アメリカはイランに民主主義をもたらそうとしていると皆様がお考えなら、現在アメリカがイラクで何をしているかご覧願いたい

これがアメリカが押し付ける「民主主義」の本当の姿だ。つまり、ワシントンの指示に従い、ワシントンが認める指導者を選ぶ自由を、その国の国民に与えるのだ。
ケイトリン・ジョンストン
2026年2月24日
ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。
アメリカはイランに民主主義をもたらそうとしていると皆様が愚かにもお考えなら、現在アメリカがイラクで何をしているかを見るべきだ。
イラクが前首相ヌーリ・アル・マリキの政権復帰を許めた場合、同国の石油収入を遮断するとトランプ大統領は強く恫喝している。マリキはイランに過度に同情的だとトランプ政権は見ている。
しかも恫喝は効果を奏しているようだとAntiWarのジェイソン・ディッツが報じている。
「かつての、そしておそらく将来のイラク首相ヌーリ・アル・マリキ立候補は今週末益々疑わしくなっている。彼の首相復帰を認めないようトランプ大統領が要求したとの報道があり、調整枠組み同盟が彼を首相候補から外す可能性が高まっている。」
「昨年のイラク選挙は、いつものように議会が大きく分裂した状態で終わったが、法治国家連合が得票率6%で第4位になったことは、現首相のムハンマド・シヤーウ・スーダーニーが復帰する意思がないことを踏まえれば、マリキに連立政権の指導者の座を与えるのに十分だと一般に考えられていた。」
「先月末、トランプ大統領はマリキ首相に指名辞退を要求したが、マリキ首相は、アメリカはイラク内政に介入すべきでないと述べて当時拒否した。マリキ首相は2006年から2014年までイラクの首相を務めていた。」
Iraq May Drop Maliki as PM Candidate After US Threats
— Antiwar.com (@Antiwarcom) February 22, 2026
Report: US gave Iraq ultimatum to scrap Maliki’s candidacy by Sunday#Iraq #Maliki https://t.co/JiIQhL8o3T
イラク侵攻後にイラク経済に課されたアメリカ支配のおかげで、トランプは説得力ある恫喝でイラク政治を動かすせるとディッツは説明している。
「この状況の根底にあるのは、2003年のアメリカによるイラク侵攻と、占領後、イラクの石油収入が全てニューヨーク連邦準備銀行を通じて米ドルで支払われるよう、この国が再編されたことだ。この収入はイラク政府予算のほぼ全額を占めるため、アメリカは事実上いつでもイラク国庫を差し押さえ、即座に国を破産させられる。」これが、アメリカが押し付けた「民主主義」の実際の姿だ。つまり、ワシントンの指示に従い、ワシントンが認める指導者を選ぶ自由を国民に与えることだ。
2003年にアメリカ連合軍がサダム・フセイン政権を打倒した理由として、イラク国民に自由と民主主義をもたらすことが急務だったのを覚えている方もいるだろう。アメリカはこの侵攻を文字通り「イラク自由作戦」と名付けた。そして100万人殺害し、この地域を長年にわたる混乱と不安定化に陥れ、イラク国民が確実に永遠にアメリカ帝国支配下に置かれるようにした。
アメリカ帝国がイランに民主主義をもたらそうとしていると良い大人が信じる言い訳は通用しない。アメリカが中東で一貫して独裁政権や君主制を支援しているのは、まさに国民の意思が、これらの国々の政府の行動や政策を決定するのを望まないからだ。この地域の本当に民主的な国家は、国民が投票権を使ってイスラエルとアメリカに敵対する指導者を選び、欧米諸国帝国の権益ではなく、自国民の利益を優先する化石燃料政策を打ち出すのを容認するはずだ。
だからこそ、アメリカと同盟諸国に極めて友好的な裕福な君主制国家が中東に数多く存在するのだ。これは偶然ではない。欧米諸国は何世代にもわたり中東情勢を積極的に操作してきた。これにはイランも含まれる。CIAは1953年にクーデターを画策し、民主的に選出された政府をアメリカ寄りの君主制に置き換えたが、1979年のイラン革命でその君主制は打倒された。
US military intervention against Iran in conjunction with economic warfare and support for sectarianism DOES NOT constitute a regime change operation. That hasn’t been the play for years.
— Greg Stoker (@gregjstoker) February 19, 2026
Warhawks are hoping for deep destabilization and Balkanization. pic.twitter.com/tPhD1N9poh
この計画はイランに民主主義をもたらすことではなく、イランを統一国家として維持することさえ目的としていないという説得力ある主張もある。最近、影響力あるイラン強硬派はバルカン化を望ましい戦略として推進しており、戦争プロパガンダをしている連中は、民族線で分裂させたイランこそ、全ての人にとって最善の利益になる可能性があるという考えを推進している。この戦略は計り知れない紛争と、恐るべき死をもたらす混乱を引き起こすだろうが、イラン政府を転覆して新政府を樹立する面倒な手続きを踏む必要はない。彼らはイランを叩き潰して反抗的地域大国を排除し、残骸をどこにでも放り投げられる。将来、革命が起きて、傀儡政権が、統一された大国に取って代わられるのを恐れる必要はないのだ。
アメリカが求めているのは民主主義ではなく世界規模支配だ。こうした動きの全てはまさにそれで、それを実現するため、どれだけの人々を傷つける必要があるかなど帝国は気にしていない。
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画像はAdobe Stockより。
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/02/24/if-you-think-the-us-wants-to-bring-democracy-to-iran-watch-what-theyre-currently-doing-to-iraq/
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The Chris Hedges Report
冒頭はガザで自動車の中に残され亡くなった六歳の少女Hind Rajabさんのこと。Wikipediaには24言語の記事があるが日本語版はない。
The Voice of Hind Rajab: The Film They Don’t Want You to SeeChris Hedges
Feb 27, 2026
今朝の孫崎氏は引用文。
ブルマ氏はバード大学教授。歴史家が証明:
イアン・ブルマ著:明日は今日より良くはないHistorians Confirm: Tomorrow Won’t Be Better Than Today
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
引用論評 NYT「明日は今日より良くはない」ナチ台頭の時代、幾つかの節目にほとんどの独逸人は目を背け、何も見ていないふり、日常生活を送っていた。この過ちは「これで終わりだ。明日はよくなる」と思い続けてついに敗北。トランプ時代(亜流高市)につながるのでないか
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