グランド・ホテル・ウクライナ
ロレンツォ・マリア・パチーニ2025年11月26日
Strategic Culture Foundation
考えてみると、トランプ大統領の和平計画が不動産投資契約のようなものなのに気づいている人はほとんどいない。
❗️Telegram
お問い合わせ:info@strategic-culture.su
この平和に、一体どれだけ価値があるのか?
28項目和平案について我々全員熱心に語っているが、見ようによっては、それが不動産投資契約のようなものなのに気づいている人はほとんどいない。
偉大なアメリカ起業家で「新世界」価値観を体現する立志伝中の人物で、エプスタインの友人でもあるドナルド・トランプが、ある計画を立案した。それは公式には「ガザを五つ星リゾートに変える」プロジェクトと称されるガザ復興計画に酷似している。だが、トランプは本物の実業家で、望むものを手に入れるためには何をするべきか、どれほど負担がかかろうと目標を実現する方法を心得ているのを認めなければならない。そして、まさにその負担こそが、我々が注目したいものだ。
この平和に、一体どれだけ価値があるのか?
正確な推定は難しいが、既に予測を始めているところもある。例えば、SMO三周年に際し、ウクライナ政府、欧州委員会、国連が共同で作成したRDNA4(第4次被害・ニーズ評価)と呼ばれる文書によると、ウクライナ復興にかかる総費用は10年間で約5,240億ドル、つまり2024年のウクライナ推定名目GDPの約2.8倍に達すると推定していると世界銀行グループが報道発表で報じた。
2022年2月24日から2024年12月31日までの被害を分析したRDNA4では、直接的被害額が1,760億ドル(1,700億ユーロ)に達し、2024年2月のRDNA3で推定された1,520億ドルから増加したことが強調されている。最も被害が大きい分野は、住宅建設、運輸、エネルギー、商業、工業、教育だ。住宅ストック全体の13%が損壊または破壊され、250万世帯以上が影響を受けている。エネルギー分野では、生産施設、送配電網、地域暖房システムなど、インフラの損傷または破壊が、前回評価と比較して70%増加した。最前線に近い地域は、総被害の約72%を被った。
国際的寄贈者の支援を受け、2025年までに住宅、教育、保健、社会保障、エネルギー、交通、水道、地雷除去、市民保護といった優先分野にウクライナ政府は73億7000万ドル割り当てた。だが同年、復興・復旧需要に対し99億6000万ドルの資金不足が残った。こうした状況で民間部門の関与がウクライナ復興成功の決定的要因だったことが確認された。
我々が話しているのは、一体どの個人投資家のことなのか?
ウクライナになされた破壊の規模が桁外れなことを欧州委員会は強調し、民間投資動員とウクライナの欧州単一市場への段階的統合を通じて復興を支援し、双方に新たな経済機会を創出するEU公約を改めて表明した。復興需要が最も大きいのは住宅部門で、約840億ドルが必要とされており、次いで運輸(約780億ドル)、エネルギー・採掘資源(680億ドル)、貿易・工業(640億ドル以上)、農業(550億ドル以上)となっている。瓦礫の処理・撤去だけでも130億ドル近くの費用がかかる。また、この評価には、国、国際パートナー、民間部門の貢献により既に満たされている130億ドル以上の需要は含まれていない。例えば、2024年には少なくとも12億ドルが住宅部門復旧に割り当てられ、2,000キロを超える国道が緊急補修の恩恵を受けた。また、復興投資を優先することが、ウクライナのEU加盟への道筋と長期的回復力強化の中核になるとRDNA4は強調している。これら介入は戦争で破壊されたものを修復するだけでなく、革新的解決策と欧州基準に適合した改革を通じて国の近代化を図り、長期的に、より堅固で持続可能な発展を促進することを目指している。
つまり、この大規模プロジェクトから利益を得たい投資家は欧州連合(EU)自身だ。5,240億ドル(2025年末には更に多くなると予想される)投資を想像願いたい。どれほど大きな事業機会か。EUがどれほどそれを必要としているか想像してみてほしい。すでにウクライナ支援に約1850億ユーロを費やし、ロシアとの戦争遂行のために800億ユーロ+150億ユーロを求めているのだから。数学が意見の問題でないなら…EUはウクライナの主要投資家になる必要がある。そうすることで初めて資源を回収し、自らの官僚的・政治的・金融的機構の存続を確保し、ウクライナが存続する限り債務に縛り付けられるからだ。
従って、この平和には価値がある。極めて貴重だ。だが、ドナルド・トランプが提案すると、EUは同意できないのだ。
東部戦線の巨大リゾート
さてトランプについてお話ししよう。28項目からなる計画で、凍結されたロシア資産1000億ドルを復興に充てることを彼は提案した。これは実に巧妙な動きだ。実質的に、ロシア資金で新興企業に資金提供するようなものだ。モスクワに対する壮大な侮辱だ。既にアメリカ政府が公式に1850億ドルを戦争に費やしていることを考えれば、必要投資額は実質的に支出の50%に相当する。失われた資金の一部を回収し、それを有利に活用する優れた戦略と言えるだろう。
