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2026年1月29日 (木)

トランプを交代させる頃合

2026年1月23日
グレッグ・ジョンソン
CounterCurrent.com

 1月18日(日)、ノルウェーのヨナス・ガール・ストーレ首相宛てメッセージで、ドナルド・トランプは一線を越えた。このメッセージは、トランプとストーレ首相両人が公表した。トランプのメッセージは、グリーンランドを巡るトランプの圧力で高まった緊張を緩和しようと、ストーレ首相と、フィンランドのアレクサンダー・ストゥッブ大統領が試みたことに対する返答だった。グリーンランドを武力で奪取するとトランプは脅し、トランプのグリーンランド強奪に反対する(ノルウェーとフィンランドを含む)複数欧州諸国にアメリカ関税を課すと警告した。

 メッセージ全文は下記のとおりだ。  
親愛なるジョナス

 八つの戦争以上を阻止したことに対し、私にノーベル平和賞を与えないと貴国が決定したことを考えると、もはや純粋に平和について考える義務を私は感じない。平和は常に優先されるが、今はアメリカ合衆国にとって何が善で適切かを考えている。

 デンマークはロシアや中国から領土を守れないのに、なぜ彼らに「所有権」があるというのか? 文書は残っておらず、数百年前に船がそこに上陸した記録があるだけだ。だが我々の船もそこに上陸していた。

 我々がグリーンランドを完全かつ全面的に支配しない限り、世界は安全ではない。

 大統領DJT
 トランプのメッセージを共有したあるトランプ支持者の言葉に私の反応は要約される。「トランプは狂気だと民主党が言っているのは正しいと思うようになった」。Xを見てみると、他にも多くの人が同じように感じていることがはっきり分かる。左派が同意したのは特筆すべきことではない。連中は時計が止まっているようなものだから。注目すべきは、右派の人々も同じ結論に至っていたことだ。

 なぜトランプのメッセージは非常識、つまり現実から乖離しているように思えるのか?

 まず、ノルウェー政府がノーベル平和賞を授与していない事実を、トランプは知らされているにもかかわらず、理解できていないようだ。

 第二に、ノルウェーの団体が、トランプ大統領にノーベル平和賞を授与しなかったために、もはや純粋に平和についてトランプ大統領が考える必要はない(しかもデンマークとの関係において)という主張は、自己陶酔的な怒りと暴言のように聞こえる。

 どういうわけか、ノーベル平和賞という賄賂がなくとも、ほとんどの人は隣人を攻撃せずに済んでいる。だがドナルド・トランプは違う。残念ながら悪い意味で違う。きらびやかな装飾品で満足させなければ戦争を仕掛けると脅すギャングのように彼は振る舞っている。

 この種の自己中心主義は、甘やかされて育った子供や、第二の子供時代に入りつつある男性にとっては異常なものではない。だが完全に機能している大人にとっては異常だ。それが狂気の沙汰に見えるのは、完全に機能している大人なら、そのような感情を隠すべきだと分かっているはずだからだ。恥ずかしさも、隠す必要性もトランプは感じていない。これは彼が現実離れしている兆候だ。

 デンマークはロシアや中国からグリーンランドを防衛できないので、グリーンランドはアメリカ領土であるべきだというトランプの主張は偽りだ。

 まず第一に、地球上のほぼ全ての国が、中国やロシアと一対一で対決した場合、自国を守れないのだから、これは余りに大げさな主張で、つまり、アメリカは実質的に地球全体を併合する権利を持っていることになる。

 第二に、デンマークはNATO加盟国なので、ロシアと中国との対立は一対一対立にはならず、グリーンランドをロシアと中国から守ることが可能だ。アメリカはNATO創設加盟国なので、既にグリーンランドを防衛する義務を負っている。従ってグリーンランドの安全やアメリカの安全を確保するためにグリーンランドの所有権を変更する必要はない。

 更に、アメリカとデンマークは、第二次世界大戦中の1941年、初めてグリーンランドに米軍を駐留させる二国間協定を締結した。この関係は、2004年に更新された1951年のグリーンランド防衛協定により更に深まった。冷戦のピーク時には、アメリカはグリーンランドに50以上の軍事施設を維持していた。冷戦終結後、それは一つに削減された。従って、現在の協定下で、アメリカはグリーンランドに50以上軍事基地が建設可能だ。

 既に持っているものを手に入れるため、戦争や経済制裁で脅すのは狂気の沙汰に思える。特に、それがヨーロッパ同盟国によそよそしくして、トランプ支持者の士気を低下させ、敵を勢いづかせることになるためだ。

 デンマークのグリーンランド領有権主張は、バイキングが最初にそこに上陸した事実だけに基づいているため根拠がないという考えは、個人的所有権であれ、集団的所有権であれ、拾った者勝ちという所有権の基本原則の一つを覆すものだ。

