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2025年8月 4日 (月)

ガザについて大多数の人々が声を上げ始めるのにこれほど時間がかかるべきではなかった



 二年の沈黙後、欧米の評論家や政治家や著名人たちが、突如イスラエルの大量虐殺的残虐行為を非難するようになった今、ほんの数週間前には「イスラエル国防軍に死を」と言うことがヘイトクライムだと言われていたとは信じ難い。

ケイトリン・ジョンストン
2025年7月29日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 イスラエルを代表する人権団体B’Tselemが、イスラエルを拠点とする人権擁護医師団と同様に、イスラエルがジェノサイドを犯していると、とうとう宣言した。イスラエルのこれら団体は、アムネスティ・インターナショナルヒューマン・ライツ・ウォッチや、国連人権専門家やジェノサイド問題に関する主要権威者の圧倒的多数と同調する結論を下した。

 議論は終わった。イスラエル擁護派は敗北した。そして、このことが主流言説に反映されているのを我々は目にしている。

 ポップ界の大スター、アリアナ・グランデが、ガザ地区の支持を表明し始め、ソーシャル・メディアのフォロワーに「人々を飢え死にさせるのは超えてはならない一線だ」と訴えた。これは新たな境界線だ。イスラエルによるジェノサイドに対する反対は、かつてないほど主流となっている。

 先日「イスラエルはガザを飢えさせている。アメリカも共犯だ」という明確な題名の記事をMSNBCが掲載した。中には、イスラエルを強く支持する「モーニング・ジョー」が、この大量虐殺を激しく非難するコーナーも含まれる。CNNのウルフ・ブリッツァー(彼自身AIPAC元職員)は180度転換し、今や番組でイスラエルが意図的に仕組んだ飢餓キャンペーンで、イスラエルを厳しく非難している。「私はジェノサイド学者だ。それは見ればわかる」という論説記事で、ジェノサイドという言葉の恐怖症をニューヨーク・タイムズがとうとう克服した。

 現在、バラク・オバマハキーム・ジェフリーズコリー・ブッカーエイミー・クロブシャーといった民主党内の悪名高いシオニストの沼の怪物連中が態度を変え、ネタニヤフとトランプによるガザでの共同大量虐殺計画を攻撃し始めており、マージョリー・テイラー・グリーンのような右派議員の一部からも益々強力な反発が出ている。



 欧米の評論家や政治家や著名人が二年沈黙した後、突如イスラエルの大量虐殺的残虐行為を非難するようになった今、ほんの数週間前には「イスラエル国防軍に死を」と言うのはヘイトクライムだと言われていたとは信じ難い。

 この大量虐殺を最初から見てきた人々は、ずっと問い続けてきた。一体何が必要なのだろう? 我々の社会が、くだらない些細なことや、空虚なことに囚われ続けるのをやめて、現代のホロコーストに反対するには、一体何が必要なのだろう?

 子どもで一杯の巨大強制収容所に爆弾を雨のように投下するだけでは不十分だった。

 子どもを生きたまま焼き殺すだけでは不十分だった。

 攻撃した病院に侵入し、医療機器を一つ一つ破壊するなど、ガザの医療インフラ全体を組織的に破壊するだけでは不十分だった。

 二つの世界大戦や、アメリカ南北戦争や、朝鮮戦争や、ベトナム戦争や、ユーゴスラビア戦争や、アフガニスタン戦争や、現在も続くウクライナ戦争で殺されたジャーナリストを上回る人数のジャーナリストを殺害しても不十分だった。

 囚人に対する組織的強姦拷問だけでは不十分だった。


 イスラエル国防軍兵士が、死亡した、あるいは避難を強いられたパレスチナ人女性の服を着て嘲笑したり、死亡した、あるいは避難を強いられたパレスチナ人の子どもの玩具で遊んだりする自分たちの写真や動画を頻繁に共有するだけでは十分ではなかった。

