« 「イスラエルは10月7日以降何をすべきだったのか?」というのは間違った質問だ | トップページ | BRICS諸国の堅固な壁に激突するトランプ大統領の貿易癇癪といじめ »

2025年8月11日 (月)

ロシアに対するトランプ大統領の原子力潜水艦恫喝:世界的緊張の高まりの促進剤

アッバス・ハシミテ
2025年8月8日
New Eastern Outlook

 新たな挑発的動きとして、アメリカ原子力潜水艦をロシアの近くに再配置するとドナルド・トランプが警告し、世界超大国間の核戦争を一層激化させている。

 ロシアに対するトランプ大統領の原子力潜水艦恫喝

 平和の約束から挑発姿勢へ

 攻撃的言説と威圧的発言によって、好戦的なドナルド・トランプ大統領は世界中で戦争の火種を執拗に煽り立てている。平和を推進する世界の指導者として認められることをトランプ大統領は目指している。だが自己陶酔的な性格の彼は、その行動と発言で世界中で戦争を煽り続けている。最近は、アメリカ原子力潜水艦をロシア国境付近に移動させるとトランプ大統領は警告しており、この動きはロシア・ウクライナ間だけでなく、モスクワ・ワシントン間の緊張も更に高めることになるだろう。

 選挙運動中の「アメリカを再び偉大にする」というスローガンと世界平和の確立というトランプの公約は、アメリカ国民の共感を呼んだ。だが大統領再選後の彼の個人的野心と願望は、選挙前の言説と正反対のものになった。再選24時間以内に、ロシア・ウクライナ紛争を終結させると彼は公約していた。だが大統領職就任以来、EUやウクライナやインドなどの同盟諸国を脅迫し、自国への経済的譲歩を引き出そうとするばかりだ。

 これらの動きや同盟諸国への継続的裏切りを通じて、トランプ政権は第三世界の国々をBRICS圏に押しやろうとしているに過ぎない。

 モスクワとの緊張を高める核の最後通牒

 ウクライナとの鉱物資源取引を追求する中、トランプ大統領はロシアとウクライナ停戦協定を締結する約束を破り、反対派から厳しい批判を浴びた。彼の不誠実な取り組みは、モスクワ・キーウ間の長期的和平確立の失敗につながった。この件をめぐる両国間の不満が高まる中、トランプ大統領はモスクワを絶えず脅迫している。しかし、これらの行動は両国間の対立を更に激化させる可能性がある。数週間前、ウクライナとの停戦協定に署名するよう50日以内に要求する最後通牒をトランプ大統領はプーチン大統領に突きつけて、挑発的行動に出た。その後、最後通牒の期限を、トランプ大統領はわずか12日に短縮した。これらの偽最後通牒により、トランプ大統領は、ロシアをこの紛争の加害者として描き、世界世論を操作しようとしているのだ。

 これら攻撃的最後通牒の後、ロシアへの度重なる最後通牒をめぐり、前ロシア大統領で現安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフと最近口論になったのを受け、ロシアを恫喝するため、米原子力潜水艦二隻をロシア近海に再配置するとトランプ大統領は発表した。この発表に先立ち、トランプ大統領の最後通牒を「戦争への一歩」とメドベージェフは表現した。また、トランプ大統領は「ロシアと最後通牒ゲームをしている」とも彼は述べた。これに対し、自身のソーシャル・メディア「トゥルース・ソーシャル」で「言葉は極めて重要で、しばしば意図せぬ結果になりかねない。今回の件がそのような事態にならないよう願う」とドナルド・トランプ大統領は述べた。

 メドベージェフ前大統領発言を「極めて挑発的」だともトランプ大統領は非難した。更に「これら愚かで扇動的発言が単なる煽動以上のものになる場合に備えて、二隻の原子力潜水艦を適切な地域に配備するよう命じた」とも彼は述べた。だが彼が言及しているのが原子力潜水艦か、核ミサイル搭載潜水艦かは明確にしなかった。しかしながら、アメリカ大統領の度重なる恫喝は、進行中のロシア・ウクライナ紛争の平和的解決を仲介する彼の能力欠如に対し高まる不満を反映している。この発言は、トランプ大統領の好戦的で気まぐれな性格について多くを物語っている。

