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2025年4月 1日 (火)

イエメン爆撃に関するトランプ陣営のSignalチャットについての考察



メッセージに帝国経営者が、どれほど重点を置いているか私は常に興味をそそられてきた。彼らが重点を置いているのは、悪事をすべきかどうかではなく、これから行う悪事について、どのような物語を大衆に売り込むかだ。

ケイトリン・ジョンストン
2025年3月27日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 アトランティック誌が、今月初めに行われたSignalチャットの全内容を公開した。そこでイエメンで大統領が始めようとしている爆撃作戦についてトランプ政権高官が話し合っていた。

 現在、アメリカの主流政治で、トランプ陣営が会話を公表しなかった不注意について、大スキャンダルが起きている。トランプ大統領の国家安全保障担当大統領補佐官マイク・ウォルツが、誤ってアトランティック誌編集長ジェフリー・ゴールドバーグをチャットに参加させてしまったのだが、残ってこれら好戦的な沼の怪物が何をしているかを観察する実際のジャーナリズムを行う代わりに、ゴールドバーグは、すぐその場を去った。ゴールドバーグがこのようなことをしたのは、彼が実際はジャーナリストでなく、今のアメリカ・メディアで活動する最も悪質な戦争プロパガンダ屋の一人で、サダム・フセインとアルカイダを結びつける偽記事を発表して、イラク侵攻への同意をでっち上げたことで有名だからだ。彼は元イスラエル国防軍の刑務官でもある。

 主流政治討論で余り議論されないのは、爆撃そのものの悪質さや、短いメッセージのやり取りに見られるトランプ陣営の民間人殺害に対する熱狂ぶりだ。標的がアパートに入るまで米軍が待ち、その後空爆で建物をなぎ倒し、政権の他メンバーからデジタル上で拍手喝采を浴びた様子をウォルツはグループに説明した。

 「最初の標的のミサイル担当のトップは、ガールフレンドの建物に侵入したのがはっきり確認できたが、建物は崩壊してしまった」とウォルツは語った。

 「素晴らしい」とJD・ヴァンス副大統領は答えた。

 「素晴らしい仕事だ」とピート・ヘグゼス国防長官は言った。

 「全員に、特に戦域と中央軍の皆様に称賛を送る。実に素晴らしい。神のご加護がありますよう」とホワイトハウスのスージー・ワイルズ首席補佐官は述べた。

 「素晴らしい仕事と効果だ!」とトゥルシー・ギャバード情報長官は答えた。

 ウォルツとトランプ大統領中東特使スティーブ・ウィトコフは祝福の絵文字を多数投稿している。

 民間人で一杯のアパート爆撃に、このように反応するには心がどれだけ狂っているか想像願いたい。人間としてどれだけ狂っているか。こういう変人が世界を支配しているのだ。


 signalチャットで私が衝撃を受けたもう一つのことは、トランプ内閣より、トランプ支持者の方が、イエメンを爆撃する必要があると遙かに確信していることだ。イエメンに対する進行中のトランプ戦争を私が批判するたびに、彼のカルト信者連中が「世界の航路を守るためフーシ派を爆撃する必要があるのは明らかだ。トランプに他に選択肢があったのか?」と返信してくる。だがチャットをスクロールしていくと、それに関する意見はまちまちで、直ちに攻撃を開始する緊急性はないことを認め、爆撃を「メッセージを送るために」利用できるという、とんでもない内容が書かれている。

 トランプ支持者たちはトランプの尻を舐めすぎて、トランプが任命した政府職員連中よりトランプの好戦主義を支持している。

 実際は、この紛争全体は、イスラエルに対して持つ影響力をアメリカが利用して、ハマスとの停戦協定を遵守させれば避けられたはずのだ。そもそもイエメン軍が船舶攻撃を始めた唯一の理由は、ガザでの大量虐殺的残虐行為に対するイスラエル封鎖だった。停戦が成立するとすぐ攻撃は止み、イスラエルがガザ地区全体に対する大量虐殺的飢餓封鎖を発表して初めて、封鎖を再開するつもりだとフーシ派は発表したのだ。フーシ派対応はアメリカに任せろとトランプ政権がイスラエルに告げて、まさにそれが起きたのだ。


