地球上で最も貧しい国を爆撃するトランプ大統領。いつも通りのアメリカの対応

フィニアン・カニンガム
2025年11月14日
Strategic Culture Foundation
好戦的トランプはアメリカ資本主義の常態を更に犯罪的で制御不能なものに仕立て上げている。
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アフリカ大陸最東端にあり、世界で最も貧しい国の一つ、ソマリアに対してトランプ政権が行っている電撃戦は、欧米メディアではほとんど報道されない。
ドナルド・トランプは2025年1月に大統領に就任し、自らを平和推進者と宣言し、アメリカの海外におけるあらゆる戦争を終わらせると宣言した。今年初めにイランへの大規模空爆を命じ、中南米沿岸での民間船数十隻の爆破を含むベネズエラへの継続的侵略を開始したにもかかわらず、ノーベル平和賞に値するとさえ彼は考えている。
しかし、トランプ大統領の平和的姿勢における最大の異例は、ソマリアへの米軍空爆だろう。antiwar.comの報道によると、先週でソマリア空爆は今年90回目となる。ソマリアにおけるトランプ大統領の秘密戦争は、主流メディアでは報じられない。長年にわたり、アメリカの違法な侵略を欧米メディアが隠蔽してきた恥ずべき役割を考えれば、これは驚くべきことではない。国防総省も死傷者に関するデータを一切提供していない。
この軍事介入の規模を概観すると、トランプ政権第二期目の10ヶ月にソマリアで行われた90回の爆撃は、バイデン政権下では四年で51回、オバマ政権下で八年で48回という、まさに現実のものとなった。(もちろん、別の疑問として、そもそも、アメリカ大統領に、この貧しいアフリカの国を爆撃する権利が一体どこにあるのだ?)
これほど集中的に爆撃された国は他にはイエメンしかない。アラビア半島の国で、ソマリアの北、アデン湾を挟んで位置するイエメンだ。airwars.org調査によると、トランプ大統領の二期目大統領在任中の二ヶ月間で、米軍空爆により殺害されたイエメン人は200人を超え、過去20年の米軍空爆の記録にほぼ匹敵する数となった。トランプ大統領によるイエメン爆撃は、2025年6月に停戦宣言された後、停止された。(これとは別に、2015年にアメリカが支援したサウジアラビアによるイエメン戦争で数万人死亡した。)
ソマリアとイエメンは、それぞれ人口1,900万人と4,200万人で、地球上最も貧しい10カ国にランクされている。
両国の戦略的な立地こそ、軍事力展開にアメリカがこれほど熱心な理由を物語っている。両国とも開発途上国の一つだが、未開発の石油・ガス埋蔵量も豊富だ。
ソマリアとイエメンは、世界で最も交通量が多い貨物輸送の難所の一つ、アデン湾と紅海の航路にまたがっている。この地の戦略的重要性は、イエメンがガザ地区支援のためにイスラエル行きコンテナ船航行を阻止するのに成功したことからも明らかだ。6月に、イエメンへのアメリカ空爆停止をトランプ大統領が要求したのも、まさにこのためだ。
ソマリアの北東端は、アフリカの角の最高地点だ。プントランドとして知られるこの地域は、ソマリア国内の半自治区で、連邦政府はモガディシュの更に南に位置している。ソマリアはアフリカ大陸で最も長い海岸線を有しており、プントランドはアデン湾と紅海を見下ろす絶好の位置にある。
モガディシュ政府とプントランドの行政機関に対し、イスラム過激派との戦いを名目にアメリカは軍事航空支援を行っている。トランプ大統領が命じた爆撃は、アルカイダ系過激派を標的とするものだとされている。
ソマリアとイエメンは、大陸の裂け目によりアフリカの角とアラビア半島が分断される1800万年前までは同じ地質学的構造の一部と考えられており、両国は陸続きだった。両国は陸上と海上両方で豊富な石油とガスの同じ鉱床を共有していると考えられている。
2012年以来、プントランド地方当局はアメリカ石油会社レンジ・リソーシズに掘削権を認めている。ソマリアに権益を持つ他のアメリカ石油会社にはコノコとシェブロンがある。特にヌガール渓谷とダルール渓谷の二地域は商業的に有望な可能性を秘めている。しかし、プントランド西に位置する旧イギリス植民地で、未承認の分離独立国ソマリランドは、ヌガール渓谷の歴史的所有権を主張し、占領すべく派兵した。この領土紛争は、アメリカの石油・ガス探査を危うくし、少なくとも複雑な状況を生み出している。
エネルギー採掘権益は、ソマリアへの米軍派遣理由の一つだ。イスラム過激派との戦闘という公式理由が、その口実だ。ワシントンとジハード主義者の関係は、気まぐれで身勝手なことで悪名高い。いわゆる「対テロ戦争」は、天然資源の支配や軍事力の投射といった隠れた目的のためにアメリカが諸外国に介入する便利な策略として使われてきた。今週、シリア・アルカイダ元指導者アハメド・アル・シャラーがトランプ大統領の接待で、ホワイトハウスに招かれた。2001年に9.11テロで3,000人のアメリカ人殺害を実行したとされるこの組織が、今やホワイトハウスで顕彰されているのだ。
ソマリアのアルカイダ系過激派は好都合な敵で、ワシントンにとって同国爆撃の公然たる根拠になっている。本当の狙いは、アフリカの角におけるアメリカ拠点を強化し、天然資源を搾取することだ。また、この拠点は、将来、有望な石油・ガス資源を狙ってイエメンを征服する目標に向けて、アメリカが攻撃力を増強する選択肢となる。
最終的に紅海とアデン湾の両岸を制圧すれば、アメリカは重要航路を掌握し、地政学的なライバル、中国とロシアに対し大いに優位に立てるし、両国のサプライチェーンを断つことも可能になる。
就任時にトランプ大統領が行った平和宣言と「アメリカ第一主義」確立に注力し、海外での戦争を終わらせるという公約は、身勝手なまやかし、あるいは彼自身の言葉を借りれば「取引の芸術」に見える。第47代アメリカ大統領は爆撃と戦争という帝国主義的政策を意欲的に続けている。だが、トランプ大統領の好戦的手口は、単なるアメリカ資本主義の常套手段ではない。それは一層犯罪的で制御不能になりつつある。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/11/14/us-business-as-usual-as-trump-bombs-poorest-country-on-earth/
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