Atlantic誌:消耗を無視すれば、ウクライナが勝つ
2025年3月8日
Moon of Alabama
『Atlantic』誌で二人の軍事歴史家が次のように主張している。
消耗戦…:
従って、どちらかの側が消耗によって負けると主張する記事では、その主張を裏付けるために、紛争双方の数字を示して、それらを比較する必要がある。
Atlantic誌記事の著者は比較できなかった。
ロシアの経済状況、ロシア装甲車の損失、ロシアの人手不足について彼らは言及しており、これら全てが悪いと主張している。だがウクライナの経済状況や、その損失や深刻な人手不足は一切書いていない。
彼らが引用している情報源は、疑わしいものから笑止千万なものまで様々だ。
その後、著者たちは論点を変える。ロシアの損失を指摘しながら、ウクライナの損失を無視していた著者たちは今度はウクライナの生産成功を指摘する。
次の段落には著者が読者に仕掛けようとしているもう一つの抜け目ない策略がある。
この戦争では、かつて有名だった大型重砲ではなく、ドローンがロシアとウクライナの死傷者の約70%をもたらしているとウクライナ議会の防衛情報委員会委員長ロマン・コステンコは述べた。一部の戦闘では、ドローンによる死傷者数は更に多く、死傷者の80%にも上ると指揮官らは述べている。
[補足: 私自身としては、どちらの数字にも疑問を抱いている。FPVドローンによる死傷者の映像を我々は多数見るが、それは全てのドローンにカメラが搭載されているためだ。歴史的に戦場での死傷者の70~80%の原因となっている砲撃は発砲を止めておらず、効果も失われていない。双方とも一日あたり約10,000発以上の砲弾を発射している。これは年間700万発以上の砲弾に相当する。100万台のドローン (その多くは故障) は射撃による被害を増加させるが、砲撃に取って代わるものではない。ドローンは、他の全ての武器と同様、ゲームの一部ではあるが、形勢を一変させるわけではない。]
Atlantic誌に戻ると、ロシアは消耗戦に負けている主張している。
いくつかの問題におけるロシアの問題や他の問題におけるウクライナの成功について著者らは言及している。だが双方の損失や成功の比較を一つもしていない。彼らの結論は…
とは、いかなる証拠にも裏付けられていない。
これ以上優れたプロパガンダを兵器産業が考え出せないのは嘆かわしい。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2025/03/atlantic-when-we-ignore-its-attrition-ukraine-wins.html#more
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Alex Christoforou Youtube
Moon of Alabama
『Atlantic』誌で二人の軍事歴史家が次のように主張している。
ロシアは消耗戦で負けつつあるふーむ ...
消耗は戦争の条件であるだけでなく、戦略的選択でもあるため、戦争がこれほど決定的に勝利することはめったにない。消耗を賢く利用することで、より小さい国が自らの狙いの推進に成功することが可能なのだ。
消耗戦…:
...とは、人員や物資や士気の継続的損耗により、敵を崩壊寸前まで弱体化させて、戦争に勝利しようとする好戦的な試みからなる軍事戦略だ。消耗戦には二つ(またはそれ以上) の側面がある。どちらが勝っているかを知るには、それぞれの側の能力と損耗を見積もる必要がある。必要な資源を最初に使い果たした側が競争に負ける。
従って、どちらかの側が消耗によって負けると主張する記事では、その主張を裏付けるために、紛争双方の数字を示して、それらを比較する必要がある。
Atlantic誌記事の著者は比較できなかった。
ロシアの経済状況、ロシア装甲車の損失、ロシアの人手不足について彼らは言及しており、これら全てが悪いと主張している。だがウクライナの経済状況や、その損失や深刻な人手不足は一切書いていない。
彼らが引用している情報源は、疑わしいものから笑止千万なものまで様々だ。
ロシア人死傷者は着実に増加している。イギリス国防省によると、2022年12月には1日あたり約500人、2023年12月には1,000人弱、2024年12月には1,500人以上となっている。2024年だけでもロシア人死傷者は43万人近くに達し、2023年には25万人強にとどまる見通しだ。ちなみに、ウクライナの損失には全く触れられていない。
