BRICS諸国の堅固な壁に激突するトランプ大統領の貿易癇癪といじめ

2025年8月8日
Strategic Culture Foundation
アメリカの権力は益々過剰となり、実際拒絶すべきものになっている。
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ドナルド・トランプ大統領は、自身の能力と同様、アメリカの権力も過大評価しているのが益々目立っている。今週、対米輸出品に二桁の関税を課す形で、厳しい貿易制裁を科すとトランプ大統領は約90カ国に警告した。彼が実際にこれらの措置を実行するかどうかは未知数だ。アメリカが世界的貿易戦争に勝てないことを、彼自身、あるいは、より情報に精通した顧問連中が認識したからに違いないが、トランプ大統領は既に4月の、いわゆる「解放記念日」の世界関税導入計画を撤回している。
トランプの特徴の一つは、脅しをかけるのと同じくらい、素早く撤回することだ。この突飛な行動は、いわゆる彼の政策における思考の混乱と一貫した分析の欠如を物語っている。また地政学と地経学の現実が変化する中、トランプの方針転換はアメリカの力の限界をも物語っている。トランプが考えているようなアメリカの力は最早存在しないのだ。
この乖離は、ブラジル、ロシア、インド、中国への関税賦課をトランプ大統領がちらつかせた今週露呈した。いわゆる二次関税は、ウクライナとの和平合意にロシアが達する期限をトランプ大統領が設定したことに関連しているはずだった。ロシア産原油を購入する国々は「戦争機械に燃料を供給している」とトランプ大統領は主張した。これをばかげた偽善だとインドは反論し、昨年、欧州連合(EU)がインドより多くロシア産原油を購入したことを指摘した。またアメリカは、数十億ドル相当のロシア産農業用肥料やウランや他の鉱物資源も購入しているのだ。
いずれにせよ、トランプ大統領が二次関税の対象とした四カ国は、トランプ大統領の恫喝を断固拒否した。彼らはトランプ大統領の脅迫を退け、国益に必要と考える限り、引き続き事業を行う主権を行使すると誓ったのだ。
このような反抗的姿勢を受けて、ホワイトハウスが次に何をするのかは不明だ。トランプ大統領は関税の期限を延期する傾向があるため、行動を先送りする可能性がある。
来週ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、おそらくアラブ首長国連邦でトランプ大統領と直接会談するという突然の発表は、アメリカ側が二次関税案を撤回するきっかけになるかもしれない。ウクライナにおける和平交渉の担い手として見られたいトランプ大統領の利己的欲求は、プーチン大統領との首脳会談が注目を集め、ノーベル平和賞受賞の可能性を得るのに十分強いのかもしれない。インドとパキスタン、アゼルバイジャンとアルメニア、そしてイスラエルとハマス間の和平仲介という誇大な主張は、彼が表面的成功に突き動かされていることを示している。
今週、トランプ大統領の威圧に屈することなくBRICS諸国が示した抵抗は、いくつかの理由から注目に値する。BRICS諸国が強力で結束力ある経済的・地政学的勢力として台頭しつつあるのを示したのだ。この国際機関設立から16年経ち、その影響力はもはや抽象的でも理論的なものでもない。具体的現実となりつつあるのだ。
トランプ大統領は「世界皇帝ではない」とブラジルのルラ・ダ・シルバ大統領は揶揄し、アメリカの貿易恫喝への共同対応を強化するために、BRICS諸国による特別首脳会議開催を呼びかけた。中国はアメリカの威圧的対応を非難し、一方的関税賦課は国連憲章違反だと主張した。インドのナレンドラ・モディ首相は、国家安全保障担当の最高顧問をクレムリンに派遣し、プーチン大統領と会談させた。また今週、今月下旬にモディ首相が上海協力機構(SOC)首脳会議に出席するため中国を訪問すると報じられた。これらの動きは、BRICS諸国が、トランプ大統領の好戦的姿勢に対抗して、多国間世界秩序の推進に向けたコミットメントを強めていることを示唆している。
