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2025年5月19日 (月)

中東でのトランプ大統領の芝居じみた振る舞いは、ビビに身の程を思い知らせるのが狙い



マーティン・ジェイ
2025年5月16日
Strategic Culture Foundation

 この地域におけるアメリカ外交政策をトランプ大統領は文字通り掌握し、イスラエルによる平和破壊の試みを押し戻している。

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 ホワイトハウスでベンヤミン・ネタニヤフ首相と会見した際、あの下品な不朽の名言「この辺りの超大国は一体誰だ?」と記者会見で呟いたのはビル・クリントンだったろうか? 問題は、イスラエルと、中東での、その活動をアメリカが支配しているのか、それとも実際は、イスラエルがアメリカを支配しているのか、ということだった。

 ここ数ヶ月、バイデン政権と、続くトランプ政権両方で、アメリカ外交政策をイスラエルが掌握していると多くの評論家が主張しており、中には支配は中東地域にまで及んでいると推測する者もいる。大統領執務室で、トランプ大統領がビビの座席位置を大いに調整したと、こうしたオンライン評論家連中は大々的に報じた。

 だが、尻尾が犬を振り回すという考え方は、かつてはある程度真実だったかもしれないが、今やトランプが正面から、それに取り組んでいるのが分かる。

 トランプ大統領の中東訪問と、民間人爆撃の好戦的姿勢を嘲笑したサウジアラビアでの印象的演説は、イスラエルのネタニヤフ首相への直接的メッセージだった。「アメリカは復活した」。

 この地域におけるアメリカ外交政策をトランプ大統領は文字通り掌握し、ガザやレバノンやシリアや、もちろんイランにおける平和への道を破壊しようとするイスラエルの試みを押し戻そうとしている。

 アラブの春で革命をもたらしたかに見えたチュニジアが残忍な弾圧の限界のない独裁政権の代表例となり奈落の底に落ちつつある地域の厳しい時期にこの動きが起きている。

 ネタニヤフに関し、トランプと彼の「明らかな兆候」を多くの専門家が指摘し、中には両首脳は、もはや会話さえしていないと主張する者もいる。ネタニヤフを無視して、トランプはイランと対話し、フーシ派と交渉し、今やシリア制裁を撤回した。

 アメリカの支援を受けてイラン攻撃をするなどイスラエルは夢にも思えないため、ネタニヤフ首相の魔力は失われた。今や、トランプ大統領はガザ支援を主張しているが、パレスチナ人が独自の国家を持つよう主張するまでには至っていない。

 だが、シリアに対する彼の行動は多くを物語っている。イスラエルの計画は、シリア内戦でイスラエルが支援した通り、頻繁に首を切る過激派に主導権を握らせて、常に騒乱を巻き起こすことだった。そうすることで、混乱に乗じて、かつて常時テヘランとベイルート間にあった経路を常に彼らは遮断し続けられる。

 全ての制裁を解除するトランプ大統領発表は、この発表自体、時期尚早と判明するかもしれないが、誰が主導権を握っているか示すためのドナルドの策略とみているビビには歓迎されるまい。

 アメリカの「テロ支援国家」指定を変更できるのは議会のみで、その実現にはトランプ大統領が議会に訴えなければならないとリンジー・グラハム上院議員は述べている。

 「その報告書はまだ受け取っておらず、議会は望めば、この措置を再検討する機会がある。シリアをテロ支援国家に指定したことは、制裁措置以外にも甚大な影響がある」とグラハム上院議員は述べた。制裁解除前に議会に通知する必要があると同議員は確信しており、議会は「指定変更を承認すべきかどうかについて、十分な情報に基づいた判断を下す」と述べた。だが同時に、イスラエルの意見も重要で、議会はネタニヤフ首相に相談するだろうとも述べた。そのため、リヤドの演壇でトランプが何を言おうと、シリアの運命は未だ決まっていないと言って過言ではない。ビビとトランプは今まさに衝突しそうな気配で、地域平和に本気なのと同時に、イスラエルは好戦的な姿勢を捨てるべきだとイスラエル首相に示すために、どんな手段をトランプが講じても、驚くべきではない。これには最近フランスとイギリスが推進している二国家共存案支持も含まれる可能性がある。そこで、誰が真の超大国で、誰が属国か明らかになるだろう。トランプ政権にビビが屈するまで、シリアとガザの運命が彼が自ら背負い込んだ災いとして利用されるのはほぼ確実だ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/05/16/trump-middle-east-theatricals-were-all-about-putting-bibi-in-his-place/

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