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2026年1月20日 (火)

グリーンランド問題におけるトランプ大統領に対する予想外の欧州の反応:大西洋横断同盟最後の亀裂?

リカルド・マルティンス
2026年1月19日
New Eastern Outlook

 ドナルド・トランプ大統領の併合脅迫に応じて、グリーンランドに軍隊を派兵して、欧州諸国はワシントンに対し未曾有の一線を画し、大西洋横断関係における自動的服従の時代が終わりに近づいている可能性を示唆している。



 ドナルド・トランプがグリーンランド併合で再び恫喝したことに対し、ヨーロッパは予想外の対応として、デンマーク自治領グリーンランドに部隊を派遣し、軍事演習を行った。ドイツ、フランス、ノルウェー、スウェーデンに加え、フィンランドとエストニアもデンマークに加わり、グリーンランドの安全保障強化にあたった。トランプが国際政治の中心に復帰して以来、ヨーロッパがアメリカ大統領に直接対峙し、明確な制限を課したのはこれが初めてだ。

 失敗に終わった三国間会談

 ヨーロッパの反応は、その意味を理解し始めたのがかなり遅かったことを示唆している。

 この動きは、アメリカ、デンマーク、グリーンランドの当局者による緊迫した三者会談を受けて行われたもので、コペンハーゲンが「根本的な意見の相違」と表現したグリーンランドの地位に関する問題は解決されずに終わった。数時間後、依然グリーンランドを支配する意向で「デンマークにできることは何もない」と大統領執務室で、トランプ大統領は記者団に述べた。

 デンマークのラース・ロッケ・ラスムセン外相は、マルコ・ルビオ国務長官との会談を「率直だった」と評し、自身は「現代のネヴィル・チェンバレンではない」と強調した。歴史的な例えを完成させるには、トランプはヒトラーということになるだろうか? たとえアメリカが噂されている7000億ドルの費用を負担したとしても、グリーンランド人はアメリカへの加盟を決して選ばないとラスムセン外相は付け加えた。「アメリカは人と貿易するもので、人と交換するものではない」とラスムセン外相は後にFOXニュースで述べた。

 外交上の進展は、トランプ大統領がデンマークの軍事力を嘲笑し「二台目の犬ぞり」を軍備に加えたと揶揄したことで、たちまち帳消しになった。この発言に対し、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、異例の直接的非難を表明した。しかし、EU外交官は犬ぞりに関する議論を中断した。「言葉より現場の事実が重要だ」と。そして現地では、欧州軍の要員が現在グリーンランドに到着しつつある。

 ついにトランプ大統領の脅しに反応したヨーロッパ

 この行動は、単なる軍事的側面を遙かに超え、より深い地政学的意味を帯びている。ワシントンが再び武力と領土拡大の論理に基づく威嚇外交を展開しているように見えるこの時期、これは戦略的主権の主張だ。協調的介入によって、欧州諸国は北大西洋における新帝国主義的主張の常態化を受け入れず、たとえその「国」が自治領であったにせよ、自国の領土保全を共同で守る用意があることを示唆している。

 グリーンランドは北極圏というチェス盤の中心的位置を占めている。この地域は、新たな海上航路、豊富な鉱物・エネルギー資源や、これら航路における中国とロシアの存在感の高まりにより、領有権を巡る争いが益々激化している。トランプ大統領の恫喝に対応することで、欧州は単にデンマークを守ろうとしているだけではない。北極圏が一方的冒険の自由地帯ではなく、多国間の規範によって統治される空間であることを再確認しているのだ。この意味で、今回の展開はグリーンランドという島そのものだけでなく、国際秩序のルールにも深く関わっている。

 これは、ヨーロッパの姿勢における前例のない転換を示すものだ。つまり、アメリカの政治的傘への依存度が低下し、自律的な地政学的当事者として行動する必要性をより意識するようになったことだ。軍事的には、この展開は控えめであるが、政治的には重大である。これは、反動的なヨーロッパから、ワシントンに対してさえ、超えてはならない一線を課せるヨーロッパへの移行を示すもので、アメリカの力に自動的に服従する時代が終わりに近づいていることを示唆している。

 依然ドナルド・トランプを恐れているブリュッセル

 しかし、厳密に言えば、これはEU全体の決定ではない。部隊はEUではなく、個々の加盟国により派遣された。ここで楽観的な見方は薄れる。内部分裂に苦しみ、長らくアメリカへの戦略的従属に慣れきったEUは、このような措置を集団的に講じるのは困難だろう。

 言説と現実の乖離はここ数日で更に拡大している。アンドリウス・クビリウス国防委員は、10万人規模のEU軍と、新たな欧州安全保障体制の構想を提唱したが、欧州委員会に却下された。また、EUの相互防衛条項は「確実に」グリーンランドに適用されると示唆したが、フォン・デア・ライエン委員長は、この見解を否定した。

 しかし、雰囲気は暗く「そろそろお酒を飲み始めるのもいい頃かもしれない」とEU外務・安全保障政策上級代表カヤ・カッラスが欧州議会議員に冗談を飛ばしたと報じられている。ラトビアのバイバ・ブラジェ外相はリグ・ドライジンを一本勧め、フィンランドのミカ・アアルトラ欧州議会議員は、極めて強いビール、サンデルスを勧め、冷静さを保つことが重要だと付け加えた。

 ヨーロッパ人はグリーンランドでアメリカ人と戦うのだろうか?

 侵略された場合、ヨーロッパ諸国は実際アメリカと戦うのだろうか? もはや理論的な問題ではない。法的には、デンマークはNATO、EU、あるいは二国間協定などを通じて集団防衛機構を発動する権利を有している。政治的には、アメリカとの直接軍事衝突は依然ほとんど考えられない。

 従ってし、欧州への展開は、戦闘準備というより抑止力として解釈するのが最善だ。グリーンランドは領有権を主張する者がいない領土ではないことと、それを奪取しようとするいかなる試みも、冷戦終結以来ワシントンが経験したことのない評判面と戦略面での代償を伴うことを物理的に警告するものだ。狙いは戦争を仕掛けることではなく、行動の閾値を引き上げることだ。

 だが抑止力は脅威が信頼できる場合のみ機能する。その信頼性は兵力数より、団結と決意にかかっている。EUの枠組みの外であっても、欧州諸国は協調行動をとることで、最小限ながら目に見える防衛線を構築しつつある。これはトランプ大統領の主張を、単なる芝居がかった威勢のいいものから、大西洋横断関係の具体的試金石に変貌させるものだ。

 グリーンランドを巡る欧州の対応は、このように脆弱で部分的かつ実験的なものになっている。しかし同時に、未曾有の事態でもある。これは、挑戦者が伝統的保護者であるにもかかわらず、大陸が、力と境界と抑止力という観点から物事を考えようと試みていることを示している。もしこれが悪い兆候だとすれば、それが悪い兆候だからだ。戦後秩序は、アメリカの力がどれほど圧倒的であろうと、共通の枠組みの中で行使されるという前提の上に築かれてきた。トランプのグリーンランド戦略は、この前提を崩壊させる。欧州の対応は、その意味合いを理解し始めたのが遅きに失したことを示唆している。

 要するに、大西洋横断同盟は既に崩壊していると一部欧州当局者は述べている。少なくとも自動的な信頼性という幻想は崩れたのだから、アメリカとの軍事協力関係を断絶するのはどうだろうか。

リカルド・マルティンスは地政学と国際関係を専門とする社会学博士

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/01/19/europes-unexpected-reply-to-trump-over-greenland-a-last-crack-in-the-transatlantic-alliance/

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