ジェノサイドに反対するのは反ユダヤ主義だと言うのは、小児性愛に反対するのは反カトリックだと言うのと同じだ

ほとんどの紛争には二つの側面がある。だが、この紛争には二つの側面はない。
ケイトリン・ジョンストン
2025年4月15日
物語のマトリックスの端からのメモ
この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
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日曜日、イスラエルはアル・アハリ・アラブ・バプテスト病院を爆撃した。イスラエルが2023年10月に爆撃をしていないと激しく主張し、そうでないと主張する人々を反ユダヤ主義だという「血の中傷」で非難した病院として読者の皆様は記憶されているかもしれない。聖公会エルサレム教区の声明によれば、ガザ攻撃開始以来、この病院が爆撃されるのはこれで五回目だ。
予想通り、病院にハマスの基地があったとイスラエル国防軍は主張している。いつものことだ。病院はハマス、救急車はハマス、ジャーナリストはハマス、国連はハマス、学校はハマス、子どもたちはハマス、ガザの建物は全てハマスだ。そして、これに異議を唱える人々もハマスだ。
ああ、これも古びる。
❖ 2023年10月 イスラエル:アル・アハリ・バプテスト病院を爆撃したなんて、よくもそんなことができるものだ。病院を爆撃するなどありえない!
2023~2025年 イスラエル:*ガザ地区の全ての病院を爆撃*
2025年4月 イスラエル: アル・アハリ・バプテスト病院を再び爆撃。
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大量虐殺に反対するのは、ユダヤ人に対する憎悪だと言うのは、児童の性的虐待に反対するのは、カトリック教徒に対する憎悪だと言うようなものだ。
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欧米シオニストたちはこう言うだろう。「イスラエルに対する、あらゆる憎悪のせいで私は不安で危険を感じる!」
本当に? あなたは本当にそう感じているのだろうか? 本当に罪悪感ではないのだろうか? あなたが支持する大量虐殺で死んだ子どもへの胸が張り裂けるような罪悪感は? それとも、あなたの世界観が根本的に間違っているため認知的不協和に陥っているのか?
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私がイスラエルを嫌っていると良く人に言われるが、それが悪いことであるかのように人々が言うのが不気味だ。
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これまでのところ「平和の大統領」はイエメンで容赦ない爆撃作戦を開始し、ガザの虐殺を再燃させ、イランとの戦争に備えてアメリカ軍事機械を西アジアに移転させ、同時に史上初の一兆ドルの国防総省予算を発表する準備も進めている。
トランプはバイデンと同じくらい酷い戦争屋だ。もしイランと戦争になったら、彼の方が遙かに酷いことになるだろう。彼はウクライナでの停戦すらできていない。
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ガザの子どもの殺害に最も協力している欧米諸国の政治勢力は「ワーイ、アラブ人を殺せ」と叫ぶ極右狂信者ではなく、「まあ事態は非常に複雑で、どちら側も、お互い憎み合っており、何千年も戦争を続けているんだ」と状況を傍観する、いわゆる穏健派だ。
後者は、欧米の主流言説で遙かに広く受け入れられているので遙かに破壊的だ。ガザのあらゆる生物を絶滅させたいと言っているようでは、トークショーで良いリベラル派にはなれないが、解決不可能な古代の紛争や、その全ての複雑さについて口ごもれば、欧米帝国による激しいジェノサイドの支援を皆が許すよう促しながら、曖昧な進歩主義的自己イメージを維持できるのだ。
そんなことは全くたわ言だ。複雑な話ではない。まさに目にしている通りだ。史上最強の帝国に支援された軍隊が、子どもで一杯の巨大強制収容所に爆弾を降らせ、望ましくない人々を根絶やしにしようとして絶滅と民族浄化作戦を展開しているのだ。ほとんどの紛争には二つの側面がある。だが、この紛争には二つの側面などない。
これは古代の紛争ではなく、第二次世界大戦後、欧米諸国が、既に存在している文明の上に、全く新しい入植植民地主義民族国家を押し付けたことから始まった数々の虐待の集大成なのだ。欧米帝国主義者が、まるで足にガラスの破片を突き刺すように、人為的アパルトヘイト国家をこの地域に無理やり押し込み、その後、必要な暴力を行使してそれを維持しなければ、第二次世界大戦後、中東は世界の他地域同様、より平和的な現状に落ち着けたはずだ。
第二次世界大戦後、ガラスの破片を足に入れるように、欧米帝国主義者が人工的アパルトヘイト国家をこの地域に強引に押し込み、必要なあらゆる暴力で、それを維持しなければ、世界の他地域と同様に、中東が、より平和な現状に落ち着けなかったと考える理由はない。
確かに、世界大戦以前、中東では多くの暴力行為があったが、アメリカやヨーロッパの歴史を読んだことがある人なら、これが中東特有のことではなく、世界中で当然のことだったのはご存知だろう。第二次世界大戦の後、ようやく事態は少し落ち着き、欧米諸国は、より平和的な現状に慣れていったのだ。中東がその動きに加われなかった唯一の理由は、欧米諸国による積極的介入があったためだ。
「ああ、イスラエル人はパレスチナ人を憎んでいて、パレスチナ人はイスラエル人を憎んでいる。どちらが正しいと一体誰が言える?」と肩をすくめて言うだけで、この主流派の主張は、自国の指導者連中が支援する進行中のジェノサイドを阻止するためできる限りのことをするのでなく、事態をあるがままに放置すべきだという考え方を暗黙のうちに推進しているのだ。しかも、これは社会で発言力ある人々のほとんどが主張している立場だ。彼らは単に協力しないだけでなく他の人々が協力するのを阻んでいる。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/04/15/saying-its-antisemitic-to-oppose-genocide-is-like-saying-its-anti-catholic-to-oppose-pedophilia/
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