« ベネズエラで致命的な終局を迎えつつあるワシントン | トップページ | 二人の外人男性が新疆ウイグル自治区の理髪店に入った… »

2025年10月30日 (木)

ベネズエラにおけるトランプ政権の策略:ワシントンの古い戦略の復活

アッバス・ハシミテ
2025年10月28日
New Eastern Outlook

 トランプ政権は中東、東欧、南アジアで混乱と騒乱を広げた後、今度はベネズエラの政権転覆を試みて南米の不安定化を図ろうとしている。

 

 10月24日、アメリカはベネズエラの船舶を麻薬密売の疑いで10回目の攻撃を開始した。報道によると、この攻撃で乗船していた6人全員死亡した。9月のベネズエラ船舶への最初の攻撃以来、アメリカは合計43人を殺害している。最初の攻撃後、ドナルド・トランプ大統領は、米軍がアメリカ行きベネズエラ船舶を破壊したと発表し、その船舶はトレン・デ・アラグア・カルテルに運営され、麻薬密売に使用されていたと主張した。ベネズエラを出港した船舶に対するアメリカの他の爆撃についても同様発表が行われた。だがトランプ政権は、これら船舶の乗組員による麻薬密売の疑いについて具体的証拠を提示できなかった。

 ベネズエラ船がアメリカへ違法薬物を輸送しているので自衛のため攻撃を行っているとトランプ政権は主張している。しかし、アメリカのこの違法攻撃は、世界的な怒りと非難を招いている。これら攻撃について、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、米軍の攻撃対象となった船のうち1隻はベネズエラ船ではなく「コロンビア国民を乗せたコロンビア船」だったと述べた。多くの国際オブザーバーや海洋法・国際法専門家はアメリカによるベネズエラ船攻撃は違法だと考えている。国連海洋法条約は、自国の領海から国際海へ追い出さない限り、各国が国際水域で船舶に干渉することを禁じていると専門家は考えている。

 ベネズエラ大統領に関するアメリカの主張は、イラクでの大量破壊兵器の存在に関するアメリカ・プロパガンダと似ている。

 アメリカの拡張主義と中東とのつながり

 しかし自称「平和の人」ドナルド・トランプは、ライバルに対するあらゆる作戦において何の罰も受けずに行動している。衝撃的な行動として、ガザでのイスラエル国防軍による大量虐殺作戦のためにアメリカ製兵器を提供したことをドナルド・トランプ大統領は認めた。更にトランプは、ネタニヤフ首相が、これら兵器を非常にうまく使用していると述べたが、この発言は、ガザとヨルダン川西岸におけるイスラエルの戦争犯罪と大量虐殺に対する恥ずべき評価だと広く見なされている。2023年10月7日以降、アメリカはガザでの大量虐殺作戦のために、シオニスト国家に未曾有の揺るぎない軍事、外交、財政支援を提供している。トランプ大統領は、シオニスト・ロビーが「大イスラエル」という野望を実現するのを支援している。イスラエル・ロビーは常にアメリカ議員に強い影響力を持ってきた。多くの欧米の著名学者や哲学者が、アメリカ外交政策に対するイスラエル・ロビーの影響力拡大に懸念を表明している。更に、アメリカ自身も、地域に混乱と動乱を広げることで、地域での権益と野望を実現するため中東を不安定化させようとしている。

 東欧と、更にその先の不安定化

 またアメリカ体制も、東欧地域の不安定化政策を執拗に推進している。アメリカと西欧同盟諸国は、ロシアと欧米諸国間の歴史的条約に違反し、ウクライナにNATO加盟を迫り、ロシア・ウクライナ間武力紛争を引き起こした。この西側諸国の陰謀により、ロシア・ウクライナ紛争で数十万人が死亡した。更に、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の軽率な決断は、ウクライナの重要な領土の喪失につながった。東欧の不安定化を図る西側諸国は、最近ジョージアに親欧米政権を樹立するため、トビリシで反政府デモを扇動した。しかし、これらのデモは期待された成果を実現できなかった。

 麻薬密売との戦いか、それとも政権転覆作戦か

 アメリカ政権がベネズエラを攻撃する本当の野望は現職ニコラス・マドゥロ・モロス大統領の追放でもある。南米諸国の多くは台頭する東側諸国に傾きつつある。ロシアと中国は、より包摂的で多極的な世界秩序の主導的提唱者として益々認識が高まっている。多くの第三世界諸国は、アメリカや他の西側諸国より、これらの国々を信頼できる同盟国と見なしている。モスクワや北京への傾倒を示す全ての国をアメリカ政権は一貫して罰してきた。ベネズエラ現大統領マドゥロは反欧米で、ロシアへの傾倒を示している。今月初め、マドゥロ大統領はモスクワとの戦略的協力関係を強化するための大統領令に署名した。

