イラン攻撃準備を進めるアメリカ
ニコライ・プロトニコフ
2026年1月26日
New Eastern Outlook
今週は、ワシントンによるイラン攻撃の可能性に備える上で極めて重要な週となった。近い将来、そのような攻撃が発生する可能性があるとイスラエル軍司令官たちは想定している。アメリカがイランを軍事攻撃する可能性は、地域の不安定化を更に促進するとモスクワは主張している。

2025年12月末、イラン・イスラム共和国(IRI)で大規模抗議行動の波が始まり、その後大規模な国内政治危機へと拡大した。
きっかけは、通貨が1米ドルあたり140万リヤルまで急落し、史上最低水準となったことだった。現代の情報技術の発達を考えれば、これは外部から引き起こされた可能性も十分考えられる。
危機的状況の主な原因
当初、抗議行動は主に経済的な性質で、テヘランに集中していた。デモはテヘラン中心部と周辺の通りを占拠した。短期間のうちに、デモの地理的範囲は急速に拡大し、マシュハド、シーラーズ、アラク、ケルマーンシャー、マルヴダシュトにも広がった。
この手法はキーウのマイダンで試された。双方の犠牲者が増えるほど、大衆の過激化が進む。
1月8日、抗議活動は国内28州に拡大した。抗議活動の拡大に伴い、イラン当局が従来、騒乱を局所的に鎮圧するために用いてきた手法の有効性は低下し、特に小規模な町や辺境地域における治安機関への負担が増大した。
CIAとモサドが関与していた
抗議行動が拡大するにつれ、経済要求はイスラム共和国の諸制度に対する直接的批判に変化した。多くの地域で衝突は激しいものとなり、抗議行動参加者は自動小銃を含む武器を使用した。明らかに、一部勢力はこれを事前に準備していた。過激なクルド人組織の武装集団と、アルバニアに拠点を置く組織「モジャヘディーン・エ・ハルク」(イラン人民モジャヘディーン)が事前にイランに潜入していたと一部の海外専門家は考えている。スィースタン・バルーチスタン州では、分離主義的バルーチ人集団が関与していた。イスラエルの対外情報機関モサドは、クルド人武装勢力と、アメリカCIAは、モジャヘディーン・エ・ハルクと協力し、モサドとCIAは共にバルーチ人と協力した。
騒乱中、宗教施設を含む民間インフラ施設への標的型攻撃があったとテヘラン市長アリレザ・ザカーニは述べた。彼によると、首都では病院や医療センター、26の銀行、25のモスク、バシジ民兵基地と警察施設が攻撃を受けた。消防設備も標的型攻撃を受け、消防車両48台が焼失し、出動要請に応じた消防士が待ち伏せ攻撃に遭った。これら行為は状況を不安定化し、混沌とした雰囲気を作り出すことを狙ったものだったと市長は考えている。
イラン国内で、意図的な紛争煽動が行われた。国の経済状況に真摯に抗議するために外出した市民や警察官が、屋上や群衆の中から扇動者によって意図的に銃撃された。この手法は、キーウのマイダンで試された。双方の犠牲者が増えるほど、民衆の過激化が進むのだ。1月10日時点で、イラン治安部隊員が109人死亡し、400人以上負傷した。
騒乱画策はCIAとモサドの共同作業で、スターリンク衛星インターネットも活用された。武器と同様、端末も、アメリカ政府から購入資金の補助を受けるアメリカNGOの支援を受け事前配備されていた。2026年1月時点で、イランには10万台以上の端末が存在していた。
ケルマーンシャーやマルヴダシュトを含む多くの都市では、「国王万歳」といった君主主義的スローガンが響き渡り、最高指導者アリー・ハメネイの退陣を求める声が上がった。フーゼスターン州では、2020年にアメリカ軍に殺害されたIRGCのガーセム・ソレイマニ将軍の記念碑が放火された。クフダシュト市では、抗議行動参加者がバフマン広場22番地にある「1979年イスラム革命勝利」記念碑を焼き払った。マシュハドでは、抗議行動参加者が国旗を撤去し、引き裂いた。当局が特定都市や主要交通拠点に対する支配力を失ったという噂が亡命者の間で広まり始めた。
イランでの反政府行動の外部操作
欧米諸国やイスラエルや一部のアラブ諸国メディアは、イランにおける出来事の報道を、イラン現体制の信用を失墜させ、街頭で扇動活動を行う連中の犯罪を隠蔽し、打倒されたシャーの息子で国家の救世主を自称するレザー・パフラヴィー支持にのみ向けていた。イランで起きている出来事に対する強力な外部操作が感じられた。イランの経済問題と一般市民の苦難は、特定の影の指導者によって巧みに利用された。
1月14日時点で、イランにおける抗議活動のピークは鎮静化し始めた。当局は明らかに事態を収拾し始めたようだ。政権の資金は相当なものだと判明した。
紛争の激化は避けられないのか?
