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2025年9月10日 (水)

イスラエルの「新たな暴力的シオニズム」は帝国地政学の服従と従順の前兆


アラステア・クルック
2025年9月1日
Strategic Culture Foundation

 リヴァイアサンが機能するには合理性と力を維持しなければならないとアラステア・クルックは書いている。

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 パレスチナ人と地域全体と、「イスラエルを安全」にする脱過激化、より広範に地域全体の文字通りキメラ的変革で「脱過激化」を実現する願望に過去数十年にわたるイスラエル戦略は依拠し続けている。これはイスラエル建国以来、シオニストにとっての「聖杯」的な目標だった。今日、このキメラの符号は「アブラハム合意」だ。

 ネタニヤフ首相の戦略問題担当相で、元駐米イスラエル大使で、トランプの重要な「ささやき係」でもあるロン・ダーマーは、8月24日付の(ヘブライ語)マアリヴ紙に、アンナ・バルスキーが書いている通り「冷静な政治的視点で現実を見つめている。(ガザ問題に関する)本当の合意はハマスとではなく、アメリカとのみ締結されると彼は確信している。必要なのは、イスラエルの原則、すなわち内閣が承認した五つの原則、つまり、ハマス武装解除と、人質全員の返還と、ガザの完全非武装化と、イスラエルによるガザ地区の治安管理と、ハマスでもパレスチナ自治政府でもない代替文民政府をアメリカが採用することだとダーマーは述べている。」

 ダーマーの視点から見れば、ハマスが受け入れた部分的人質解放合意は政治的に大惨事になるだろう。対照的に、ダーマーの結論を「アメリカの計画」としてワシントンが承認した場合、ダーマーが「誰もが利益を得られる状況になる」と示唆しているとバースキーは推測する。更に、ダーマーの論理によれば「部分的合意が実現するだけで、ハマスは2~3ヶ月の猶予期間を得ることになり、その間に勢力を強化し、アメリカとは異なる、ハマスにとってより都合の良い『最終シナリオ』を描こうとさえする可能性がある」。「ダーマーによれば、これこそ本当に危険なシナリオだ」とバースキーは書いている。

 パレスチナ人全員の「変革的脱過激化」なしにイスラエルは平和を実現できないと長年、ダーマーは主張してきた。「正しく実行すれば、イスラエルはより強くなるだろう。そしてアメリカも!」とロン・ダーマーは言う。

 数年前、パレスチナ紛争の解決策は何だと思うかと問われた際、ヨルダン川西岸とガザ地区の両方の完全武装解除が必要だとダーマーは答えた。だが武装解除より重要なのは、パレスチナ人全員突然変異的に「脱過激化」されるのが絶対必要だということだった。

 更に詳しく尋ねられて、第二次世界大戦の結果をダーマーは満足げに指摘した。ドイツは敗北したが、更に重要なのは、戦争の終わりまでには、日本が完全に「脱過激化」されて、従順になっていたことだ。

 「日本は75年米軍を駐留させている。ドイツも75年米軍を駐留させている。もし誰かが、それが当初の合意に基づくものだったと考えているなら、それは大間違いだ。それは強制されたもので、その後、彼らはそれが自分たちにとって良いことだと理解した。そして時が経つにつれ、駐留を維持することに双方の利益が生まれた。」

 トランプはダーマーの主張を認めているようだが、ネタニヤフは本能的に躊躇していると思われるため、バースキーは下記のように書いている。

 「(ハマスとの)部分的合意は、ほぼ確実にスモトリッチとベン・グヴィルの(閣僚)辞任につながるだろう…政府は崩壊するだろう…部分的合意は右派政権終焉を意味する…ネタニヤフ首相はこれを良く理解している。だからこそ彼の躊躇はこれほど難しいのだ。しかし、両端のロープをどれだけ長く握っていられるかには限界がある。」

 トランプは「ダーマー理論」を受け入れているようだ。「彼らは死にたがっていると思う。それは非常に、非常にひどいことだ」とスコットランドへの週末旅行に出発する前にトランプはハマスについて述べた。「それであなた方(つまりイスラエル)が仕事を終わらせなければならない状況に至ったのだ」

 しかし、敗北により敵対意識が焼き尽くされるというダーマーの考えは、決してハマスだけに限ったことではない。それはパレスチナ人全体、そして地域全体、そしてもちろんイランにも当てはまる。

