ベネズエラで致命的終局を迎えつつあるワシントン

ロバート・ブリッジ
2025年10月18日
Strategic Culture Foundation
トランプの計画は、あきらかに犯罪的だ。ベネズエラの石油資源奪取を最終目的として、政権転覆を正当化する全く厚かましい企みに他ならない。
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この南米の国におけるトランプ政権の最終目標が麻薬取引の撲滅だと考えている人々は、思いがけない現実に直面することになる。
今週、ホワイトハウスが秘密裏のCIA破壊活動遂行を許可したとの報道がなされた。これは、トランプ政権によるカラカスへの圧力強化策の新たな一手だ。麻薬密輸業者を標的にすると米軍は公言し、カリブ海での海軍の存在を強化している。
本当に驚く人がいるのだろうか?
2025年8月下旬、ベネズエラ沖に、4,500人の水兵と、ミサイル駆逐艦、巡洋艦、強襲揚陸艦、原子力潜水艦を含む複数海軍艦艇をアメリカは展開した。麻薬カルテルを壊滅させるのに必要な兵力を遙かに上回る規模だ。実際、この作戦は、麻薬対策任務強化の一環だと当局は位置付けている。だが、この戦力増強は、ニコラス・マドゥロ大統領を権力の座から引きずり下ろす政権転覆作戦の一環、血に飢えた「砲艦外交」としか捉えられない。
今週、秘密裏の行動を承認したことをドナルド・トランプ大統領は認め、アメリカはベネズエラ攻撃を検討していると述べた。
「我々は海を非常にうまく支配しているので、今、陸地を検討している」と大統領は記者団に語った。
7月、アメリカ財務省は、ベネズエラの犯罪・テロ組織「El Cártel de los Soles」を特別指定国際テロ組織(SDI)に指定した。マドゥロが同カルテル内で主導的役割を果たしていることを理由にしている。この指定で、2013年にベネズエラ国民に民主的に選出されたマドゥロを排除する権限が得られるとアメリカ財務省は傲慢にも信じている。
トランプの計画は、あきらかに犯罪的だ。ベネズエラの石油資源奪取を最終目的とした政権転覆を正当化するための極めて厚かましい企みで、国連憲章の重大違反だ。
10月10日の国連安全保障理事会会合で、アメリカは麻薬撲滅作戦を装って、ベネズエラでクーデターを企てているとロシアのワシリー・ネベンジア国連大使が非難した。
「独立政権の転覆を唯一の狙いとして、気に食わない独立国家の政府に政治的、軍事的、心理的圧力をかけるアメリカの大胆な作戦を我々は目撃している」とネベンジアは述べ、クーデター計画は「カラー革命やハイブリッド戦争という古典的手段を用いて」「人為的に紛争の雰囲気を煽り」実行されていると指摘した。
ベネズエラ沖で軍備増強が進む中、ベネズエラ野党指導者マリア・コリーナ・マチャドがノーベル平和賞を受賞したのは、さほど驚くべきことではない。
「イェール大学で教育を受けた彼女は、経歴初期に全米民主主義基金(NED)から多額の資金提供を得ていた。NEDは、西側諸国が共謀や、ソーシャル・エンジニアリングや、カラー革命や政権転覆を図る最も重要な手段の一つだ」と政治評論家ラファエル・マチャドが本誌に書いている。「もう一つマリア・コリーナと関係があるのはダボス会議だ。同会議は彼女を『ベネズエラの未来』と読んで、まさに最も壊滅的なネオリベと、実に戯画的な「ウォーク(目覚め)」を融合させる彼女の能力を称賛している…」
今や明らかだが、ノルウェーのこの賞は、平和を実現する人物への褒賞ではなく、帝国主義に好意を抱く連中を認めて、戦争を正当化する残忍な手段として機能している。
2002年、マチャドは自身のNGO「Sumate」(いわゆる「選挙監視団体」)を設立し、以前CIAが実行していた政治活動を実行するために設立された機関、全米民主主義基金(NED)の資金援助を受けて、アメリカが支援する暴力的不安定化活動を組織した。
一方、ワシントンによる非難は激しさを増している。2024年の大統領選挙でマドゥロ政権が不正選挙を行ったとされる疑惑を理由に、マドゥロ大統領は正当な大統領ではないとマルコ・ルビオ国務長官は宣言し、司法省はマドゥロ大統領逮捕の懸賞金を5,000万ドルに倍増させた。
アメリカによるベネズエラ侵攻は大きな代償を伴うため、多くのアメリカ人がこれに反対するはずだ。比較対象として、1989年にマヌエル・ノリエガ将軍の政権を転覆させたパナマ侵攻は、約3万人の米軍部隊で遂行され、死傷者を数百人出した。ベネズエラはパナマより遙かに大きく、軍隊は近代的ではないものの、ノリエガが保有していた以上の兵力がある。ベネズエラ侵攻には約5万人の兵力が必要になると戦略国際問題研究所(CSIS)は推計している。孤立主義を掲げて政権に就いたトランプ政権は、大義の点で、アメリカ兵の命を犠牲にすることを大いに憂慮すべきなのだ。
しかし、このような作戦の本当の脅威は、侵攻後に、醜い顔をのぞかせるはずだ。マドゥロ政権打倒で、ベネズエラ軍が米軍に本格的に対抗できる可能性が現実的にほとんどないのは事実だ。とはいえ、残念ながら、依然苦境に立たされている中東・北アフリカのイラクやリビアなどで失望とともにアメリカが学んだ通り、ベネズエラを占領し、再建するのは全く別問題だ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/10/18/washington-is-reaching-its-deadly-endgame-in-venezuela/
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Judge Napolitano - Judging Freedom
Prof. Jeffrey Sachs : Israel’s Next Moves. 34:35今朝の孫崎享氏メルマガ題名
講演:世界は米国一極支配の時代から新時代に変革中→世界不安定化、ウクライナ戦争、中東紛争、台湾巡り緊張。いつの時代にもまして和解の努力の必要。第二次大戦で戦争の悲惨さを肌で感じていた先人の知恵を踏まえる必要。彼らの努力に、武力衝突に発展しない土台があるデモクラシータイムス 1:32:25の「トランプへのお土産 防衛費、投資、米、自動車をアピール」と題する図表をご覧あれ。売国の極み。
<自維で高市 右旋回> 連立合意の茶番/トランプ迎合/物価高/議員削減/がざ【山田厚史の週ナカ生ニュース】東京新聞 朝刊 こちら特報部
祝い「ガラスの天井」打破なのに・・・植草一秀の『知られざる真実』
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