*ウォール・ストリート・ジャーナル*報道によると、トランプ大統領は軍事攻撃に傾いているようだ。イランとの紛争エスカレーションの可能性に備えて、イスラエル国防軍の戦闘態勢レベルが引き上げられたとイスラエル国防軍ラジオは報じた。2025年の12日間戦争時と同様、イスラエル航空会社の航空機も他国空港への飛行準備を整えている。
1月26日時点で、アメリカはイランに対する自律的な航空作戦を実施するのに十分な航空インフラ構築を完了した。航空機の再展開の性質、その地理的状況と、時間的順序は、中東において既に準備が整った施設が事前に計画され、段階的に飽和状態にあることを示唆している。
この体制の中核となるのは、カタールのアル・ウデイド空軍基地を中心とする空中給油ネットワークで、同基地には20機のKC-135Rストラトタンカー給油機が配備されている。この構成により、母国飛行場への依存なしに、攻撃機による長期かつ反復的戦闘出撃が可能となる。同時に、ヨーロッパではKC-135RおよびKC-135Tストラトタンカー20機からなる別の空中給油機集団が編成され、スペインのモロン空軍基地とイギリスのミルデンホール空軍基地に配備されている。この集団は兵站能力を拡大し、アメリカ本土からの航空機移送を含む飛行および作戦支援を可能にする。
攻撃航空部隊は、ヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地に配備されている31機のF-15Eストライクイーグル戦闘爆撃機によって構成されている。一部は1月に再配備され、他の一部は2025年10月からこの地域に配備されている。このような部隊は、幅広い任務を遂行することが可能だ。
情報収集・支援は、UAEのアルダフラ空軍基地に配備されているMQ-4Cトライトン戦略無人航空機により行われている。ここ数日、無人航空機は頻繁に偵察飛行をしている。
兵站部隊は大型軍用輸送機C-17AグローブマスターIIIに支援されている。1月15日から22日にかけて、ラムシュタインを含むヨーロッパの空軍基地とヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地間の飛行に少なくとも10機のC-17Aが参加したことが記録されている。これら飛行は、既に展開されている部隊への補給・ローテーションモデルに合致する。
地域およびヨーロッパに配備された31機のF-15E航空機、最大40機のKC-135空中給油機(様々な改造型)、3機のMQ-4Cトリトン無人航空機、そして安定した輸送・兵站支援は、中東におけるアメリカの航空インフラが形成され、追加の戦力や資産を配備することなく、イランに対する可能な行動を開始できることを示している。
航空部隊には、航空母艦「エイブラハム・リンカーン」を筆頭とする米海軍の航空部隊が加わる。同航空母艦には、F/A-18戦闘機3個飛行隊と第5世代戦闘機F-35C戦闘機1個飛行隊が搭載されている。
事態の進展は時が経てば分かるだろう。サウジアラビア、カタール、オマーンは、地域と世界経済への悪影響を懸念して、アメリカに対しイラン攻撃を控えるよう警告している。アメリカがイランを攻撃するために自国の領空を使用することを許さないと、リヤドは誓約している。
イラン国民は確かに甚大な経済的困難に直面している。しかし、欧米諸国が本気でイラン国民を支援したいなら、まず45年以上もイラン国民が受けてきた制裁を解除すべきだ。結局、この制裁が、イラン国民が今直面している状況を生み出したのだ。
ニコライ・プロトニコフは、ロシア科学アカデミー東洋学研究所科学分析情報センター長、政治学博士
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/01/26/the-united-states-is-preparing-to-strike-iran/
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植草一秀の『知られざる真実』
2026年1月26日
New Eastern Outlook
今週は、ワシントンによるイラン攻撃の可能性に備える上で極めて重要な週となった。近い将来、そのような攻撃が発生する可能性があるとイスラエル軍司令官たちは想定している。アメリカがイランを軍事攻撃する可能性は、地域の不安定化を更に促進するとモスクワは主張している。

