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2025年3月 8日 (土)

ゼレンスキー大統領には強硬な態度を取り、ネタニヤフ首相には武器を送るトランプ大統領



 金曜日に我々が目撃したのは、トランプがゼレンスキーと公の場で話している様子だった。それは、おそらくアデルソンがトランプと個人的に話しているのと同じだった。

ケイトリン・ジョンストン
2025年3月2日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 ハマスに譲歩を迫り、1月19日に調印された停戦協定の条件を変更するため、現在ベンヤミン・ネタニヤフ首相がガザ猛攻撃の「一時的再開」を検討しているとイスラエル・メディアは報じている。

 イスラエル・タイムズ紙は次のように報じている
 
テロ集団ハマスに更なる譲歩を迫るため、ハマスとの戦闘を一時的に再開することを「ベンヤミン・ネタニヤフ首相が検討している」と土曜日放映されたイスラエル・テレビ報道で報じられた。ガザでの人質停戦合意の第二段階に進むための停滞した交渉について、首相は高官級協議を行った。

 「ハマスは、土曜日夜に正式に期限を迎える合意の第一段階である42日間の延長というイスラエル提案を拒否し、合意を第二段階に進めるよう主張している。イスラエルは過去一か月間、この交渉をほぼ拒否してきた。約2,000人のパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人人質が解放されたが、そのうち8人は死亡していた。ガザ地区で人質にされていた5人のタイ人も別途解放された。」

 「停戦は深夜に失効すると見込まれる中、ネタニヤフ首相とイスラエル・カッツ国防相は日曜日に他の治安当局者らと会談し、ガザでの戦闘再開の可能性と全ての可能な戦線の見直しに向けた準備について協議する予定だとチャンネル12ニュースが報じた。」

 ハマスがイスラエルの第1段階延長案を「拒否」したというこの構図は、アメリカとイスラエル広報機関による現在のプロパガンダ路線にすぎない。実際は停戦合意条件では、イスラエルとハマスは今週末に合意の第2段階に進むはずだったが、イスラエルは、イスラエル軍撤退と永続的平和への誓約を伴うとして、ずっと合意の第2段階交渉を拒否している。停戦の第1段階を第2段階に継続するのではなく「延長」すべきだというこの考えは、アメリカとイスラエルが数日前に推進し始めたばかりの全く新しい提案だ。

 従って、文書通りの停戦協定を拒否し、新たな合意条件を作成しようとしているのはイスラエルで、ハマスは合意した停戦条件を主張しているだけだ。

 だが今日我々はハマスが平和を拒否しているという言い方に圧倒されている。Axiosのイスラエル諜報工作員バラク・ラビドのツイートは下記の通りだ。  
「イスラエル首相府は、イスラエルは人質解放と引き換えにガザ停戦を延長するというアメリカ提案に同意したが、ハマスは拒否したと主張している。」
 トランプ政権がイスラエルに更に多くの武器を送る中、これが同意でっちあげ装置から我々に伝えられている公式見解だ。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との物議を醸した論争で和解にこだわる厳格なタフガイを装った直後、ホワイトハウスは、議会の監視をすり抜け、ネタニヤフ政権に30億ドルの武器を送付するため「緊急権限」を行使したばかりだ。


 読者の皆様も確実に既に耳にしておられるだろうが、ロシアとの和平を妨害したゼレンスキー大統領の役割をトランプ大統領とJ・D・ヴァンス副大統領が公然と厳しく叱責し、更に「第三次世界大戦に賭けている」と非難して国際的注目を集めて以来、欧米諸国政治メディア丸ごと大騒ぎになっている。

 聖ゼレンスキーが公衆の面前で辱められたことに民主党は憤慨し、トランプとヴァンスの「いじめ」を嘆いている。一方共和党は、トランプがワシントンの好戦的代理人のいかなる非難も受けない強くて英雄的な平和推進者である証拠として、この試練全体を称賛している。だが、ゼレンスキーが公に非難されたことに関して最も直接的で明白な点は、同じ政権が、大量虐殺を再開する準備をしているベンヤミン・ネタニヤフに対しては同じエネルギーを注いでいないように見えることだ。

 そしてもちろん、そうではない。世界で最も裕福なイスラエル人超巨額寄付者のミリアム・アデルソンに買収され所有されていることをトランプは公式に認めている。一方、JD・ヴァンスは、悪意に満ちたシオニスト億万長者ピーター・ティールの弟子だ。金曜日に我々が目撃したのは、公式の場でトランプがゼレンスキーに話しかける様子だった。それは、おそらくアデルソンがトランプに個人的に話しかける様子と同じだった。彼がネタニヤフにそのように話す姿を見るとは決して期待できない。

 ウクライナで事態が和平に向かっているのは良いことだが、この戦争は決して永続的なものにするよう意図されてはいなかった。この戦争は、ロシアの血をできるだけ流し、ロシアの気を逸らすための一時的泥沼に過ぎず、他の場所での戦略目標を推進するためのもので、最近、この帝国によるシリア政権転覆作戦成功にそれが表れている。ゼレンスキーは、アメリカ帝国の他のあらゆる手先と同様、利用後、廃棄予定だったに過ぎない。帝国戦争装置の歯車は回転し続けている。

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 画像はWikimedia Commons/The White House (パブリックドメイン)より。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/03/02/trump-sends-netanyahu-weapons-while-talking-tough-to-zelensky/

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 Judging Freedom 今回はモスクワ、由緒あるメトロポール・ホテルから。  
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トランプ大統領、米自動車メーカー支援を目的とした1カ月間のメキシコ・カナダからの関税猶予に同意。新輸入税の免除を求めたゼネラル モーターズ、フォード、ステランティスの 3 大自動車メーカーの幹部との電話会談を受けて下された。その後も他の製品についても猶予。盛んにディール。

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