さて、ウクライナがどんな姿になるのか想像してみよう。巨大な五つ星リゾート地となり、その中心に「グランド・ホテル・ウクライナ」がそびえる。ここで少し皮肉を込めて、スターリンの七姉妹の一つ、モスクワの有名な「ホテル・ウクライナ」(後にラディソン・ホテルになった)を想起しよう。それはアメリカ覇権が極東ヨーロッパにまで及ぶことを象徴する。このイメージは単なる美学を超える深い意味を持つのだ。
そうすることで、アメリカはいくつか成果を実現するはずだ。第一に、アメリカは政治的には距離を置いているものの、影響力と覇権という点で、ヨーロッパに新たな拠点を築くことになるのだ。もしワシントンが既にキーウとモスクワを分離するのに成功していれば、国境から僅か数キロの場所に、アメリカが支配する植民地を確保することになるのだ。冷戦という観点から見れば、またしてもアメリカの勝利と言えよう。
既に述べた通り、アメリカは、ヨーロッパに新たな政治・軍事司令部を置くことになる。だが、どのヨーロッパか? 現在のモデルは既に植民地化しているが、トランプの好みに、イギリスとフランスの影響力は強すぎる。アメリカは、ヨーロッパ自体の権力から「解放した」ヨーロッパを、堕落した帝国属州に変貌させ、最後の住民まで搾取したいのだ。これはカルマ(応報)の法則だ。ヨーロッパは「新大陸」を植民地化するため、アメリカを創設した。そして今や、その「新大陸」が「旧大陸」に敵対しているのだ。
ロンドンと属国諸国を崩壊させるには時間と多数の標的攻撃が必要なことをトランプは認識している。ウクライナとの交渉から欧州を除外すれば、欧州諸国政府の信頼性と安定に深刻な打撃を与える。西欧諸国に対する広範な支配を維持するためのイギリスの主要プロジェクトたるNATO自体も、イギリス指導部がもはや軍事機構を支配できないため力を失いつつある。
肝心なのは、ヨーロッパは、アメリカと共に、ではなく、ロシアと共に生きるべきなのだ。ユーラシアは単なる意見ではなく、広大な地政学的空間で、異なる地政学的で連続的文明モデルの拡大と統合に不可欠な空間だ。大西洋対岸依存は嘘の領域に過ぎない。
そして周辺地域ウクライナは、再びどちら側につくかの決断を迫られている。ロシアに復帰しユーラシアへの統合を受け入れるのか、それとも欧米諸国の勢力圏に留まり、誰か先見の明がある起業家の新たな遊び場に変貌するのを待つのかだ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/11/26/grand-hotel-ukrain
----------
The Chris Hedges Report
How Palestinian History Is Systemically Forgotten (w/ Micaela Sahhar) | The Chris Hedges Report 40:26Micaela Sahhar reframes monumental events in Palestinian history through an intimate lens of her own family’s displacement during the 20th century.
Chris Hedges
Nov 29, 2025
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
AIに問う「現在右派過激発言がSNSで勢い。彼らの好ましくないXがあるとその反応Xで何十万にも。これは何十万の人が反応しているというより、特定の人が複数のアカウントを持ち発信の可能性がないか。見解を問う」、答え:ボット(自動プログラム)や複数アカウント操作の可能性高い。
« 日中関係を急激に悪化させた高市首相の台湾発言 | トップページ | ウクライナ戦争の継続を切望する欧州指導者連中 »
「アメリカ」カテゴリの記事
- アメリカ政府を操作しているのを公然と認めるシオニスト億万長者たち(2026.01.19)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- グリーンランドを巡ってアメリカとヨーロッパは戦争するのか?(2026.01.19)
「NATO」カテゴリの記事
- グリーンランドを巡ってアメリカとヨーロッパは戦争するのか?(2026.01.19)
「ロシア」カテゴリの記事
- 想像以上に酷いトランプ外交政策の狂気(2026.01.06)
「ウクライナ」カテゴリの記事
- クリスマスに、裕福な「難民」が貧しいヨーロッパからウクライナに集まる理由(2026.01.07)
- 今やナチスに同行し「陥落した」ポクロフスクから偽ニュースを流布するBBC(2026.01.03)
« 日中関係を急激に悪化させた高市首相の台湾発言 | トップページ | ウクライナ戦争の継続を切望する欧州指導者連中 »



コメント