イスラエルの戦争を論じるための諸規則、再確認

規則4:イスラエルには自国を防衛する権利があるが他の国々にその権利はない。
ケイトリン・ジョンストン
2025年6月13日
この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
さて、イスラエルが始めた最後の戦争から数ヶ月が経った。イランが危機に瀕している今、もう一度規則を確認しよう。
規則1:イスラエルは決して侵略者ではない。イスラエルが誰かを攻撃する場合、それは過去に起きた侵略への報復、もしくは将来起こりうる差し迫った侵略を阻止するための先制攻撃かのいずれかだ。
規則2:歴史はイスラエルに対する最後の侵略行為の日付から自動的に再開される。誰かがイスラエルを攻撃した場合、それは全く無謀な行為だ。なぜなら、イスラエルへの攻撃前に何も起きていなかったからだ。
規則3:イスラエルが行う悪いことは全て規則 2により正当化される。これは、ロシアや中国のような国が行えば全く正当化できないとみなされるようなことをイスラエルが行う場合にも当てはまる。
規則4::イスラエルには自国を防衛する権利があるが、他の国々にはその権利はない。
規則5:イスラエルが民間人を爆撃することは決してない。爆撃するのは悪人だ。もし驚くほど多くの民間人が亡くなったとしても、それは彼らが実は悪人だったか、悪人に殺されたか、あるいは悪人が彼らのすぐ近くにいたためだ。もしこれら理由のいずれにも当てはまらないなら、それはイスラエル国防軍の調査を待っている何か別の不可解な理由によるものだ。
規則6:イスラエルの行動を批判するのは、ユダヤ人を憎んでいることを意味する。少数葉のアブラハム宗教に対する沸き立つほどの執拗な憎悪以外に、イスラエル軍による大量虐殺行為に反対する理由は考えられない。
規則7:イスラエルの行為は、規則6で述べた憎悪に満ちた批判ほど酷いものではない。イスラエルの行動に対する批判は、常にイスラエルの行動そのものよりも酷いものだ。なぜなら、批判者たちはユダヤ人を憎み、新たなホロコーストを起こそうとしているからだ。これを阻止するため、我々の政治的エネルギーと関心を100%注ぎ込まなければならない。
規則8:イスラエル人は常に被害者で、決して加害者ではない。イスラエル人がイラン人を殺すのは、イラン人がユダヤ人を憎んでいるからだ。イラン人がイスラエル人を殺すのは、イラン人がユダヤ人を憎んでいるからだ。イスラエルはただ平和に自分のことだけを考えている罪のない小さな子羊だ。
規則9:イスラエルが文字通り常に近隣諸国や避難した先住民と戦争状態にある事実は、規則8が馬鹿げたたわ言だという証拠ではなく、規則 8が真実である証拠として解釈されなければならない。
規則10:イスラム諸国の人々の命は、我々にとって欧米諸国やイスラエルの人々の命よりも遙かに重要ではない。なぜそうなのか深く考えることは誰にも許されない。
規則11:イスラエルとその様々な紛争についてメディアは常に真実を伝える。もしあなたがこれを疑うなら、規則6に違反している可能性がある。 規則12:イスラエルの敵を否定的に描写する根拠のない主張は、事実確認や限定なしに事実に基づくニュース記事として報道できる。一方、イスラエルの犯罪行為に関する広範な証拠に基づく記録は、極めて懐疑的な態度で報道し、「イランの主張」「ヒズボラの発言」「ハマスが運営する保健省によると」といった疑わしい修飾語を用いなければならない。これは重要だ。さもないと、プロパガンダだと非難される可能性があるからだ。
規則13:イスラエルは、いかなる犠牲を払おうが、どれほどの人々が死なねばならないにせよ、現在の形態で存続し続けなければならない。その理由を論理的または道徳的に裏付けるいかなる理由も提示する必要はない。もしこれに異議を唱えるなら、規則6に違反している可能性が高い。
規則14:アメリカ政府はこれまで何についても嘘をついたことがなく、あらゆる紛争において常に正しい側に立っている。
規則15:イスラエルは中東における自由と民主主義の最後の砦であるため、たとえ何人のジャーナリストを暗殺しなくてはならないにせよ、どれだけ多くの報道機関を閉鎖しなくてはならないにせよ、どれだけ多くの支持者が抗議活動を解体しなくてはならないにせよせ、どれだけ多くの言論の自由を排除しなくてはならないにせよ、どれだけ多くの西側諸国の支援者が公民権を抹消しなくてはならないにせよと、どれだけ多くのロビイストが選挙を買収しなくてはならないにせよ、イスラエルは守られなければならない。