 マドゥロ大統領を麻薬密売でトランプ政権は非難しているが、そのような行為への関与を示す証拠は一切示していない。またアメリカ政府は、マドゥロ大統領逮捕に5000万ドルの懸賞金をかけている。この懸賞金は「政治プロパガンダ」だとベネズエラのイバン・ヒル外相は非難した。ベネズエラ大統領に関するアメリカ大統領の主張は、イラクにおける大量破壊兵器の存在に関するアメリカ・プロパガンダに似ているようだ。トランプ政権はこれら主張を利用してベネズエラへの本格的軍事攻撃を開始しようとしている。しかし、国の主権を守るため約5000発のロシア製対空ミサイルをベネズエラは保有しているとマドゥロ大統領は述べ、アメリカに対して、そのような動きに警告を発している。同地域へのアメリカの空母派遣や、国際水域における船舶への無差別攻撃を他の多くの南米諸国も批判している。ベネズエラや世界各国でのトランプ大統領による政権転覆工作は、世界的覇権国および超大国としてのアメリカの衰退を更に加速させるだろう。

 アッバス・ハシェミテは、地域および世界の地政学問題に関する政治評論家、リサーチアナリスト。現在、研究者およびジャーナリストとして活動している。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/10/28/trumps-regime-gambit-in-venezuela-the-return-of-washingtons-old-playbook/

----------

 アイルランド、立派な女性政治家がいるものだ。
IRELAND SHOCKS THE WORLD! New President FLIPS on Israel in STUNNING ANNOUNCEMENT
 Sabby Sabs
Ireland New President DESTROYS Israel Narrative 13:07
 JIJI.COM
アイルランド大統領選、左派無所属候補のコノリー氏が勝利
 The Mearsheimer Lens
URGENT: China Weaponizes Rare Earths – Washington STRIKES BACK! | Prof. John Mearsheimer 31:11
   デモクラシータイムス
<はしゃぐ高市 トランプへの貢物> 米中会談/山上裁判/宮城参政/ガザ【山田厚史の週ナカ生ニュース】 1:24:50
 Arc Times
トランプ氏の「爆買い感謝」隠した大手メディア/テレビと新聞の礼賛と隠蔽、全検証/高市首相「最も偉大な同盟」の危うさ (尾形聡彦)【10/29(水) 52:2
1  今朝の孫崎享氏メルマガ題名
日米会議・防衛費、①高市・トランプ会談、高市氏:防衛費増額に引き続き取り組む、数字を念頭のやりとりなし②小泉・ヘグセス会談、防衛費を27年度にGDP比2%に増額する政府目標を25年度中に前倒し達成する。ヘグセス氏 防衛費増額具体的な額の要求ない
 日刊IWJガイド
【目次】

■はじめに~10月も残り2日です! 10月は1日から28日までで、月間目標額の28%に相当する、51件、97万8500円のご寄付・カンパをいただきました。しかし、月間目標額の72%、252万1500円が不足しています! 財政的にはとても厳しい状況が続いています。真実を伝えていく活動の困難を痛感しています! 有料会員登録と、ご寄付・カンパによるご支援を、どうぞ皆様、よろしくお願いいたします!

■【中継番組表】

■山上徹也容疑者は安倍晋三総理銃撃の本当に犯人なのか? この事件の背景には、安倍晋三元総理と統一教会との関係の問題だけではなく、ウクライナ紛争勃発の原因についての、安倍元総理の発言を問題視した政治勢力が存在する可能性がある! IWJは、そのエビデンスのひとつ、2022年5月26日(7月8日更新)の『エコノミスト』を全文仮訳!

■国際法完全無視で、ベネズエラへの侵略を企てるトランプ政権下の米国に、ロシアを非難する資格などない!! 米戦争長官ピート・ヘグセス氏は、米南方軍が東太平洋で「麻薬密輸船」の14人を殺害したと投稿! ベネズエラのサーブ司法長官は、トランプ大統領が同国政府を転覆させようとしていることは「疑いようがない」と発言! ジェフリー・サックス教授は「米政府は23年間にわたり、積極的にベネズエラ政府の転覆を図ってきた」と述べ、今回の攻撃は麻薬密売とはまったく関係がなく、「ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量。私達(米国)はそれを盗もうとしている」「これは、公然と行われているギャング行為」だと看破!

« ベネズエラで致命的な終局を迎えつつあるワシントン | トップページ | 二人の外人男性が新疆ウイグル自治区の理髪店に入った… »

アメリカ」カテゴリの記事

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

シェール・ガス・石油」カテゴリの記事

トランプ大統領」カテゴリの記事

ベネズエラ」カテゴリの記事

コメント

 この記事は、全く正しいです。
 アメリカに都合の悪い者には、ありえない難癖をつけ追い落とそうとする、実に姑息な強盗行為です。
 イラクやリビアなど、石油資源のある地域は、今までも狙われてきました。

 

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ベネズエラで致命的な終局を迎えつつあるワシントン | トップページ | 二人の外人男性が新疆ウイグル自治区の理髪店に入った… »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