イラク侵略後、イランに関する戦争の嘘を信じる口実などありえない

「なんてこった 核兵器!」黙れ、阿呆。2025年にもなって、インターネットにアクセスできる良い大人が、こんな馬鹿げた戯言を鵜呑みにするなどバカか邪悪かどちらかだ。
ケイトリン・ジョンストン
2025年6月17日
物語のマトリックスの端からのメモ
この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
❖
我々全員がイラク侵略を見た後、イランに対する戦争プロパガンダを信じる口実など全くありえない。
「なんてこった 核兵器!」黙れ、阿呆。2025年にもなって、インターネットにアクセスできる良い大人が、こんな馬鹿げた戯言を鵜呑みにするなどバカか邪悪かどちらかだ。
❖
現在、イランとの停戦を求めたり推進したりする意図はないとドナルド・トランプ大統領は述べ、その代わり、イランの「完全降伏」を求めていると記者団に語った。
「私はあまり交渉したい気分ではない」とトランプは語った。
今後数日中に米軍がイランの標的となるのを懸念しているかと記者団に問われた大統領は「もし彼らが我が国民に何かしたら我々は厳しく対処する。手加減しない。我々の軍隊に手を出してはいけないことを彼らは知っていると思う」と答えた。
これは愚かで狂った嘘だ。アメリカがイラン領土を攻撃した場合、この地域の米軍基地を攻撃するとイランは明言している。誰かを殴れば、殴り返されるのは当然だ。
もしトランプ大統領が米軍にイラン爆撃を命令するなら、それは彼が戦争を始めたいと思っていて、それを承知の上で選択したためだ。
❖🚨🇮🇷🇺🇸 US President Trump's full words on Iran:
— The Saviour (@stairwayto3dom) June 17, 2025
“I want a real end - a complete surrender of the nuclear program.” pic.twitter.com/CiJASdhe7z
現在イランに関して我々に報じられている最も愚かな言説の一つは、イスラエルはイランの高レベル標的を精密攻撃しているが、イランはイスラエルの至る所で民間人を爆撃しているという主張だ。
死者数をざっと見れば、これが明らかに誤りであることが分かる。本稿執筆時点での公式発表では、イランによるイスラエル人死者は24人、イスラエルによるイラン人死者は224人となっている。大半は民間人だと報じられている。金曜日に連中は住宅棟を爆撃し、子ども20人を含む60人が死亡した。
❖
月曜日、イランのテレビ局に対するイスラエル国防軍の攻撃についてイスラエルのカッツ国防相はツイッターで胸を張って語り「イラン政権の宣伝扇動放送局は、地域の住民が広範囲に避難した後、イスラエル国防軍の攻撃を受けた」と述べた。
現在、誰かがプロパガンダだと判断すれば、メディアを爆撃しても構わないというこの新しい規則について、イスラエルの情報権益を推進するために国民を欺いている欧米諸国報道機関は、一体どう感じているのだろう。
❖
皆、トランプにそんなに厳しく当たるべきではない。もし誰かが、児童に対するあなたの性的虐待ビデオを漏洩すると脅したら、あなただってイランと戦争を始めるはずだ。
❖
対イラン戦争は、本当は核兵器が狙いなのではない。もし核兵器が狙いなら、当初の意図通り機能している核合意をイランは守っている。ガザでの虐殺は、ハマスや人質が狙いではない。人質が狙いなら、ハマスを標的にするか、人質解放を交渉していたはずだ。
全部嘘だ。イランに対する戦争は、地域覇権をめぐる争いで、ガザでのジェノサイドは、パレスチナ領土からパレスチナ人を全員排除したいイスラエルの長年の願望が原因だ。これは自衛の問題ではなく、領土と権力の問題で、ずっとそうなのだ。
❖
ちなみに、ガザに反戦派がこれほど注力している理由の一つは、まさにこれだ。目の前で恐ろしいジェノサイドが起きているだけでなく、イスラエルの欧米同盟諸国を巻き込んだ地域戦争に発展するリスクを常に抱えているためだ。ガザ紛争はヨルダン川西岸、レバノン、イエメン、シリア、そして昨年はイランにも拡大し、今やイスラエルとイランの全面戦争へと発展し、アメリカも参戦する構えだ。
