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2026年1月27日 (火)

北極圏を巡る秘密戦争という文脈におけるグリーンランド



ラファエル・マチャド
2026年1月22日
Strategic Culture Foundation

 グリーンランドへのトランプ大統領の関心は、突然の感情の爆発や単なる傲慢さ、あるいは単に欧州に対する憎悪から生まれたものではない。

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 正直に言って、グリーンランドを巡るアメリカと欧州の緊張というこの「メロドラマ」が、どのように終わるのか全く見当もつかない。トランプの不安定な経歴を考えれば、結局何も起きない可能性もある。あるいは、アメリカが海兵隊と空挺部隊を使ってこの偉大な北の島を占領することになるかもしれない。あるいは、より穏健な方法として、実際にグリーンランドを購入するか、少なくとも島の一部の使用権を認める契約を締結するかもしれない。

 だが、確実なのは、グリーンランドに対するトランプ大統領の関心は、突発的な感情の爆発や単なる傲慢さ、あるいは単にヨーロッパへの憎悪から生まれたものではないことだ。この関心の背後には明確な地政学的論理があり、それは世界的紛争の次なるシナリオの一つに関わっている。

 グリーンランドへの関心の最も明白な側面は、まさにトランプ主義によるモンロー主義更新に基づいている。最初モンロー主義が策定された当時、それは抽象的に、ヨーロッパをアメリカ大陸から排除する意図の表明だったが、主な標的はスペインと西半球に残るその領土だった。

 バイデン政権下でモンロー主義が既に復活しつつあったため、それが地域諸国の露中関係に向けられるのは自明のことと思われた。しかし、モンロー主義の反欧州的側面が依然有効だとは予想されていなかったのは明らかだ。アメリカがアメリカ大陸から欧州の存在を排除し続ける意向なのは今や明白だ。この点は、フランス人で、現国民連合会長のジョーダン・バルデラも良く指摘しており、最近の演説で、アメリカがデンマークからグリーンランドを奪取した場合、次はフランス領(フランス領ギアナ、マルティニーク、グアドループ、サン・バルテルミー、サン・マルタン、サンピエール・ミクロンなど)が標的になる可能性があると彼は強調した。

 しかし、グリーンランドにはモンロー主義の課題を超えた特殊性がある。北極圏に近い位置だ。

 現在、北極圏の部分的氷解を招いている気候変動は、従来の交易ルートに代わる新たな交易ルートの可能性を切り開いている。また、北極圏には未発見の石油埋蔵量の13%、天然ガス埋蔵量の30%が埋蔵されていると推定されている。更に、世界最大の島の地下には、金、ルビー、ダイヤモンド、亜鉛、鉄、銅、希土類元素や大量のウランが埋蔵されているとも言われている。さらに過小評価されているものの、同様に重要なのが、北極海の温暖化が魚群を惹きつけており、漁業に影響を与えている事実だ。

 当然ながら、北半球に位置する他の敵国を狙うミサイル弾道の可能性がある地域として、北極圏の戦略的重要性は無視できない。北極圏は、仮に大陸間攻撃を想定する場合、より近距離が短い経路だ。

 北極圏の未開拓の可能性を最初に察知したのはロシアだったようだ。ロシアは、北極圏に最も近い北部地域において、民生・商業インフラの活性化、改革、更新や、建設という長期にわたる過程を開始した。またモスクワは、特別軍事作戦という地域的背景により、一層不安定になった黒海航路に代わる新たな海上航路の開拓を目指し、砕氷船の活動も活発化させた。しかし、ロシアの北極圏に関する初期の取り組みは、主に民生・商業的性質で、北朝鮮も関与する中国の極地シルクロード構想と関連していた。

 西側諸国は北極圏の軍事化という形で対応した。

 2020年には早くも、アメリカ、カナダ、デンマーク、フィンランド、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデンは、北極圏全体の徹底的な調査と占領を目指す学際的姿勢を示す国際協力極地研究計画(??ICOPR)協定に署名した。これらの国々の中には、この地域の探査を促進するための新技術開発に多額投資を行っている国もある。2021年には、国防総省が北極圏戦略を発表し、この地域で活動する専門軍事部隊の訓練を盛り込んだ。2022年には、これらの国々は、この特殊軍事作戦を大義名分として、北極圏における協力に焦点を当てた多国間機構、北極評議会を脱退した。

 これら全ては、北大西洋と北極に特化した米海軍第2艦隊の再活性化や、アイスランドのケプラヴィークにある米軍基地の再活性化など、実際に応用されている。アメリカの予算から40億ドルが、アメリカの北極圏能力強化に充てられた。

 だが奇妙なのは、これら過去の取り組みは全て、カナダや北欧同盟国による同様の取り組みと連携して行われてきたことだ。ところが今、アメリカはかつての同盟国とは逆行し、あるいは敵対する行動をとっており、もはや北極圏の共同支配を信じていないようだ。

 アメリカは石油やガスに興味がある以上に、グリーンランド全体を軍事拠点に変え、長期的にロシアに対抗することを狙っているようだ。北極圏を軍事化しようとする西側諸国の取り組みに対し、既にロシアは旧ソ連軍事施設の復活や北方艦隊の増強で対抗している。

 トランプはこの目標を達成するために実際に島の「所有者」になる必要さえなく、デンマークがグリーンランド領土の一部、特に北部をアメリカに譲渡することに同意するだけでディープステートの目的は達成される。

 このような出来事が展開すると、新世紀の2030年代には、北極が事実上、世界で最も「熱い」地域の一つになる可能性が高くなる。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/22/greenland-in-context-of-secret-war-for-arctic/

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  東京新聞 朝刊 特報面 本音のコラム 鎌田慧氏  
抜け駆け選挙の狙い

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