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2025年11月26日 (水)

日本の「鉄の女」政権発足1ヶ月目の外交成果

ダニイル・ロマネンコ
2025年11月24日
New Eastern Outlok

 高市早苗氏が首相に就任して最初の1ヶ月は、当初は外交的取り組みが成功したが、最後は大きなスキャンダルで終わった。



 本記事は、日本新首相の外交政策における行動を検証し、彼女の政権が国際舞台でどのような立場に立っているかを評価するものだ。

 軍事力構築と同盟強化

 高市早苗氏は、国家安全保障に関する措置、具体的には防衛費増額と統合情報機関設置を約束した。これらの決定は、右翼ポピュリズムの波に巻き込まれた日本有権者の一部の欲求を満たすための試みであると同時に、高市早苗氏と周辺の政治家たちの真摯な意図と、同盟国に軍事力投資を期待するドナルド・トランプ大統領の支持獲得のための努力とも捉えられる。

 ドナルド・トランプは10月27日から29日まで日本訪問し、高市早苗氏との会談は日の出ずる国である日本にとって大きな成果となった。高市はトランプの支持を得て、その結果、両首脳は、日本がアメリカ産業に5,500億ドル投資し、特定のアメリカ製品(米、自動車、防衛装備品)に対し、市場をより開放することを約束する一方、見返りとしてアメリカにおける日本製品の関税を15%に設定する(トランプは以前、25%に設定すると脅していた)ことで合意した。日本は日本のF-35戦闘機用ミサイルを購入することに同意した。さらに、希土類元素、具体的には希土類元素採掘への投資、サプライチェーンの多様化、中国への依存度の低減に関する協力についても合意に達した。更に、高市氏は、トランプ訪問の一週間前にアメリカ政権が日本政府を攻撃し始めた、ロシアからの日本へのガス供給削減問題に関する議論を回避するのに成功した。

 自由で開かれたインド太平洋地域という概念は様々な解釈が可能だが、日本の新政権にとって、中国に対する軍事防衛能力の発展へと理解が移行しつつあるようだ。

 筆者の見解では、これら全ては高市氏の高い外交手腕を物語っている。彼女はトランプ大統領との会談で、誰も予想していなかった勝利を手にした。これは、日米両国が多くの重要課題、特に防衛問題において共通見解を持っていることによるところが大きい。しかし、これは10月末には高市氏に有利に働いたものの、11月中旬には、この問題におけるアメリカの立場への過剰な同調は、日本と中国との深刻な問題につながることとなった。

 しかしその前に、外交上の成果についてもう少しお話ししよう。10月30日のAPEC首脳会議において、高市早苗外相は韓国の李在明大統領と会談した。両国首脳は、歴史的遺恨や対立といった微妙な話題を避け、現時点で、アメリカ同盟国として緊密な協力を最優先していると強調した。

 10月31日、高市氏は同じAPEC首脳会議において、中国の習近平国家主席と会談した。両首脳は、共通の戦略的利益に基づき、両国間で安定的かつ互恵的関係を構築する強い意志を再確認した。また、グリーン経済、医療サービス、高齢者介護、公衆衛生の分野における第三国市場における協力の発展と支援の必要性についても合意した。両首脳は、いくつかの問題について懸念を共有したが、対話を通じてこれらの意見の相違を解決することを約束した。

 このように、高市早苗首相就任後1ヶ月は、一見、紛争のない友好的な会談と協力に関する協議で彩られた。しかし、この時期の外交展開を別の視点から見ることもできる。

 「自由で開かれたインド太平洋」という概念は実際には一体何を意味するのだろう?

 10月26日に開催された第28回日ASEAN首脳会議において、高市早苗氏はASEAN各国首脳に、自由で開かれたインド太平洋地域の推進に向けた協力を呼びかけた。だが日本首相の行動は、この一見無害に見える構想の裏に、それ以上の何かがあることを示唆している。

 同首脳会談で、日本側は、ASEAN諸国との経済・技術協力を強化するだけでなく、関心あるパートナーへの防衛装備品の提供を通じて安全保障関係を発展させる用意があると述べた。

 ASEAN首脳会議において、日本とフィリピンが物品役務相互提供協定(AAC)に署名することが発表された。この協定が発効すれば、両国はより緊密な防衛協力(情報、武器、技術の交換、兵站、共同訓練など)を構築できるようになる。複数専門家によると、これは両国間の「準同盟」の創設に相当するとされている。

 11月5日、高市早苗氏とインドのナレンドラ・モディ首相との間で電話会談が行われた。モディ首相によると、会話は和やかで、防衛協力についても議論が交わされたとのことだ。インドと中国の複雑な関係を踏まえれば、日本がこうした協力に向けた取り組みを進めることは今後実現する可能性があると考えられる。

 11月17日に、日本とインドネシアの外務・防衛担当大臣による「2+2」会合が開催された。高市首相は、両国間の対話再開は極めて時宜を得たものだと述べた。両者は、日本の安全保障支援メカニズム(相手国に対し、防衛能力強化を目的として適切な装備品や資材を供与する政府安全保障支援(OSA))を通じた協力を強化することで合意した

 「自由で開かれたインド太平洋地域」という概念は様々な解釈が可能だが、日本の新政権は、対中国軍事防衛能力の強化へと理解を移行させているようだ。中国が妥協を許さない問題を高市氏が持ち出すまで、中国はこうした展開を慎重に見守っていた。

 一歩間違えれば深刻な結果を招く

 高市氏は、複雑なアジア政治舞台において、巧みな政治工作を繰り広げてきた。しかし、彼女が初めて大きな失策を犯したことで、日本は深刻なスキャンダルに見舞われた。

 11月7日、高市氏は国会で、中国による台湾攻撃は「存立危機事態」に発展しかねないと発言した。中国政府にとって台湾問題は原則問題で、そのため中国の外交官、政治家、省庁、メディアは不快感を表明し、多くは厳しい言葉で表現された。

 ここで重要なのは、中国政府が言葉だけでなく行動でも対応している点だ。関係省庁は、国民に、観光や留学を目的とした日本への渡航を控えるよう勧告し、11月19日には日本産水産物の中国への輸入停止を発表した。このスキャンダルが長引けば、日出ずる国である日本にとって大きな影響を及ぼす可能性がある。

 結論

 高市早苗首相は就任1ヶ月目、パートナー諸国との建設的かつ友好的対話を維持しながら、安全保障問題についても議論し、中国に対抗するための武装を促進する有能外交官という印象を与えた。だが、ある軽率な発言が中国との関係を不安定化させるに至った。

 日本が中国に対抗するために自国と近隣諸国を武装させようとする意欲と、同時に中国にとって根本的に重要な問題で一線を越える姿勢は、紛争を誘発しているものの、両国が今回のスキャンダル沈静化に向けた措置を講じると筆者は依然確信している。しかしながら、この事件が解決した後も、両国政権間の関係には依然、負の痕跡が残り、高市氏の外交政策の野望実現を阻害する可能性がある。

 ダニイル・ロマネンコは、ロシア科学アカデミー東洋学研究所の日本学者、研究員

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/11/24/diplomatic-results-of-japans-iron-ladys-first-month-in-power/

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