20ヶ月間、なぜガザ問題にばかり集中し、あれやこれやの紛争や外交政策問題に余り注意を払わないのかと私は人々から問われている。これが理由だ。ガザ問題自体が悪夢だが、同時に、遙かに酷い事態に発展する可能性がある火薬庫でもあるためだ。
_________________
私の記事は完全に読者の皆様のご協力で成り立っている。もしこの記事を気に入っていただけたら、寄付箱に少しお金を投じられる方法がいくつか、ここにある。メーリングリストや、ソーシャルメディアや、書籍や、グッズや、各記事のオーディオ/ビデオ版へのリンクはこちらをクリックしてください。私の記事は全て、海賊版制作や再出版や翻訳やグッズへの使用など、あらゆる方法で自由にご利用いただける。全ての記事は夫のティム・フォーリーとの共著。
ビットコイン寄付: 1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/06/17/after-iraq-theres-no-excuse-for-buying-the-war-lies-about-iran/
----------
The Chris Hedges Report
War Deja Vu
The lies told to ignite the war with Iraq have been resurrected to ignite a war with Iran. The assessments of intelligence agencies and international bodies are dismissed, replaced by hallucinations.
Chris Hedges
Jun 19, 2025
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トランプは就任後数ヶ月、イスラエルによるイランの核開発計画への攻撃阻止。圧力後、イスラエル攻撃支持へ変化。ネタニヤフ首相2月訪米。トランプ氏に金メッキのポケベル贈呈。これはイスラエルが秘密裏に爆発物を仕掛け、ヒズボラ工作員に売却した物と同じ物。トランプ、メッセ―ジ理解。
« イスラエルがイランを爆撃しつつある。将来のニューヨーク・タイムズ見出しの一例はこうだ。 | トップページ | ライオンと約束 »
「イラン」カテゴリの記事
- 不条理の頂点に至った「テロリズム」に関する帝国の偽善(2025.07.11)
- アメリカとイスラエルによるイラン攻撃と国際秩序の崩壊(2025.07.07)
- イスラエルが戦争に負けた証拠はこれだ(2025.07.04)
「イラク」カテゴリの記事
- マイク・ハッカビーは狂気のアルマゲドン信者(2025.06.24)
- イラク侵略後、イランに関する戦争の嘘を信じる口実などありえない(2025.06.20)
- クレイグ・マレー - 中東における多元主義の終焉(2024.12.09)
- 欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている(2024.11.30)
「NATO」カテゴリの記事
- プーチン大統領:欧米諸国とロシアの対立はイデオロギーの問題ではない(2025.07.16)
- ウクライナ - ドローン大量生産ではロシアが優位(2025.07.13)
- アメリカとイスラエルによるイラン攻撃と国際秩序の崩壊(2025.07.07)
「イスラエル・パレスチナ」カテゴリの記事
- アメリカとイスラエルによるイラン攻撃と国際秩序の崩壊(2025.07.07)
- イスラエルが戦争に負けた証拠はこれだ(2025.07.04)
- 自らの残虐行為をイスラエル軍兵士が述べるのは反ユダヤ的だとネタニヤフ首相(2025.06.30)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- 不条理の頂点に至った「テロリズム」に関する帝国の偽善(2025.07.11)
- 自らの残虐行為をイスラエル軍兵士が述べるのは反ユダヤ的だとネタニヤフ首相(2025.06.30)
- トランプ大統領がイランを爆撃した。次に起きることは彼の責任だ。(2025.06.27)
« イスラエルがイランを爆撃しつつある。将来のニューヨーク・タイムズ見出しの一例はこうだ。 | トップページ | ライオンと約束 »
コメント