確な脅威の敵ではなく、単に西側諸国支配から離脱したいだけの国と見ており、カダフィとは違い、世界中で繰り広げられるアメリカの汚い策略の帰結に対する好都合な身代わりにさえなり得ないと考えている。

 最近、イランの好調ぶりが見られるようになってきたため、この「敵」が現体制を維持するのを西側諸国が望むのも無理はない。イスラエルの地域支配を加速させるイラン政権転覆より、現体制維持を望むのも無理はない。政見転覆した場合、自国への大量難民流入とテロ攻撃の増加をEU首脳は懸念しているのだ。新たな力に酔いしれてる制御不能で、とりわけ啓発的な新世界秩序でもないイスラエルは誰も望んでいない。

 だが、トランプにとって重要なのは、彼が何を望んでいるかではなく、何をしなければならないかだ。彼は、ネタニヤフ首相がモサドに好んで使わせる、消音器付き7.65mm口径暗殺拳銃の銃口を突きつけられた世界指導者なのだ。彼には選択肢などほとんどない。むしろ、彼が持つ選択肢全て、いずれにせよ彼自身の破滅を意味している。イスラエルの対イラン戦争要求に彼が屈すれば、確実な彼自身の自殺を意味する。彼の支持基盤とアメリカの政治基盤は共に彼に背を向け、最初の遺体袋がアメリカ領土に届いた時点で、彼を罷免しようとするだろう。アメリカ空母は、一隻沈めれば、数分で戦争を終わらせられる優れた一撃必殺手段だとイランは考えている。議会や最高裁判所や彼自身の政党に阻止され、あらゆるレベルで、アメリカに対する国際的圧力が強まるのは言うまでもない。イスラエルはイランとの戦争を望んでいる点で、完全に孤立していることを指摘しておく価値がある。文字通り誰もそれを望んでおらず、特に湾岸諸国は激しく反対しているためだ。相当の損失なしにアメリカとイスラエルが勝利を収めるとはまず考えられないため、アメリカにとっても、西欧諸国にとっても、好ましい結果は誰も見出せない。アメリカ弾薬の備蓄はせいぜい二週間分だが、実際は一週間程度しか持たないと一部専門家は主張している。イランは、その期間内に打倒されたり敗北したりすることは決してなく、既に長期にわたる戦争への備えを整えている。

 イスラエルとアメリカが、これまで二度、長期戦から撤退したことも指摘しておく価値がある。最近では1月14日、トランプ大統領がイラン爆撃を決意した際、自国領内での事態に対処する準備ができていないとして攻撃を控えるようイスラエルは要求した。だが昨年6月、トランプ大統領が12日間戦争を中止した理由はほとんど報じられていない。イランがホルムズ海峡封鎖に向けて迅速に動いており、それが原油価格と世界経済に壊滅的打撃を与えることをトランプ大統領は知ったのだ。

 つまり本物の戦争をする意欲も覚悟も存在していないのだ。そこで、すると一体何のために艦隊がそこにいるのかという最も自明な疑問が浮かぶ。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、つい最近、彼が以前から好んできた手法で、昨年6月にそれを実行して事なきを得たことからも明らかな迅速な攻撃というシナリオは、何一つ機能しないと米軍将官らがトランプ大統領に伝えたという。アラビア海に艦隊を配備した今、今回はイランが既に大規模反撃の準備を整えており、選択肢が迷うほどあるため、彼はそうできない。イランはかなり自信に満ちており、最新のポーカー持ち札にも冷静さを保っている。イランはロイヤルフラッシュを持っており、トランプ大統領はツーペアしか持っていないためだ。トランプ大統領は文字通り自ら窮地に追い込んでおり、残る唯一の疑問は、彼がいかにしてフーディーニのような奇策でこの状況から脱出して面目を保とうとするかだ。だが本当の答えはなく、悪い選択肢しかない。一番ましな策は、トランプが攻撃し、一方で、イランを説得して、トランプ自身が2018年に破棄した包括的共同行動計画(JCPOA)をほとんど修正しない形でイランに署名させることだ。もう一つの選択肢は、トランプが冷静さを失い、限定的攻撃を強行して、イランを従わせるために必要な手段だと騙されやすいアメリカ国民に売り込むことだ。ここでのリスクは、いかなる攻撃に対しても地域にいる米軍と同盟諸国に激しい反撃をすると自国民に約束したイランも政治的に自らを窮地に追い込んでいることだ。三つ目の選択肢は、ウラン処理の全面停止を約束する派手な合意にイランが署名するよう説得し、世界をより安全な場所にするという誇張した話をアメリカ・メディアに大々的に流布させることだ。おわかりだろう。

 これら選択肢はどれもあまり良いとは言えない。トランプはまるで一難去ってまた一難状況で、一難を避けるのは一体いつかという時期しか選択肢がないように見える。イスラエルはイラン政権転覆と弾道ミサイル計画停止に希望を託しているが、もちろん実現しない。イランはイスラエルにとって最大の切り札で、イスラエルはそれを胸に秘めているためだ。だが、この泥沼で注目すべきは、アメリカ・マスコミがいまだに中東で最も古い嘘を自国読者に売りつけていることだ。イランが核爆弾を製造するまであと数週間というものだ。この物語が最初に示されたのは1995年なので少々古臭いように思えるかも知れない。

 アメリカ国民があまりにも愚かで、アメリカ人ジャーナリストがあまりにも貧弱なことを考えれば、イスラエルが仕掛けた偽旗攻撃の可能性は極めて高く、トランプが下すべき決断は自動的に下される。空母フォード号のトイレ詰まりのように、これは全てクソのような見世物で、非の打ち所のない白麻スーツを着て立ち去る者はいない。だがドナルドにとっては、実際決断を下すよりも、決断を下さない(自動化され彼が決断さえしない)方がましかもしれない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/02/26/iran-crisis-how-does-trump-get-out-of-the-box-which-he-himself-has-created/

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 The Real Scott Ritter
Ritter’s Rant 078: Rumors of War 7:30
It looks like the US has decided to attack Iran. Unless something changes, this may be the last peaceful Friday America and the World enjoys for some time.

Scott Ritter
Feb 28, 2026

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