 イスラエル当局者がガザの人々に対する大量虐殺の意図を公然と表明しただけでは不十分だった。

 パレスチナ領土の完全な民族浄化という目標をアメリカ大統領やイスラエル首相が公然と宣言するだけでは不十分だった。

 パレスチナ人をまるで実験室のモルモットのように使って新兵器の実地試験を行うだけでは不十分だった。

 爆撃された建物の瓦礫に埋もれた無数の民間人が窒息したり脱水症状でゆっくり死ぬだけでは不十分だった。

 ハマス戦闘員と疑われる人物が子どもと家にいる時に爆撃するAIシステムを作って、それに「パパはどこ?」と名付けるだけでは不十分だった。

 パレスチナ人を人間の盾として利用するだけでは不十分だった。

 負傷した民間人をブルドーザーで生き埋めにするだけでは不十分だった。


 イスラエル軍にガザの人々が虐殺される極めて残酷な実際の殺人シーンを記録した映像を投稿する「72 Virgins」という人気テレグラム・チャンネルを運営するのをイスラエル国防軍が認めるだけでは不十分だった。

 イスラエル国防軍狙撃兵がガザ地区全域で、頻繁に子どもの頭や胸を銃撃するだけでは不十分だった。

 隠れている民間人を誘い出して殺害するため、夜間に赤ちゃんの泣き声を流すドローンを飛ばすイスラエル国防軍のやり方では不十分だった。

 援助施設で食糧を求める飢えた民間人を虐殺するよう命令されているとイスラエル国防軍兵士らがイスラエル報道機関に語るだけでは不十分だった。

 イスラエル人狙撃兵が、指定された日(脚の日、頭の日、性器の日など)に飢えた民間人の体の様々な部位を狙ったが、それだけでは不十分だった。

 イスラエル極右市民が、封鎖地点でパーティーやバーベキューを楽しみながら、ガザに支援トラックが入るのを阻止するために障害物を設置したが、それだけでは不十分だった。


 ガザに必須の食糧や生活支援物資を運ぶ支援体制を解体するために、嘘やプロパガンダを利用し、代わりに援助を求める人々が毎日虐殺されるアメリカとイスラエルの作戦を導入したが、それだけでは不十分だった。

 過去22か月、ガザを意図的に飢えさせるため包囲戦を行ってきただけでは不十分だった。

 だが、飢餓が危機的な状況に達し、栄養失調による死者が急増し、骸骨と化した子どもの死体の写真が画面に溢れ、飢餓による臓器や脳への損傷が多くの場合、回復不能、もう我慢の限界だ。

 どうやら、それが限界だったようだ。欧米の主流意識は、それをやり過ぎだと決めつけている。その限界までは全て問題なかったのに今や問題なのだ。

 そして、殺戮は今も続いている。良心の突然の目覚めは、まだ具体的な行動や変化には全く繋がっていない。もしそれが本来あるべき姿である2023年の10月か11月に起きていたら、今頃反対運動が実際にガザの救済へと繋がっていたかもしれない。だが、ようやく光が灯ったばかりだ。声を上げている人々が、今後も声を上げ続けるかどうかさえ保証されていない。


 この悪夢の残酷な現実に人々が目覚め始めているのを嬉しく思う。これほど遅い時期であれ、それぞれの立場を利用して声を上げてくれる影響力ある方々一人ひとりに感謝している。本当に感謝している。

 がだ同時に、今我々は、社会として自らを非常に厳しく、非常に不快な思いで見つめる必要があると思う。もしこの二年間、あれほど残虐な虐待が我々にとって許容できるものだったとすれば、我々の文明には何か深く根深い病があると言えるだろう。

 我々は正しく生きていない。正しく考えていない。正しく感じていない。我々は歪み、ねじ曲がっている。我々が得る情報や、受け入れるよう条件付けされた規範が、我々の魂を腐敗させているのだ。

 我々は酷いものにされてしまった。醜いものに。恥ずべきものに。それを変えるために、我々は全力を尽くさなければならない。

 我々は今の我々自身を救い出さなければならない。二度とこのようなことが起きないよう、深く、根本的に変革しなければならない。


 現状は明らかに機能していない。主流の世界観は明らかに嘘だ。社会、国家、政府、そして世界について我々が教えられてきたことは全て、明らかに間違っていた。

 我々は、集団として物事を見る方法が失敗したのを認識する認知的不協和を乗り越えて戦う必要があり、新しい生き方を見つける必要がある。

 そうでなければ、我々は自分たちがどんな人間になってしまったのかという恐ろしい事実を次々と思い知らされ、打ちのめされ続けることになるだろう。

 教訓は習得するまで繰り返される。

 我々は教訓を学び始めるべきだろうた。

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画像はWikimedia Commonsより。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/07/29/it-shouldnt-have-taken-this-much-for-mainstream-voices-to-start-speaking-up-about-gaza/

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