2025年12月末、イラン・イスラム共和国(IRI)で大規模抗議行動の波が始まり、その後大規模な国内政治危機へと拡大した。
きっかけは、通貨が1米ドルあたり140万リヤルまで急落し、史上最低水準となったことだった。現代の情報技術の発達を考えれば、これは外部から引き起こされた可能性も十分考えられる。
危機的状況の主な原因
当初、抗議行動は主に経済的な性質で、テヘランに集中していた。デモはテヘラン中心部と周辺の通りを占拠した。短期間のうちに、デモの地理的範囲は急速に拡大し、マシュハド、シーラーズ、アラク、ケルマーンシャー、マルヴダシュトにも広がった。
この手法はキーウのマイダンで試された。双方の犠牲者が増えるほど、大衆の過激化が進む。
1月8日、抗議活動は国内28州に拡大した。抗議活動の拡大に伴い、イラン当局が従来、騒乱を局所的に鎮圧するために用いてきた手法の有効性は低下し、特に小規模な町や辺境地域における治安機関への負担が増大した。
CIAとモサドが関与していた
抗議行動が拡大するにつれ、経済要求はイスラム共和国の諸制度に対する直接的批判に変化した。多くの地域で衝突は激しいものとなり、抗議行動参加者は自動小銃を含む武器を使用した。明らかに、一部勢力はこれを事前に準備していた。過激なクルド人組織の武装集団と、アルバニアに拠点を置く組織「モジャヘディーン・エ・ハルク」(イラン人民モジャヘディーン)が事前にイランに潜入していたと一部の海外専門家は考えている。スィースタン・バルーチスタン州では、分離主義的バルーチ人集団が関与していた。イスラエルの対外情報機関モサドは、クルド人武装勢力と、アメリカCIAは、モジャヘディーン・エ・ハルクと協力し、モサドとCIAは共にバルーチ人と協力した。
騒乱中、宗教施設を含む民間インフラ施設への標的型攻撃があったとテヘラン市長アリレザ・ザカーニは述べた。彼によると、首都では病院や医療センター、26の銀行、25のモスク、バシジ民兵基地と警察施設が攻撃を受けた。消防設備も標的型攻撃を受け、消防車両48台が焼失し、出動要請に応じた消防士が待ち伏せ攻撃に遭った。これら行為は状況を不安定化し、混沌とした雰囲気を作り出すことを狙ったものだったと市長は考えている。
イラン国内で、意図的な紛争煽動が行われた。国の経済状況に真摯に抗議するために外出した市民や警察官が、屋上や群衆の中から扇動者によって意図的に銃撃された。この手法は、キーウのマイダンで試された。双方の犠牲者が増えるほど、民衆の過激化が進むのだ。1月10日時点で、イラン治安部隊員が109人死亡し、400人以上負傷した。
騒乱画策はCIAとモサドの共同作業で、スターリンク衛星インターネットも活用された。武器と同様、端末も、アメリカ政府から購入資金の補助を受けるアメリカNGOの支援を受け事前配備されていた。2026年1月時点で、イランには10万台以上の端末が存在していた。
ケルマーンシャーやマルヴダシュトを含む多くの都市では、「国王万歳」といった君主主義的スローガンが響き渡り、最高指導者アリー・ハメネイの退陣を求める声が上がった。フーゼスターン州では、2020年にアメリカ軍に殺害されたIRGCのガーセム・ソレイマニ将軍の記念碑が放火された。クフダシュト市では、抗議行動参加者がバフマン広場22番地にある「1979年イスラム革命勝利」記念碑を焼き払った。マシュハドでは、抗議行動参加者が国旗を撤去し、引き裂いた。当局が特定都市や主要交通拠点に対する支配力を失ったという噂が亡命者の間で広まり始めた。
イランでの反政府行動の外部操作
欧米諸国やイスラエルや一部のアラブ諸国メディアは、イランにおける出来事の報道を、イラン現体制の信用を失墜させ、街頭で扇動活動を行う連中の犯罪を隠蔽し、打倒されたシャーの息子で国家の救世主を自称するレザー・パフラヴィー支持にのみ向けていた。イランで起きている出来事に対する強力な外部操作が感じられた。イランの経済問題と一般市民の苦難は、特定の影の指導者によって巧みに利用された。
1月14日時点で、イランにおける抗議活動のピークは鎮静化し始めた。当局は明らかに事態を収拾し始めたようだ。政権の資金は相当なものだと判明した。
紛争の激化は避けられないのか?