 だが私にとって今最も目立っているのは、空爆に関して政権の「メッセージ」はどうあるべきかをピート・ヘグゼスが語っている会話部分だ。

 攻撃前にヘグゼスは次のように書いている。  
「メッセージはいずれにせよ問題になると思う。フーシ派が何物か誰も知らない。だからこそ我々は1)バイデンの失敗と2)イランの資金提供に焦点を当て続ける必要がある。」
 メッセージに帝国運営者がどれほど重点を置いているか私はいつも興味をそそられてきた。彼らが重点を置いているのは、悪事をすべきかどうかではなく、これから行う悪事について、どのような物語を大衆に売り込むかだ。

 ここで、イエメンに対する今後の爆撃作戦に関する政権の「メッセージ」の課題について、また(1)バイデンがその責任を負っていること(2)フーシ派が「イランから資金提供を得ている」ことに関する国民への物語を確立する必要性をヘグゼスは語っている。

 イスラエルの大量虐殺の権利を守るため、既に戦争で荒廃し極貧状態にある国に爆弾を降らせることが倫理的かどうかという問題を提起する人は皆無だ。ヘグゼスの関心は、そうした行為を正当化するため、国民にどのような物語を語るかということだけにある。

 世界を支配しているのはこのような連中だ。彼らはこのように考えているのだ。

 言説支配が全てであることを権力者は理解している。権力とは、起きることを支配する能力だが、究極の権力とは、起きることについて人々がどう考えるかを支配する能力だ。人間の意識は精神的な物語に支配されているため、現実について人間がどのような物語を信じるかを支配できれば、人間を支配できるのだ。


 言説を支配する必要性こそが、アメリカ帝国がソフトパワーに多額の投資をし、史上最も洗練されたプロパガンダ装置を保有している理由だ。パレスチナ人ジャーナリストがガザで殺害され、欧米ジャーナリストが入国を許されない理由だ。親パレスチナ活動家が沈黙させられ、国外追放される理由だ。インターネットが益々攻撃的に検閲されている理由だ。ジュリアン・アサンジが何年も刑務所で過ごした理由だ。

 一般に人を操る人々と同様、言説支配に帝国は多大な投資をしている。悪質なナルシストや社会病質者と不幸にも知り合いになったことがあるなら、連中が自分や周囲の人々に関する社会的物語を操作するのに膨大なエネルギーを注ぐ傾向があるのを知っているだろう。人々を操る連中は言説支配の威力を理解しているが一般の人々は理解していない。

 そして、それが世界が今のような姿になっている理由なのだ。人々を操る権力を持った連中はこの力学を理解しているが、他の人々は一般的に理解していない。目の前に示された情報から、何が起きていて、世界がどう機能するかに関し、多かれ少なかれ正確な状況を見ていると普通の人々は思い込む傾向があるが、人々が得る情報は、権力者に常に歪められ、流され、操作され、支配者連中の利益になっていることは理解していない。

 そうやって同意がでっちあげられるのだ。そうやって戦争が正当化されるのだ。そうやって革命が抑圧されるのだ。そうやって現状政治のが維持されるのだ。そうやって国民は毎年騙され、同じことを繰り返しながら、略奪され、騙され、搾取され、貧困に陥れられ、検閲され、抑圧され、洗脳され、環境災害に追いやられる。

 世界の本当の通貨は、金でも、官僚の法定通貨でも、戦争機械でもない。世界の本当の通貨は、言説とそれを支配する能力だ。十分な数の人々がこの現実に目覚めるまで、災害とディストピアへと我々は操られ続けるだろう。

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 記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/03/27/thoughts-on-the-trump-teams-signal-chat-about-bombing-yemen/

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 Alex Christoforou Youtube 帝国の狙いは、27年のルペン大統領選出馬事前阻止工作。
Empire Strikes Le Pen. Trump, BIG PROBLEMS Elensky. NYT, Ukraine spoiled Biden victory over Russia 45:44
ロイター ルペン氏に有罪判決、次期大統領選への出馬困難に 仏裁判所

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
引用:鳩山友紀夫(由紀夫)中谷防衛相と会談したヘグセス米国防長官は、西太平洋で有事に直面した場合、日本は前線に立つことになると述べた。日本に直接危機が及ばなくても日本は戦争に参加するのだ。
 ミャンマーの大地震や内戦記事を読みながら2020年5月22日に書いた記事を思い出す。
「大英帝国は、いかにしてジョージ・オーウェルを生み出し、殺したか」
 文中でふれた興味深い本『ミャンマーという国への旅』(英語原題はFinding George Orwell in Burma)もはや絶版だが古書は驚くような安価で買える。  

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