確かにイギリス防衛情報局はそう主張している。だが道理にかなっているだろうか? 2022年後半から2023年初頭にかけての血なまぐさいバフムートの戦いにおけるロシアの軍損失は、一日あたり500~600人とされている。前線が比較的静かで大規模戦闘も行われていない現在の損失は、その三倍だと言われている。これは全くあり得ない。他の欧米筋は、ロシア軍死傷者数を遙かに低くしている。
その後、著者たちは論点を変える。ロシアの損失を指摘しながら、ウクライナの損失を無視していた著者たちは今度はウクライナの生産成功を指摘する。
2024年、ウクライナ軍は120万機を超えるウクライナ製無人航空機を受領した。これは、戦争開始時にウクライナが保有していた数、ましてや生産した数より二桁多い。ウクライナの生産率は依然上昇しており、今年だけでドローン400万機の生産を目指している。もちろん、ロシアがそれ以上の量を生産していることに著者たちは触れない。
次の段落には著者が読者に仕掛けようとしているもう一つの抜け目ない策略がある。
無人機は戦場で最も効果的な兵器として大砲に取って代わったため、極めて重要だ。ある推計によると、現在ロシアの損失の70%は無人機によるものだという。ウクライナの強力な防衛産業は、ロシアや同盟諸国より迅速かつ効果的に革新を進めている。なぜなら「ロシアの損失の70%」は著者論文を擁護しているが、それも、その数字が両側に当てはまるとわかる情報源をクリックするまでだ。
この戦争では、かつて有名だった大型重砲ではなく、ドローンがロシアとウクライナの死傷者の約70%をもたらしているとウクライナ議会の防衛情報委員会委員長ロマン・コステンコは述べた。一部の戦闘では、ドローンによる死傷者数は更に多く、死傷者の80%にも上ると指揮官らは述べている。
[補足: 私自身としては、どちらの数字にも疑問を抱いている。FPVドローンによる死傷者の映像を我々は多数見るが、それは全てのドローンにカメラが搭載されているためだ。歴史的に戦場での死傷者の70~80%の原因となっている砲撃は発砲を止めておらず、効果も失われていない。双方とも一日あたり約10,000発以上の砲弾を発射している。これは年間700万発以上の砲弾に相当する。100万台のドローン (その多くは故障) は射撃による被害を増加させるが、砲撃に取って代わるものではない。ドローンは、他の全ての武器と同様、ゲームの一部ではあるが、形勢を一変させるわけではない。]
Atlantic誌に戻ると、ロシアは消耗戦に負けている主張している。
いくつかの問題におけるロシアの問題や他の問題におけるウクライナの成功について著者らは言及している。だが双方の損失や成功の比較を一つもしていない。彼らの結論は…
ウクライナは崩壊の危機に瀕しているわけではなく、消耗戦で負けつつあるのはウクライナではなくロシアだ。..
とは、いかなる証拠にも裏付けられていない。
これ以上優れたプロパガンダを兵器産業が考え出せないのは嘆かわしい。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2025/03/atlantic-when-we-ignore-its-attrition-ukraine-wins.html#more
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Alex Christoforou Youtube
KURSK cauldron tightens, media blames Trump. Elensky, obstacle to peace. EURO CBDC coming soon 37:30今朝の孫崎享氏のメルマガ題名
XGrok村上春樹氏以外ノーベル文学賞受賞の可能性、多和田葉子は言語の革新性と国際的評価から可能性高い、小川洋子は感情の普遍性と翻訳の広がりで続き、柳美里は情念と社会性が注目。彼らの受賞可能性は、作品の文学的質だけでなく、ノーベル委員会のテーマや世界情勢にも左右される。
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