*ウォール・ストリート・ジャーナル*報道によると、トランプ大統領は軍事攻撃に傾いているようだ。イランとの紛争エスカレーションの可能性に備えて、イスラエル国防軍の戦闘態勢レベルが引き上げられたとイスラエル国防軍ラジオは報じた。2025年の12日間戦争時と同様、イスラエル航空会社の航空機も他国空港への飛行準備を整えている。
1月26日時点で、アメリカはイランに対する自律的な航空作戦を実施するのに十分な航空インフラ構築を完了した。航空機の再展開の性質、その地理的状況と、時間的順序は、中東において既に準備が整った施設が事前に計画され、段階的に飽和状態にあることを示唆している。
この体制の中核となるのは、カタールのアル・ウデイド空軍基地を中心とする空中給油ネットワークで、同基地には20機のKC-135Rストラトタンカー給油機が配備されている。この構成により、母国飛行場への依存なしに、攻撃機による長期かつ反復的戦闘出撃が可能となる。同時に、ヨーロッパではKC-135RおよびKC-135Tストラトタンカー20機からなる別の空中給油機集団が編成され、スペインのモロン空軍基地とイギリスのミルデンホール空軍基地に配備されている。この集団は兵站能力を拡大し、アメリカ本土からの航空機移送を含む飛行および作戦支援を可能にする。
攻撃航空部隊は、ヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地に配備されている31機のF-15Eストライクイーグル戦闘爆撃機によって構成されている。一部は1月に再配備され、他の一部は2025年10月からこの地域に配備されている。このような部隊は、幅広い任務を遂行することが可能だ。
情報収集・支援は、UAEのアルダフラ空軍基地に配備されているMQ-4Cトライトン戦略無人航空機により行われている。ここ数日、無人航空機は頻繁に偵察飛行をしている。
兵站部隊は大型軍用輸送機C-17AグローブマスターIIIに支援されている。1月15日から22日にかけて、ラムシュタインを含むヨーロッパの空軍基地とヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地間の飛行に少なくとも10機のC-17Aが参加したことが記録されている。これら飛行は、既に展開されている部隊への補給・ローテーションモデルに合致する。
地域およびヨーロッパに配備された31機のF-15E航空機、最大40機のKC-135空中給油機(様々な改造型)、3機のMQ-4Cトリトン無人航空機、そして安定した輸送・兵站支援は、中東におけるアメリカの航空インフラが形成され、追加の戦力や資産を配備することなく、イランに対する可能な行動を開始できることを示している。
航空部隊には、航空母艦「エイブラハム・リンカーン」を筆頭とする米海軍の航空部隊が加わる。同航空母艦には、F/A-18戦闘機3個飛行隊と第5世代戦闘機F-35C戦闘機1個飛行隊が搭載されている。
事態の進展は時が経てば分かるだろう。サウジアラビア、カタール、オマーンは、地域と世界経済への悪影響を懸念して、アメリカに対しイラン攻撃を控えるよう警告している。アメリカがイランを攻撃するために自国の領空を使用することを許さないと、リヤドは誓約している。
イラン国民は確かに甚大な経済的困難に直面している。しかし、欧米諸国が本気でイラン国民を支援したいなら、まず45年以上もイラン国民が受けてきた制裁を解除すべきだ。結局、この制裁が、イラン国民が今直面している状況を生み出したのだ。
ニコライ・プロトニコフは、ロシア科学アカデミー東洋学研究所科学分析情報センター長、政治学博士
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/01/26/the-united-states-is-preparing-to-strike-iran/
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植草一秀の『知られざる真実』
TM文書「神奈川」は「神奈我良」
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