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2026年2月 2日 (月)

トランプの平和委員会:パレスチナ人を無視して物議を醸す動き

Abbas Hashemite
2026年1月31日
New Eastern Outlook

 トランプ大統領の平和委員会は、多くの国々に受け入れられてはいるものの、その憲章の物議を醸す性質のため世界中で厳しい批判を巻き起こしている。

 

 アメリカ、ダボスで物議を醸す平和委員会を設置

 アメリカは、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次首脳会議で、平和委員会の憲章を正式発表した。これは物議を醸している20項目からなるガザ和平計画の第二段階の正式開始を象徴するものだ。ドナルド・トランプ大統領は、複雑な四層構造の統治構造を発表した。パレスチナ先住民は上位三層には一切代表権を与えられず、現場レベルの些細な問題を扱う専門委員会のみに所属することになった。一方、トランプ大統領は、ガザにおける統治問題の運営を担当する平和委員会執行委員会の委員長に自ら就任した。

 ハマスとパレスチナ人を平和委員会から排除することは、この組織が中東に平和を確立することができず、更なる世界的紛争につながる可能性があることを示している。

 創設時の執行評議会は、トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナーや、中東で数千人のイスラム教徒の死に関与したことで世界的に知られるトニー・ブレアなど、親イスラエル派、親シオニスト派のアメリカ政府高官や職員が大半を占めている。一方、この評議会にはイスラム諸国の代表は一人もいない。これは事実上、外部主体や国家、主にイスラエルとアメリカがガザを支配する植民地主義的体制に等しい。これは世界から厳しい批判を招き、パレスチナの人々からも非難されている。この憲章に基づき、第二レベルの評議会であるガザ執行委員会も設立された。しかし、この委員会には和平委員会のトップ層メンバーも数名含まれている。

 世界的反発と正当性への疑問

 トランプ大統領が50カ国以上の首脳を招請したものの、パレスチナやハマスの代表者を招請しなかったことは、物議を醸し、世界的注目を集めた。更に嘆かわしいのは、平和委員会の憲章にガザ地区への言及がないことだ。委員会はアメリカ主導の国際機関として自らを位置づけ、世界の平和と安全の維持における国連安全保障理事会の中心的役割に明確に異議を唱えている。平和委員会が国連に取って代わる可能性があるとドナルド・トランプ大統領も発言し、この点を明確に示していた。憲章にガザ地区への言及が一切ないことは、トランプ政権が委員会の権限を、ガザ地区以外の紛争にも拡大しようとしていることを示唆している。

 平和委員会の憲章は、国連を「あまりに頻繁に失敗してきた機関」と厳しく非難するとともに、「より機敏で効果的な国際平和構築機関の必要性」に言及している。また、憲章はトランプ大統領に委員会における唯一の拒否権を与え、あらゆる紛争に関する、あらゆる決定を承認する広範な権限を委譲し、最終的権限を与えている。平和委員会の加盟国は三年間の任期しか与えられず、10億ドルを拠出する国は常任理事国になる。こうした規定は、委員会に更なる物議を醸している。憲章には、議長職を退任した後、委員会がどのように存続するか言及されておらず、ほとんどの権限がトランプ大統領と取り巻きに与えられているためだ。

 実施上の課題と地域への影響

 平和委員会の構造は、トランプ大統領の真意を明らかにしている。この委員会は、ガザと、中東と、それ以外の地域における彼の一方的決定と行動が世界的に正当で、支持されていることを示すための単なる煙幕に過ぎないことを示唆している。世界全体に対して、トランプ大統領は数々の隠れた野望を抱いている。グリーンランドを占領する彼の野望は、アメリカと欧州連合(EU)の関係を断絶させた。デンマーク、フランス、スペイン、スウェーデン、ノルウェー、スロベニア、イギリスを含む多くの欧州諸国は、憲章の物議を醸す性質と彼の拡張主義政策を理由に、平和委員会参加要請を断った。他の多くの国々も、物議を醸す憲章と、それが国連を弱体化させると予想される役割に懸念を表明した。

 国際機関もこの問題について懸念を表明した。アムネスティ・インターナショナルは、委員会設立は「国際法の露骨な無視」だと述べた。更に「これは、国連のメカニズムと、国際司法機関と、普遍的規範に対するエスカレートする攻撃の新たな明白な兆候だ」と指摘した。パキスタン、サウジアラビア、UAE、イスラエルといった国々は、この招待を速やかに受け入れた。しかし、西側諸国の大半がボイコットしたため、委員会就任式は、全体としては不成功に終わった。

 平和委員会の実効性は世界的に疑問視された。トランプ大統領は、ガザ和平計画の第一段階の実施が未だ成功していないにもかかわらず、第二段階を発表した。トランプ政権は、第一段階における停戦違反を繰り返しているイスラエルを一度も罰していない。ネタニヤフ首相の招待は、ガザにおけるイスラエルの違法行為を黙認しているようなものだ。トランプ大統領は最近の声明で、再び戦争の責任をハマスに一義的に押し付けた。更に、ハマスが武装解除しなければ、すぐ吹き飛ばされると警告し、イスラエルによるガザの違法占領と継続的爆撃には目をつぶった。

 更に、トランプ大統領の物議を醸す国際安定化軍(ISF)は、任務内容が曖昧なため、世界のどの国も部隊派遣に確固たる決意を示していない。ハマスは国際的保証、イスラエルの完全撤退、テルアビブによる武装解除に関する国際規範の遵守を求めている。しかし、ハマスとパレスチナ人がISF平和委員会から除外されたことは、この組織が中東に平和を確立することは不可能で、トランプ大統領の植民地主義的野心によって、更なる世界的紛争を引き起こす可能性があることを示唆している。

 Abbas Hashemiteは地域および世界の地政学的問題の評論家、調査分析専門家。現在フリーの研究者・ジャーナリストとして活動中。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/01/31/trumps-board-of-peace-a-controversial-move-that-sidelines-palestinians/

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 東京新聞 朝刊 特報面 本音のコラム

 ソフトパワーの末路 大矢英代さん  
数年前にパレスチナ西岸地区を訪れた時のこと。出会ったこどもたちに「日本から来た」と伝えるたびに、満面の笑みで「ポケモンの鶴!」と歓迎された。

 中略

 世界が日本文化に抱いてきた好意は「戦争をしない国」という信用と無縁ではない。日本が再び武力を選べば、平和国家の看板は落ちぶれ、ソフトパワーの効き目も失われるだろう。
 植草一秀の『知られざる真実』
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