 元軍事情報局長アハロン・ハリヴァがチャンネル12で認めたことに感謝しなければならないとギデオン・レヴィは書いている

 「数年ごとにジェノサイドが必要なのだ。パレスチナ人殺害は正当で、必要不可欠な行為でさえある」。これがイスラエル国防軍「穏健派」将軍の発言だ…5万人の殺害は「必要」なのだ。

 この「必要性」はもはや「合理的」ではなく、血への渇望へと変貌を遂げている。イスラエルの劇作家ベニー・バルバッシュは、人質・囚人取引を支持するデモなど、彼が出会った多くのイスラエル人について次のように書いている。彼は率直にこう認めている。

 「いいですか、こんなことを言うのは本当に申し訳ないが、ガザで死んでいる子どものことなど、私には全く気にならない。飢えているかどうかも全く気にしない。全く興味ない。はっきり言おう。私にとって、彼ら全員あそこで死んでしまえば良いのだ。」

 「ジェノサイドはイスラエル国防軍の遺産として、未来世代のために残すべきだ」。「10月7日には、イスラエル人1人につきパレスチナ人50人が死ななければならない。もうどうでもいい、子どもたちよ。私は復讐心から話しているのではなく、未来の世代へのメッセージとして話している。どうしようもない。彼らは時折ナクバを起こして、代償を味わう必要がある」とハリヴァ将軍の言葉をギデオン・レヴィは冷静に引用している(強調は筆者)。

 これは、シオニスト思想の中核における(ベン・グリオンからカハネに至るまでの)根本的な変化を象徴するものと理解しなければならない。(ヘブライ語版ハアレツ紙で)ヨシ・クラインは次のように書いている。

 「確かに我々は野蛮の段階にあるが、これはシオニズムの終焉ではない。…(この野蛮さは)シオニズムを滅ぼしたわけではない。それどころか、シオニズムに意味を与えたのだ。シオニズムには様々なバージョンがあったが、どれもスモトリッチやベン=グヴィルのシオニズムのような新しく、現代的で、暴力的なシオニズムに似ていなかった…」

 かつてのシオニズムはもはや時代遅れだ。国家を樹立し、言語を復活させたのだ。もはや目標はない…今日のシオニストに、彼らのシオニズムとは一体何なのかと尋ねても答えられないだろう。「シオニズム」は空虚な言葉になってしまった…(あの)メイル・カハネが現れるまで。アラブ人を追放し、ユダヤ人を定住させる明確な目標を持つ、最新のシオニズムを彼はもたらした。これは美辞麗句に隠れないシオニズムだ。「自発的避難」は笑いものになり「移送」は魅惑する。「アパルトヘイト」は誇りだ…今日、シオニストであることはベン・グヴィールであることだ。非シオニストであることは反ユダヤ主義であることだ。(今日)反ユダヤ主義者とは、ハアレツを読む人のことだ…

 今週、ユダヤ人は「土地の征服」に取り組む中で「救済の過程とシオンへの神の存在の帰還を『肉体的に』経験している」とスモトリッチは発言した

 様々な形態でトランプ政権に浸透しているのは、まさにこの終末論的な思想の流れだ。政権の倫理観は「戦争は戦争だ、絶対的でなければならない」という姿勢へ変容しつつある。それ以下のものは単なる道徳的ポーズとしか見なされない。(これは、アマレク人殲滅の物語から生まれたタルムード的な理解だ(『タイムズ・オブ・イスラエル』のジョナサン・マスカットの文書を参照)。)

 こうして、強硬な指導者たちの斬首(イエメン、シリア、イラン)や、レバノンのヒズボラとシーア派の政治的無力化への支援や、反抗的国家元首の暗殺の常態化(イマーム・カーメネイー師の暗殺が検討されたように)や、国家構造の転覆(つまり、6月13日にイランに対して計画されたように)に新たに執着しているのがわかる。

 イスラエルがこの修正主義シオニズムに変貌し、それがアメリカの主要思想派閥を支配していることこそが、イランとイスラエルの戦争は不可避だと考えられるようになった理由だ。

 今週初めの演説で、その意味合いに関する自身の認識をイラン最高指導者は次のように明確に表明した

 「この(アメリカの)敵意は45年間、様々な政権、政党、大統領を経てもなお続いてきた。イスラム共和国とイラン国民に対する敵意と制裁と脅迫は常に同じだ。なぜそうなるのか、それが問題だ。」