トランプ大統領の気まぐれな行動や態度の多くと同様、皮肉なことに、彼はアメリカの地位と権力の衰退を加速させる国際勢力を結集させている。これは「アメリカを再び偉大にする」と豪語する大統領にとって皮肉なことだ。著名な国際経済学者マイケル・ハドソンの記事は、トランプ大統領の世界との貿易戦争がいかに無謀かを示している。関税は高額輸入品へのアメリカ人の負担増加につながるため、アメリカの消費者インフレを加速させるとハドソンは主張している。共和党のランド・ポール上院議員もこの見解に同意している。関税で、アメリカ消費者に2兆ドルの税金が追加されると彼は主張している。
トランプ陣営が気づいていないもう一つの影響は、世界経済が十分多様化しているため、輸出のための代替市場を各国が見つけ出せるようになっている点だ。その結果、貿易決済でドル依存度が低下する国が増え、結果として米ドルの価値が下落し、アメリカが巨額国家債務を積み上げ続ける能力も低下するだろう。従って、トランプが他国に貿易制裁を課せば課すほど、この体制が崩壊する危険性が高まる。
BRICS諸国が、アメリカ主導の欧米秩序に対する歴史的挑戦であることも明らかになっている。台頭する多極秩序をトランプ大統領が弱体化させようとすればするほど、秩序はより強力になってゆく。今年初め、自らが反米勢力と名付けたBRICS諸国に100%関税を課すと脅した後、「BRICSは死んだ」とトランプ大統領は主張した。だがBRICSの死に関する彼の言い分は大げさだ。この国際機構は着実に成長を続けており、今年、世界第4位の人口を誇るインドネシアが重要新メンバーとして加わった。BRICSは世界GDPの50%以上、人口の約40%を占め、経済力において欧米諸国が支配するG7グループを凌駕している。
トランプ大統領の関税癇癪は、ウクライナ和平の実現とは無関係で、むしろアメリカ覇権に対する脅威となっているBRICS諸国解体の企みに大きく関係している。今週の出来事は、アメリカ主導の体制に代わる体制を築こうとする新たな自信と目的意識をBRICS諸国が獲得したことを如実に示している。トランプ大統領の傲慢さや、世界経済の新たな現実や、特にグローバルサウス諸国にとって長らく待望されていた正義と平和を求める世界の決意に対する理解の欠如は、アメリカ主導の新植民地主義秩序崩壊を早めている。
アメリカ帝国主義の威圧に対する、ほんの数年前には考えられなかったような粘り強さや反抗心を、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカをはじめとする多くの国々が示している。相互発展とより公正な世界秩序への各国のコミットメントは、アメリカ主導の欧米エリートによる資本主義体制の意義と存続を低下させている。数十年にわたりアメリカが蓄積してきた膨大な貿易赤字は、37兆ドルという途方もない国家債務と相まって、本質的に寄生的立場を維持するため世界の他の国々を必要としている。BRICSの指導力による多極化した世界経済の統合で、アメリカの権力は益々過剰となり、実際拒絶すべきものになっていることを示している。アメリカはBRICSの強固な壁にぶつかっているのだ。
しかし、不穏な面もある。だからこそ、アメリカ支配者連中は異常なほど好戦的になっているのだ。彼らは難局を爆破しようとするだろうか?
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/08/08/trump-trade-tantrums-and-bullying-hit-wall-of-solid-brics/
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Judging Freedom 在モスクワ、スコット・リッターのロシア人インタビュー
LIVE FROM MOSCOW: Scott Ritter in conversation with Russian Officials! 25:18今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米国は長くインドを自由主義陣営の要と位置づけ。しかしトランプはインドに25%関税(パキスタンには19%),50%の脅し。米国は農産品の解放を要求。農民インドの労働力の45%。手を付けられない。乳製品人口80%のヒンズー反対。関税妥結困難→インド、中国とロシアの関係構築へ。植草一秀の『知られざる真実』
陰謀論でない〈異常外力着力〉耕助のブログ
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