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2025年11月 2日 (日)

あなたは主流言説を信じる? もちろん信じる、あなたは12歳だから



マドゥロはフェンタニルでアメリカ人を毒殺しようとしている邪悪な独裁者だから、トランプがマドゥロを排除しようとしていると思ってる? あったり前だ、あなたは12歳だから。

ケイトリン・ジョンストン
2025年10月28日

 物語マトリックスの端からのメモ

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。



 「今や全員12歳」理論の究極表現は、欧米の専門家や政治家が推進する主流世界観であり、それは単に彼らが邪悪なために邪悪なことをする邪悪な悪人で世界は満ちており、これら悪人にアメリカが主導する世界秩序の高潔な善人が対抗しているというものだ。

 ハマスがイスラエル人を殺したのは、彼らがユダヤ人を憎む怪物集団だからだと思っているだろうか? 当然だ、あなたは12歳だから。

 マドゥロはフェンタニルでアメリカ人を毒殺しようとする邪悪な独裁者だからトランプがマドゥロを排除しようとしていると思っているのだろうか? あったり前だ、あなたは12歳だ。

 プーチンがウクライナに侵攻したのは、自由と民主主義を憎み、世界を征服したいからだと思ってるだろうか? 12歳の友よ、心優しい君を祝福する。

 アメリカとイスラエルが、テロと戦い、暴政を止め、世界を核兵器から守るために、イラン、レバノン、シリア、イエメン、パレスチナの敵を攻撃し、排除してきたと思っているだろうか? ああ確かにそうだ。あなたは12歳だ。

 欧米の主流世界観は子供向けアニメのようなもので、悪人は悪人であるがゆえに悪いことをし、善人はそれを阻止しようと勇敢に奮闘する。まるでThe Rock主演のPG-13指定の夏の大ヒット映画のような安っぽい話だが、これは主流言論の場では、この見解を共有する真面目な評論家や専門家連中が真剣な表情で合意する世界観であり、その一部でも疑問視する人は:過激派か常軌を逸する変人として片付けられる。

 だって、みんな12歳なんだから。



 上記をTwitterでつぶやいたら、ある男性から返信が来た。「デンマーク、オランダ、イギリス、アメリカ、イスラエルといった西洋諸国は、あなたが挙げた第三世界の国々より客観的に見て、より素晴らしく、より幸せな場所だ。歩き回って人や物を見ればわかる。つまり、彼らが間違ってやっていることを、我々は正しくやっている。」

 これが一種の必勝論法だと考える人がいるのに、私はいつも驚かされる。確かに、爆撃され制裁を受け搾取され略奪される国にいるよりも、爆撃や制裁や搾取や窃盗をしている国にいる方が、ましだ。強盗する方が強盗されるよりもましだ。釘よりハンマーの方が、いつも気持ちが良いものだ。

 これは明らかに馬鹿げた議論だが良く見かける。欧米帝国の虐待について話すと、常に帝国支持者が「はっは、でもあそこで暮らすより、こっちで暮らす方が楽だと考えたことある?」と言う。もちろんある、クソ野郎。虐待する方が虐待されるより楽に決まっている。






 イスラエルが支配するガザ地区とハマスが支配するガザ地区を仕切る「イエローライン」に近づきすぎた子どもを射殺するようイタマール・ベン=グヴィル国家安全保障大臣が提唱したと報じられている。しばらくすると、たとえ信仰心がなくとも、なぜこれほど多くの人がイスラエル政権を「悪魔的」「サタン的」と呼ぶのか理解できるようになる。ある時点で、十分きつい形容詞が尽きてしまうのだ。

 彼が(A)イスラエルの国家安全保障相で(B)常に望む結果を手にしている事実にもかかわらず、欧米諸国の政治・メディア界がベン=グヴィルを「無視すべき偏屈な変わり者」と見なしているのは実に奇妙だ。



 ゾーラン・マムダニは私の政治的関心の範疇外で、ニューヨーク市民が誰を市長に選ぶか私の知ったことではないが、彼の選挙運動に対するインターネット上でのイスラム嫌い非難は、まさに衝撃的だ。誰であれ主流派の政治やメディアを目指す人なら、シオニスト連中がマムダニとその信仰について公然と語っているような形で、ユダヤ人政治家の宗教について語るなど到底許されるはずなどない。

 私が見るところ、マムダニはごく普通の人物で、並外れた選挙活動の才能を持つ、ごく普通の進歩的民主党員だ。ところが、彼はシャリア法を施行し、同性愛者をクライスラービルから突き落とすつもりだと変人連中が主張している。これは9.11以来、私が目にしていない、常識ある人なら誰でも誤った思考が悲惨な判断につながったと認める反イスラム教集団ヒステリーだ。

 一部は、アメリカに根付いた人種差別や、ビル・クリントンより左派の人間を飛行中のヘリコプターから突き落とす反射的な右翼衝動から生じているが、大部分はマムダニと全く無関係だ。以前にも議論した通り、シオニストは、あらゆる機会を捉えてイスラム教徒憎悪を煽ってきた。イスラエルを好きにさせるより、ずっと簡単だからだ。

 念のため言っておくが、これは私の憶測ではない。先月、Dropsite Newsが大量虐殺によるPR危機対応をイスラエル政府がアメリカの世論調査会社に発注していたことを示す漏洩文書に基づく記事を報じた。最も効果的な戦略は「過激イスラム」と「ジハード主義」への恐怖を煽ることだと調査報告書は結論づけている。

 つまり、この狙いは既にシオニストの意識に浸透している。アメリカで最も知名度の高い市長にイスラム教徒が選出されたことは、イスラエル支持者にとって、アメリカ国内のイスラム教徒に対するパニックを煽る絶好の機会だ。イスラエルは常にイスラム教徒を殺害しているため、こうした感情からイスラエルが恩恵を受けられると彼らは考えているのだ。イスラエルは本質的に支援に値する良い国だと主張する余地がないため、イスラム教徒に爆弾を投下する方が良いという信念を彼らは広めようとしているのだ。

 西洋の政治は益々病んでおり、先頭に立っているのはアメリカ政治だ。人々は益々愚かになり、狂気じみ、憎しみに染まり、欧米諸国の権力同盟を支配する富裕で権力があるオリガルヒや帝国運営者連中こそ、全ての人々の問題を引き起こしている真の少数派なのを人々は理解できなくなっている。一般市民を、互いに憎み合わせ、争わせている限り、一般市民が本物の抑圧者を憎んで戦うことはない。

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 画像はAdobe Stockより。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/10/28/you-believe-the-mainstream-narrative-of-course-you-do-youre-twelve/

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