 「これまで彼らは、テロ、人権、女性の権利、民主主義といったレッテルの裏に本当の理由を隠してきた。それを表明する場合も『イランの行動を変えてほしい』と、より丁寧な表現で述べていた」

 だが、今日のアメリカ大統領はそれを明らかにした。彼は真の目的を明らかにした。『イラン、イラン国民と我々が対立するのは、イランがアメリカに従わないからだ』と。我々イラン国民は、まさにそれをはっきり理解しなければならない。言い換えれば、世界の大国が、その歴史、尊厳、そして偉大な国家としての伝統を持つイランに、ただ従順であることを期待しているのだ。これが、あらゆる敵意の本当の理由だ。

 「『アメリカと直接交渉して問題を解決すればいいじゃないか』と主張する人々、表面的なことしか見ていない。それは本質的な問題ではない。本当の問題は、イランには自らの命令に従順であってほしいとアメリカが思っていることだ。イラン国民はこのような甚大な侮辱に深く憤慨しており、そのような誤った期待を彼らに抱く者には全力で立ち向かうだろう。…アメリカの真の目的はイランの服従だ。イラン国民はこの『甚大な侮辱』を決して受け入れない。」

 デルマー論文における「脱過激化」とは、リヴァイアサン的な「専制政治」を実施し、「地域を精神的、知的、道徳的な無力さを含む完全な無力状態に陥れること」を意味する。「完全なリヴァイアサンとは、他の人間に対する精神的にも時間的にも、唯一無二で絶対的かつ無制限の力だ」と、フランスの名門サン=シール陸軍士官学校の倫理法学科元学科長アンリ・ユードHenri Hude博士は指摘している

 イスラエルの政治指導者たちは「イスラエルの存在そのものを賭けている」と元イスラエル国防軍オンブズマン(予備兵)少将イツァーク・ブリクも警告している

 「彼らは軍事的圧力によってあらゆることを成し遂げようとしているが、結局何も実現できないだろう。彼らはイスラエルを二つの不可能な状況の瀬戸際に追い込んでいる。一つは中東における本格的戦争の勃発、もう一つは消耗戦の継続だ。どちらの状況にあっても、イスラエルは長くは生き残れまい。」

 このように、シオニズムがヨシ・クラインが「後期蛮行」と定義した状態へと変容するにつれ、フーデとブリックの深い懐疑にもかかわらず「限界のない戦争」は機能するのだろうかという疑問が生じる。そのようなイスラエル「テロ」は、中東に無条件降伏を強いることになり、「軍事的、政治的、文化的に根本的に変化して、全体的なパックス・アメリカーナの中でイスラエルの衛星国として変容するのを可能にする」のだろうか。

 著書『Philosophie de la Guerre(戦争の哲学)』で、それは長期的「抑止力」や過激化の抑制につながらないため、制限のない戦争は解決策にならないとフーデ博士は明確に答えている。

 「それどころか、それは最も確実な戦争の原因だ。理性的であることをやめ、自分よりも理性的な敵を軽蔑し、自分より更に理性的でない敵を刺激することで、リヴァイアサンは倒れるだろう。そして、倒れる前でさえ、安全は保証されない。」

 無制限の極端な「権力への意志」は必然的に自己破壊の精神を内包しているとフーデは指摘していする。

 リヴァイアサンが機能するには、理性と力強さを維持しなければならない。理性を失い、より理性的な敵を軽蔑し、自分より理性的でない敵を怒らせれば、リヴァイアサンは必ず、必ず倒れる。

 だからこそ、リヴァイアサンが「出現」した暁には大戦争に備えなければならないことを今なおイランは認識している。ロシアも同様に認識している。なぜなら、これはアメリカ新秩序に抵抗する者に対して遂行されつつある唯一の戦争だからだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/09/01/israels-new-violent-zionism-as-a-harbinger-of-imperial-geo-politics-of-submission-and-obedience/

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The Death of Holocaust Studies (w/ Raz Segal) | The Chris Hedges Report
Raz Segal confronts the question of whether Holocaust studies ever been about the true history of the event. In reality, the field has manufactured the exceptionality of the Jewish people and Israel.

Chris Hedges
Sep 10, 2025

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