 トランプ大統領の攻撃的外交が世界に及ぼす影響

 ロシアに紛争終結を迫るため、トランプ大統領は、あらゆる手段を講じているものの、ロシアの正当な安全保障上や、戦略上の懸念には対処していない。つい数日前、彼はロシア長年の重要貿易同盟国であるインドに対し、ロシアからの原油輸入に対して、新たな貿易関税を課した。この措置は、間接的に経済的・外交的圧力をロシアにかけることも意図していた。トランプ大統領は、同盟国やBRICS諸国に制裁を課して、ロシアを外交的に孤立させようとしている。だが、これらの動きは、今後数十年にわたりアメリカを苦しめることになるだろう。

 間を置いた二期目就任直後に、ドナルド・トランプ大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領を称賛した。これはNATO加盟国に財政的貢献の増額を迫る狙いだったとみられる。また、彼の要求を受け入れなければ、ヨーロッパを侵攻するようロシアに要求するとヨーロッパ同盟諸国を脅迫した。これらの動きは、アメリカは信頼できない同盟国だという国際的な見方を強めている。インドをはじめとする貿易相手国への関税賦課は、アメリカの国際的イメージを更に損なっている。こうした動きを通じて、トランプ政権はロシアとウクライナの対立を永続化・激化させているだけでなく、外交的にも経済的にもアメリカを孤立させている。

 更に、こうした動きはトランプの「MAGA運動」にも影響を与えている。おまけにトランプ政権は超大国としてのアメリカの衰退を加速させている。こうした動きと同盟諸国への継続的裏切りにより、トランプ政権は第三世界諸国をBRICS圏に押しやろうとしているだけだ。更にトランプが発表した二隻の原子力潜水艦配備は、米露間の直接的戦争の引き金になりかねない。事態の深刻さに鑑み、核に関する言論を自制するようモスクワはアメリカ政府に強く要求している。ロシア・ウクライナ紛争にも慎重な姿勢をトランプは取るべきだ。ウクライナ和平確立を真剣に考えるなら、ロシアの正当な安全保障上および戦略的権益に効果的に対処できるようウクライナや欧州同盟諸国に圧力をかけなければならない。

 アッバス・ハシミテは地域および世界の地政学的問題の評論家、調査分析専門家。現在フリー研究者・ジャーナリストとして活動中。

 記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/08/08/trumps-nuclear-submarine-threat-to-russia-a-catalyst-for-escalating-global-tensions/

----------

 東京新聞 8/11朝刊 一面  
戦後80年 安全保障の現場

 都心の空 奪われた主権
 港区の米軍基地 返還遠く
 ところがイスラエルをあがめるカルト党国会質問の愚劣さ。こういう憲法破壊カルト信者もおられるのが現実。

 Alex Christoforou Youtube
Zelensky Alaska dreaming. Macron/Starmer UNITE. EU/UK hand Vance counter proposal. Medvedev cartels 34:24
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
中国共産党中央対外連絡部部長で、王毅の後継として次期外相と目されていた劉建超が7月下旬に海外出張から北京に戻った後、連行され事情聴取を受けた。24年来日時岸田首相への訪問を実施。これまでの対外連絡部部長の枠を超え訪米し有力者と会談

« 「イスラエルは10月7日以降何をすべきだったのか?」というのは間違った質問だ | トップページ | BRICS諸国の堅固な壁に激突するトランプ大統領の貿易癇癪といじめ »

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

ロシア」カテゴリの記事

トランプ大統領」カテゴリの記事

ウクライナ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 「イスラエルは10月7日以降何をすべきだったのか?」というのは間違った質問だ | トップページ | BRICS諸国の堅固な壁に激突するトランプ大統領の貿易癇癪といじめ »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