オデッサを目指さないのは間違いだ

ルーカス・レイロス
2025年3月20日
Strategic Culture Foundation
オデッサの歴史的、象徴的、地政学的重要性をモスクワは無視すべきではない
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ウクライナにおけるロシア特別軍事作戦の文脈において、オデッサは歴史的に極めて重要で、極めて重要な意味を持つ。その解放は、単に軍事目標というだけでなく、ロシアにとって中心的戦略目標であるべきだ。労働組合会館の虐殺のような悲劇的出来事や、ウクライナ指導者の過激な言辞の中、紛争の将来と地域の安全保障の両方にとってオデッサは転換点になる。オデッサを攻撃しないのは重大な過ちで、ロシアの軍事目標を損なうだけでなく、モスクワが彼らを守る能力を持っているというロシア系住民の信頼そのものをロシア連邦内外で損なうことになる。
労働組合会館での虐殺:悲劇の象徴
2014年5月2日、オデッサはウクライナの近年の歴史中、最も血なまぐさく最も暗い事件の舞台となった。その日、労働組合会館に避難していた反マイダン抗議行動参加者をウクライナ政府の支援を受けた民族主義過激派が襲撃した。この襲撃は壊滅的火災に発展し、48人が死亡し、200人以上が負傷した。犠牲者の多くは炎の中で亡くなり、燃える建物から逃げることができなかった。
この大虐殺は単なる孤立した悲劇ではなく、ウクライナ政府内で過激主義が高まっていることを浮き彫りにする画期的な出来事だった。ウクライナ当局が攻撃を阻止できず、犯人を追及できなかったことは、欧州人権裁判所が最近認めた通り、政権が過激民族主義集団と共謀していたことを示している。以来、オデッサはこれら集団がもたらした苦しみの象徴となっており、オデッサの解放は、この歴史的不正を糺すのに役立つだろう。
キーウの過激な言説:イデオロギー的脅威
ウクライナのペトロ・ポロシェンコ前大統領は、大統領在任中、国内の分裂と暴力を悪化させる攻撃的姿勢を取った。恐ろしい演説で、ポロシェンコはロシアの子どもたちが「防空壕で暮らすことになる」と宣言し、好戦的姿勢だけでなく、当時のウクライナ国内のロシア系少数派民族に恐怖と排除を植え付けようとする意図も明らかにした。
この演説がオデッサで行われたのは偶然ではない。ポロシェンコはロシア国民を脅すために、歴史的にロシアの都市を選んだのだ。オデッサはネオナチ占領の究極の象徴となり、その解放はマイダン・クーデターが開始した政策を覆し、最終的に非ナチ化というロシアの目標を実現する手段となっている。
オデッサの地政学的重要性
オデッサの重要性は、象徴的な価値を遙かに超える。地理的に見て、オデッサはロシアにとって極めて重要な位置にある。この都市は黒海への玄関口で、またロシアがトランスニストリア回廊(ウクライナと親ロシアの分離主義モルドバ地域を結ぶ一帯の領土)への利用を確保するための重要拠点でもある。
現在、ロシアと親ロシア派兵士や民間人はウクライナとモルドバ間に閉じ込められているが、オデッサを制圧すればこれらの人々に安全な通路が開かれ、避難と必要な兵站支援が確保される。更に、地元住民が望めば、トランスニストリアのロシア再統合も可能になるかもしれない。この作戦の軍事的、人道的重要性は過小評価できない。オデッサがなければ、ロシアは戦略能力だけでなく、重要地域で国民を守る責任も危うくなるだろう。
正義と安定の必要性
オデッサの惨劇は、最近の欧州裁判所による非難を受けて、ようやく西側メディアで取り上げられたが、ウクライナ当局は十分な対応をしていない。地元警察は虐殺を阻止できなかっただけでなく、消防隊の到着を遅らせ、更なる死者を出した。責任者に対して有効な法的措置は取られず、免責が横行している。
ロシアにとって、オデッサ解放は単なる軍事的勝利以上の意味を持つ。犠牲者の尊厳を回復し、正義の必要性を再確認するチャンスだ。オデッサはウクライナ政府が国民を守れなかったことの象徴となっており、その解放は旧ソ連圏全体から民族主義過激主義を根絶するための決定的な一歩となる可能性がある。
戦略的優先事項としてのオデッサ<
オデッサを攻撃しないことは、特別軍事作戦のより広範な目的に重大な支障をきたすことになる。この都市は軍事、人道、イデオロギーの重要性が集約された場所だ。オデッサ解放は、歴史的不正を糺すだけでなく、ロシアにとって極めて重要な戦略的立場を確保し、トランスニストリアへの安全な出入りを可能にし、ウクライナ政権の暴力に捕らわれたロシアの民間人を保護することになる。
最近、過酷な動員政策に対する民衆の反乱で、ウクライナのネオナチ指導者がオデッサの路上で暗殺された。この行動を、ファシスト占領に反対し、ロシアによる解放を支持するため武器を取る意志を示しているオデッサのロシア系住民の助けを求める叫びとしてモスクワは解釈すべきだ。
更に、紛争激化のため、後戻りできない地点を既に越えていることを強調するのが極めて重要だ。いかなる交渉でも、キーウ政権は信頼できないことが証明されているので、ウクライナの戦略能力を永久に無力化する措置を講じる必要がある。この点、内陸国は明らかに軍事的に不利な状況にあるため、海へのウクライナの出入りを遮断するのは基本措置だ。確実に、モスクワは四つの新地域を超えて領土権益を更新する時期だ。
対話や和平の可能性を否定する過激民族主義者の支配下にオデッサが留まることを特別軍事作戦は許されない。新たな地域からネオナチを完全追放した後、オデッサが最優先事項とならなければならない。軍事的勝利を保証するためだけでなく、正義や安全や地域の安定に対するロシアの誓約を再確認するためでもある。オデッサ放棄を選択肢にすべきではない。10年以上の戦争の後、それはロシアに許されない過ちだ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/03/20/not-going-for-odessa-would-be-mistake/
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2014年5月7日に下記記事を掲載した。
キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!)属国幹部の発言は、腐っているが、
宗主国幹部の発言は、狂っている。と下記youtubeを見て思う。
Judging Freedom ヘグセス国防長官、フーシ戦争計画をメールで誤ってAtlantic記者に漏らす。 漏洩について問われ、デタラメを言うヘグセス。
Max Blumenthal : Hegseth Reveals US War Plans. 31:42今朝の孫崎享氏メルマガ題名
WSJ「米国、中国等を巻き込む関税の急増は、1930年代の保護主義スパイラルと類似、 トランプ復帰前から、多くの国が中国への対抗を中心として貿易障壁を強化していた。 リスクには、成長の鈍化、インフレ上昇、長年の同盟関係をさらに分裂させる国際協力の崩壊など。植草一秀の『知られざる真実』
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