 「文書がない」という理由でデンマークの領有権には根拠がないという主張は、トランプの新たな低レベルだ。一体どんな文書を考えているのだろう? ルーン文字で書かれた証書か? ルーン石でトランプを騙せるのか? 豪華な羊皮紙に翻訳を書き、石を金に浸し、トランプの暖炉に飾り、マール・ア・ラーゴに送れば良い。危機は回避された。

 更に、グリーンランドに対するデンマークの領有権をアメリカが認めている実際の文書も存在し、最近では「グリーンランド防衛協定」がある。

 トランプの発言「グリーンランドの完全かつ全面的支配権を掌握しない限り、世界は安全ではない」は脅迫的なまでに曖昧だ。一体誰から安全になるというのか? 今のところ、グリーンランドを巡り暴力を脅かしているのはドナルド・トランプだけだ。

 これに対し、ストーレ外相は、グリーンランドに対するデンマークの主権をノルウェーが支持することを再確認し、ノーベル平和賞選定はノルウェー政府から独立していると指摘し、北極の安全保障の問題は領土修正なしにNATOを通じて対処できると強調した。

 グリーンランド獲得の根拠としてトランプが挙げているものは説得力に欠けるため、当然、これは虚栄心から生まれた計画だという結論に至る。アメリカが、今日の衰退した廃墟のような国ではないんく繁栄していた20世紀初頭の帝国主義者として、トランプは、ロールプレイをしたいのだ。この虚栄心という仮説は、トランプがノーベル平和賞を執拗に追求していることや、率直に言って、彼の人柄について我々が知っている、あらゆる事実によって裏付けられる。

 だが、トランプはアメリカを救うために選出されたのだ。彼の政治的資産は限られており、その機会も益々狭まりつつある。虚栄心を満たす彼の計画のために、国を破滅させる危険を冒すことは許されない。

 ストーレ書簡とグリーンランド強奪問題は、トランプ支持者にとって大きな打撃となり、同時に敵対者にとって大きな贈り物になった。トランプは職務を遂行できず、失敗し、ホワイトハウスに狂気の左翼が返り咲く破滅的な道を開いていると多くの支持者は考えている。もちろん、復讐の見通しに、左翼はよだれを垂らしている。

 トランプの精神不安定や認知機能低下の兆候を少しでも察知すると、すぐさま飛びつく同じ体制によって、国民から、ジョー・バイデンの老衰は隠蔽されてきた。民主党が今年後半に下院の過半数を奪還すれば、ほぼ確実にトランプを再び弾劾するだろう。このような振る舞いをトランプが続ければ、共和党上院議員の何人かは有罪判決に賛成票を投じるだろう。

 このニュースは、トランプ大統領の追従者連中の耳には届かなかったようだ。1月21日水曜日、ダボス会議での演説で、グリーンランド奪取を撤回し、アメリカは同領土を武力で奪取するつもりはないとトランプ大統領は強調した。その後、トランプ大統領と、マルク・ルッテNATO事務総長は、面子を保つため曖昧な発言を繰り返した。トランプ大統領は勝利を宣言し、彼の追随者連中や愚かな支持者連中も、それに追随しているものの、デンマークとアメリカの関係は以前の状態に戻っただけのようだ。

 だが、その過程で我々は多くのものを失った。
  1. アメリカはヨーロッパ同盟諸国の信頼と尊敬を失った。
  2. トランプとアメリカは世界中で笑いものになっている。
  3. トランプはヨーロッパの民族主義者を弱め、ヨーロッパのグローバリストを強化した。
 痛みを和らげるには休暇が必要になりそうだ。

 昨年末、今年中にトランプは退任すると私は予測した。トランプには途方もない実に不可能とも言える任務が託されている。最良シナリオでも、アメリカを四年で立て直すのは不可能だ。特に民主党が政権に復帰した場合はなおさらだ。だからこそ我々は常にトランプ以上の存在を必要としていたのだ。トランプのような大統領が次々誕生するのを期待しているのだ。

 トランプが失態を続ければ、J・D・ヴァンスをはじめとする共和党候補の勝利は事実上不可能となり、トランプ自身と彼の関係者全員にとって短期的影響を含め、壊滅的結果をもたらすことになるだろう。そういう状況に陥る前に、トランプは退陣を促され、ヴァンスに事態を収拾する機会を与え、2028年の大統領選で現職の優位性を享受できるようになるだろう。

 グリーンランド・グラブのおかげで、その日は、これまで以上に近づいている。

記事原文のurl:https://counter-currents.com/2026/01/time-to-replace-trump/

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 植草一秀の『知られざる真実』
今回総選挙の最優先課題

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