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2025年7月21日 (月)

トランプの対ロシア最後通牒は代理戦争の敗北を隠すための虚勢とはったり


2025年7月18日
Strategic Culture Foundation
論説

 50日後、NATO代理戦争におけるウクライナの敗北がより明白になれば、トランプ大統領は相当恥をかくことになろう。

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 今週、トランプ大統領がロシアに突きつけた怒りの最後通牒の背後には、一体何があるのだろう? 端的に言えば、失敗と欲求不満だ。2024年11月の大統領選挙で当選すれば、24時間以内にウクライナ戦争を終わらせるとドナルド・トランプ大統領はアメリカ有権者に約束した。だが就任から6ヶ月が経った今も、誇大な約束は果たされていない。

 今週トランプ大統領はウクライナに数十億ドル相当のアメリカ製新型兵器を供与すると約束して、先導者イメージを一変させた。また、50日以内に停戦に応じなければ、石油・ガス輸出に厳しい二次関税を課すとロシアに警告した。100%とされるこの関税は、ロシアからの輸出品を購入する国々、主にブラジル、中国、インドに適用される。この動きは、アメリカ主導によるウクライナにおける対ロシア代理戦争が、実際はアメリカの世界覇権維持を巡る、より大規模な地政学的紛争の一部であることを示唆している。

 いずれにせよ、モスクワはトランプ大統領の最後通牒を切り捨てた。モスクワは圧力に応じるつもりはなく、NATOの歴史的侵略に対抗するというウクライナにおける戦略的目標から後退するつもりはないとセルゲイ・リャブコフ外務次官は述べた。

 トランプ大統領と政権が、ロシアの戦略的立場と紛争の根本原因を理解していないのは明らかだ。

 トランプの外交は、ショービジネスのような見せかけだけで、中身がないと見られている。ロシアとの和平協定を締結して、自慢のビジネス交渉手腕を誇示し、脚光を浴び、見出しを飾り、称賛を浴びたいと彼は考えている。

 ウクライナのような紛争を解決するには、深い歴史的理解と真摯な適正評価への献身が不可欠だ。紛争の根本原因、すなわち国境へのNATO拡大と、2014年にCIAが支援したキーウでのクーデターと、過去10年間にわたるNATOの兵器化されたネオナチ政権の本質に対処する必要性を、モスクワは繰り返し主張してきた。

 トランプと政権はロシアの立場を理解していない。従って「殺戮の終結」という言説と空虚な主張だけに基づいて和平合意を期待するのは無駄だ。それは実現するまい。

 非現実的期待に基づくこの失敗により、ここ数週間、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対して、トランプ大統領は益々厳しい態度を取るようになっている。皮肉なことに、トランプ大統領はプーチン大統領の二枚舌と先延ばしを非難しているが、実際、紛争解決に真剣な取り組みを示さなかったのはトランプ大統領の方だ。

 今、トランプは悔しさと傷ついた自尊心を抱えながら、自らの失策への苛立ちからロシアに最後通牒を突きつけている。要求への回答をロシアに求める50日間の期限は、イランに60日間の期限を脅迫し、その期限を過ぎたイランに大規模爆撃を実行した時の状況と似ている。トランプのイラン侵略は大失敗に終わった。ロシアへの脅迫は更に無意味だ。

 他国を脅かそうとするこの性癖は、マフィア誇大妄想狂の典型だ。またトランプが「終わりのない戦争」に終止符を打つと信じていた有権者の支持を失っている。実に混乱している。バイデンの戦争はトランプの戦争になりつつある。結局、実際に支配しているのは、アメリカの帝国主義ディープステートだからだ。

 ウクライナ和平を公言していたのに、武器供与の約束を強化するという気まぐれな方針転換をトランプ大統領がしたのは、これまでの彼の願望は常に空虚で、他の利益に依存していたことを示している。

 第47代アメリカ大統領は、結局、平和を望んでいなかったようだ。ウクライナ紛争(彼はこれを「バイデンの戦争」と呼んで非難した)を終わらせたいという彼の明らかな願望の原動力は、単にアメリカの財政負担を削減することだった。

 トランプにとって魅力的なのは、ウクライナへの新たなアメリカ製兵器供給の費用を欧州が負担する点だ。彼にとって重要なのは金と利益だけだ。トランプが新たな武器密売計画を発表した際、大統領執務室で、マーク・ルッテNATO事務総長の隣に座っていたのは特筆すべき点だ。ルッテは巧みな口説きに長けており、以前トランプを「パパ」と呼び、今週は、平和確保における世界の警察官だと、アメリカを不条理に称賛した。NATOと大西洋横断諸国の支配体制は、トランプを操る術を見いだしたようだ。今後は、アメリカ軍産複合体に欧州諸国が直接補助金を出すことになるとトランプに言えば良い。

 トランプとNATO体制にとって問題なのは、これら全て機能しない「はったり」なことだ。まず第一に、アメリカのパトリオット・ミサイルをはじめとする兵器は、過去三年、ウクライナにおけるロシアによる攻撃で枯渇し破壊された。戦場におけるロシアの優位性を覆すような「奇跡の兵器」は存在しない。

 第二に、欧州経済は破綻しており、たとえウクライナへのアメリカ製兵器購入が実現可能だったとしても、その計画を維持するのはほぼ不可能だ。フランス、チェコ共和国、イタリア、ハンガリーを含む少なくとも欧州四カ国は、ウクライナへのアメリカ製兵器購入計画には関与しないと表明している。

 第三に、ロシアとの取引を理由にブラジル、中国、インドなどへの二次制裁をちらつかせたトランプ大統領の脅しは、BRICS諸国とグローバル・サウスへの露骨な攻撃で、国際的非難を招くだけだ。トランプ大統領の威圧的手法は、実行可能でも信用できるものでもなく、以前の中国との貿易戦争は既に失敗に終わり、アメリカがもはや無力な大国であることを示した。中国への偏執的姿勢を、トランプ大統領は改めざるを得なかった。

 したがって、ロシアとの取引を理由に中国をはじめとする国々に、100%関税を課すと恫喝するのは、車椅子に座りながら弱々しい拳を振り回す元ボクサーのようなものだ。彼は更なる自傷行為を犯す可能性が高い。

 最後に、ウクライナにおけるNATO主導の代理戦争で、ロシアは決定的勝利を収めつつある。現段階で、キーウ政権の防空体制は機能していない。従って、軍事的勝利者であるがゆえに、紛争終結に向け、ロシアは戦略的条件を主張できるし、そうするだろう。

 ロシアに対するトランプの最後通牒は、単なる虚勢とはったりに過ぎない。かつて、ウクライナの傀儡ゼレンスキー大統領を「使えるカードがない」と彼は嘲笑した。トランプ自身、いかに勇ましい言動をしようと、デュース、二組しかないのだ。

 50日後、NATO代理戦争におけるウクライナの敗北がより明白になれば、トランプ大統領は相当恥をかくことになろう。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/07/18/trumps-ultimatum-to-russia-is-bluster-and-bluff-to-hide-proxy-war-defeat/

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 Alex Christoforou Youtube モスククワから
BRICS fading fast. Zelensky begs Istanbul meeting. Merz tricked. UK/NATO prepare two front war 36:30
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