アメリカ帝国はトランプのような人物が必要なのだ

帝国にはオバマのような巧みな雄弁家や擁護者が必要だが、トランプのような鉄拳制裁の露骨な暴君も必要だ。
ケイトリン・ジョンストン
2026年1月6日
ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。
アメリカの権力機構が、トランプの今回の大統領就任に対し、前回よりずっと冷静だったのはなぜだろうと疑問に思っていたなら、今こそ理由が明らかだ。トランプがマドゥロ誘拐、イラン爆撃、パレスチナ問題の最終的解決といった長年の帝国主義的計画を実行すると確信し、その計画を遂行すると権力者連中が彼を信頼していたのだ。
ディープステートと戦っているので支配体制はトランプを嫌っているというMAGA言説は決して真実ではない。アメリカ帝国の権力構造内にはトランプを嫌う派閥もあるが、それは彼がヒラリー・クリントンのような実績ある人物でなく、信用できる帝国管理者として信頼されていなかったからに過ぎない。トランプは一期目任期を通して、長年にわたる沼地の怪物の思惑推進上、信頼できる人物であることを証明し、大統領の座を離れていた間、再選されたら更に多く行うと帝国仲間の管理者連中を確信させるだけ十分な実績を残した。
帝国には、オバマのような巧みな弁論家や擁護者が必要だが、トランプのような鉄拳制裁の露骨な暴君も必要だ。世界的な合意を形成し、アメリカのソフトパワーを拡大するためには、良き警官のような大統領が必要だ。そして良き警官ではできないハードパワーの濫用を働かせるには、悪しき警官のような大統領も必要だ。どちらも帝国という機械の運営には不可欠な要素だ。
Marco Rubio:
— Clash Report (@clashreport) January 3, 2026
If I lived in Havana and I was in the government, I would be concerned — at least a little bit. pic.twitter.com/6ZBmwykfH1
例えばキューバは、何世代にもわたり、アメリカ沖に浮かぶ社会主義の島国であり続けている。アメリカが通常手段でキューバ政権を転覆させられるなかったためだ。CIAによる暗殺作戦、代理戦争、経済封鎖といった常套手段は全て失敗に終わり、軍事的脅威のない小国に地上部隊を派遣して政権転覆を謀ることに国内外の支持は得られていない。だがトランプのような「悪徳警官」大統領には、良質な警官である大統領には考えられないような選択肢が選べる。
アメリカ帝国の経営者連中は、このことについて公然と議論している。
マドゥロ逮捕後「もし私がハバナに暮らして、政府にいたら、少なくとも少しは心配するだろう」とマルコ・ルビオ国務長官は言った。
日曜日「キューバは今にも陥落しそうだ」と喜びに浸るリンジー・グラムの横でトランプ大統領は記者団に語った。「キューバは今にも陥落しそうだ。持ちこたえられるかどうか分からない。だが、今キューバには収入がない。収入の全てをベネズエラ、ベネズエラの石油から得ていた。だが今や何も得られない。キューバは文字通り今にも陥落しそうだ」
This is OUR Hemisphere, and President Trump will not allow our security to be threatened. pic.twitter.com/SXvI868d4Z
— Department of State (@StateDept) January 5, 2026
「キューバの件を待つしかない」とグラムは付け加えた。「キューバは共産主義独裁国家で、司祭や修道女を殺害し、自国民を食い物にしてきた。彼らの日々は残り少ない。いつか我々は目覚める。2026年には、我々の裏庭で、アメリカと商売をする同盟者がこれらの国々にいて、アメリカ国民を殺害する麻薬テロリスト独裁者でなくなっているよう願う」
「ドナルド・トランプは、1950年代以来アメリカが成し遂げられなかったことを成し遂げることになるだろう。フロリダ沖90マイルの共産主義独裁政権に対処できるのだ」とグラムはFOXニュースで述べた。「その日が来るのが待ちきれない。フロリダとアメリカ全土のキューバ人の友人たちよ、祖国解放は間近だ」
トランプがベネズエラに攻撃を仕掛けるずっと前から、ワシントンのワシントンD.C.の人々は、このことを言っていた。10月、リック・スコット上院議員は、マドゥロ大統領が排除されれば「キューバは終わりだ」と「 60 Minutes」で述べ「アメリカは南半球を守り、自由と民主主義を確保する」と強調した。