___________________
私の記事は完全に読者の皆様のご協力で成り立っている。もしこの記事を気に入っていただけたら、寄付箱に少しお金を投じられる方法がいくつか、ここにある。メーリングリストや、ソーシャルメディアや、書籍や、グッズや、各記事のオーディオ/ビデオ版へのリンクはこちらをクリックしてください。私の記事は全て、海賊版制作や再出版や翻訳やグッズへの使用など、あらゆる方法で自由にご利用いただける。全ての記事は夫のティム・フォーリーとの共著。
ビットコイン寄付: 1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
画像はAdobe Stockより。
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/06/13/refresher-on-the-rules-for-discussing-israeli-wars/
----------
The Chris Hedges Report
Q&A: Genocide in Gaza, Political Assassinations in America and War With Iran 1:04:00Come ask a question. We are discussing the developing war with Iran.
Chris Hedges
Jun 17, 2025
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
元CFR(外交問題評議会)会長リチャード・ハース氏「イスラエルは明確な目的を示さず、米国の支援なしにイランの核開発計画を完全に破壊することも、空爆だけでイラン政府を転覆させることもできない。イラン・イスラエル戦争は「長期にわたって混沌とした状態が続く可能性がある」
« 自殺願望のブルキナファソ、イブラヒム・トラオレ大統領 | トップページ | イスラエルがイランを爆撃しつつある。将来のニューヨーク・タイムズ見出しの一例はこうだ。 »
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- ウクライナ - ドローン大量生産ではロシアが優位(2025.07.13)
- 不条理の頂点に至った「テロリズム」に関する帝国の偽善(2025.07.11)
「NATO」カテゴリの記事
- プーチン大統領:欧米諸国とロシアの対立はイデオロギーの問題ではない(2025.07.16)
- ウクライナ - ドローン大量生産ではロシアが優位(2025.07.13)
- アメリカとイスラエルによるイラン攻撃と国際秩序の崩壊(2025.07.07)
「ロシア」カテゴリの記事
- プーチン大統領:欧米諸国とロシアの対立はイデオロギーの問題ではない(2025.07.16)
- ウクライナの優先事項:戦争の最中に、ポルノ合法化を目指すキーウ政権(2025.07.15)
- ウクライナ - ドローン大量生産ではロシアが優位(2025.07.13)
- キーウの絶望を反映するドンバスにおけるウクライナ民間人攻撃(2025.07.09)
「イスラエル・パレスチナ」カテゴリの記事
- アメリカとイスラエルによるイラン攻撃と国際秩序の崩壊(2025.07.07)
- イスラエルが戦争に負けた証拠はこれだ(2025.07.04)
- 自らの残虐行為をイスラエル軍兵士が述べるのは反ユダヤ的だとネタニヤフ首相(2025.06.30)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- 不条理の頂点に至った「テロリズム」に関する帝国の偽善(2025.07.11)
- 自らの残虐行為をイスラエル軍兵士が述べるのは反ユダヤ的だとネタニヤフ首相(2025.06.30)
- トランプ大統領がイランを爆撃した。次に起きることは彼の責任だ。(2025.06.27)
「ウクライナ」カテゴリの記事
- ウクライナの優先事項:戦争の最中に、ポルノ合法化を目指すキーウ政権(2025.07.15)
- ウクライナ - ドローン大量生産ではロシアが優位(2025.07.13)
- キーウの絶望を反映するドンバスにおけるウクライナ民間人攻撃(2025.07.09)
- イスラエルの戦争を論じるための諸規則、再確認(2025.06.17)
« 自殺願望のブルキナファソ、イブラヒム・トラオレ大統領 | トップページ | イスラエルがイランを爆撃しつつある。将来のニューヨーク・タイムズ見出しの一例はこうだ。 »
コメント