ベネズエラにおけるトランプの国際法無視の露骨な拉致行為は、アメリカ帝国をいい人の顔にしようと努める大統領にはできなかっただろうが、ワールド・レスリング・エンターテインメントWWEでヒール役を演じるのに抵抗がない、リアリティー番組の裕福なスターが、帝国主義者連中が何十年も避けてきた権力掌握の可能性を開いたのだ。
JUST IN - Lindsey Graham and Trump pose together with a "Make Iran Great Again" hat, signed by Trump. pic.twitter.com/656ctZp52M
— Disclose.tv (@disclosetv) January 5, 2026
トランプがカラカスを攻撃したニュースが報じられた時、イランに対する彼の好戦的姿勢に関する記事を私は執筆中だったが、新たな展開に集中するため中断せざるを得なかった。もしイランで抗議活動をしている人々が殺害されたら「アメリカ合衆国が救援に駆けつける」と大統領はTruth Socialで宣言し「我々は準備万端で、いつでも出動できる」と付け加えていた。
これに先立ち、ベンヤミン・ネタニヤフ首相との共同記者会見で、イランがミサイル計画を再構築しようとすればアメリカは攻撃するとトランプ大統領は報道陣に認め「イランが再びミサイル増強を試みないよう願う。もしそうすれば、我々はその増強を速やかに排除する以外選択肢はない」と言っている。
誤解のないよう、はっきり言っておくが、イランが核施設再建や核兵器の開発を試みた場合に攻撃するなど大統領は言っていない。大統領が言っているのは、イランの通常弾道ミサイル計画についてだ。アメリカは、イランがいかなる方法、形であれ自衛するのは許されず、イランが自衛能力再建を試みれば再び攻撃をすると言っているのだ。
つまり、連中は明らかにイランを爆撃する口実をでっち上げて、何かがうまくいくのを待っているだけだ。
最近、リンゼー・グラム上院議員は、「イランを再び偉大に」と書かれた帽子を手にする大統領と笑顔で写った自身の写真をツイートした。リンゼー・グラム議員の表情を見れば、アメリカ帝国が日々どれほど好戦的かほぼ分かる。そして最近、彼は実に恍惚とした表情をしている。
トランプはかつてグラムのような好戦主義者を厳しく批判し、2016年の大統領選では、彼らの破滅的外交政策と自らを対比させることに重点を置いた。再選を目前に控えた今、彼ら親友たちにアピールする余地はなくなり、「適切な人間を殺し、税金を下げている」から「トランプは私のお気に入り大統領だ」とグラムは主張している。
2029年1月はまだ遠い先のことだが、トランプが今後何年もリンゼー・グラムを笑顔にし続けるだろう兆候はあらゆるところで見受けられる。
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画像はLindsey Grahamより。(パブリックドメイン)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/01/06/the-us-empire-needs-men-like-trump/
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2015年2月27日、当ブログで、下記翻訳記事を公開した。
アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の239年中222年間が戦争Judge Napolitano - Judging Freedom
COL. Douglas Macgregor: Trump Is Sleepwalking Into Another War 28:20今朝の孫崎享氏メルマガ題名
グリーンランド人口約5万7千、(ワシントンポスト)ホワイトハウスがグリーンランドへの軍事介入を浮揚、デンマークとNATO動揺。ミラー副首席補佐官「グリーンランドは米国の一部であるべきが政権発足以来の正式な立場」。デンマークでの米軍をATO管轄から米北方軍に移管東京新聞 朝刊 特報面
米の国際法違反は明確 日本の選ぶ道は
ベネズエラ攻撃 武力行使伴う内政干渉・主権侵害
圧倒的軍事力誇っても西半球にこだわる弱さ
ロシアのウクライナ侵攻 正当化の恐れ
侵略行為は断固批判すべきだ
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