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2025年3月16日 (日)

2014年5月2日オデーサ虐殺の余韻

2025年3月14日
Moon of Alabama

 2014年5月4日、ウクライナでの2月クーデターの余波について私は書いた。  
二日前、オデーサで、ファシスト右翼セクターが支援する暴徒が、30人以上の連邦主義ウクライナ人をキャンプから建物に押し込み、火をつけて殺害した。虐殺から逃れた人々を警察が逮捕したが、犯人連中は逮捕されなかった。今日、連邦主義支持派の人々がオデーサ警察本部を包囲し、警察は先に逮捕した人々を釈放した。
 ...
 ウクライナに対するアメリカの狙いは、ロシアを誘い出して占領させることのようだ。これはEUとロシアの関係を破壊し、NATOを勢いづかせ、アメリカがEUを自国支配下の第二協力者として維持するのに役立つだろう。このような状況は、アメリカにとって多くの経済的効用があるだろう。武器販売増加やエネルギー市場シェア拡大はほんの始まりに過ぎない。

 この計画が失敗すると考えられる理由は二つある。
...
 ロシアの介入と、ドイツによる支援がなければ、アメリカの対ロシア作戦は、ロシア孤立化という第二目標に到達できない可能性が高い。第一目標たるクリミア半島のセヴァストポリ港は、ロシアが同島を再統一した時点で既に失われていた。

 そうなると、ワシントンに残されているのは、ウクライナで更なる混乱を引き起こし、完全な混乱の中から、ロシアに打撃を与える新たな好機が生まれるのを期待することだ。具体的な方向性がないため、この戦略も成功する可能性は低い。
 残念ながら私の最後の部分は間違っていたが、アメリカが成功するには更に8年かかった。

 だが今日私が言及したいのは最初の段落だ。ストラナ・ウェブサイトで現在最も人気のある二つの記事がそれを反映しているのだ。(機械翻訳)



 一つ目の記事から。(機械翻訳)  
本日オデーサで殺害されたデミヤン・ガヌルは「右派セクター」出身の著名過激派活動家だ。後に彼は自身の組織「ストリート・フロント」を設立した。

 2014年5月2日、労働組合会館での数十人の殺害事件に参加して以来、ガヌルは知られていた。その後、焼かれた反マイダン活動家に敬意を表して花を捧げたオデーサ住民に対する行動を彼は組織した。

...  またガヌルは、オデーサで「帝国」やソ連記念碑、つまりエカチェリーナやプーシキンやソ連兵を称えるものに対して戦ったことでも広く知られている。ロシア人演奏家のコンサートを彼は妨害し、ロシア語を擁護する市内の住民に嫌がらせをした。

 最近、動員を批判する人々とガヌルは積極的に「戦っていた」。

 最もひどい事件は今年夏に起きた。オデーサのフィットネス・トレーナーが募集事務所を批判したため、ガヌルが彼を殴打したのだ。その後、コーチは姿を消し、おそらくウクライナ軍に配属され、そこでいじめられ、おそらく強姦された。

 知られている限り、ガヌル自身は戦闘には参加せずに、ボランティア活動に従事していた。だがスキャンダルがなかったわけではない。報道によれば、2023年に彼は「外人部隊」軍隊に殴打された。車のために金を集めたのに、ガヌルがそれを寄付しなかったためだ。
 5月2日の虐殺の記念日ごとに、ガヌルは、シャシリク(串刺し焼き肉)を食べている自分の写真を投稿して祝った。

 この男はナチで、野蛮で、凶悪犯だった。


 彼は路上でピストルで撃たれた。彼が地面に倒れると、彼が確実に死んだことを確認するため犯人はもう一発彼の頭に銃弾を撃ち込んだ(動画)。そして犯人は立ち去った。

 戦争に参加するには臆病すぎるが、警察を支援するべく「志願」するナチがウクライナには大勢いる。様々な恐喝組織を運営するため、彼らは必要な人材だ。  
ガヌルは生涯を通じてスキャンダラスな人物で、多くの争いを抱えていた。それは親ロシア派との対立だけではなかった。

 ガヌル殺害の動機は全く政治的なものではないかもしれない。

 被害者は2014年からボランティア活動に従事しており、オデーサの実業家、政治家、市当局に対する行動を組織する「活動家」としてもパートタイムで働いていた。

 例えば、彼は市長室と対立しているオデーサの実業家ドガを積極的に支援していた。

 更に、ガヌルは実際カフェ、レストラン、フィットネス・クラブなどで、例えばスタッフがロシア語を話すなど何らかの欠点を見つけ出しては「被害者」を探す、ゆすりをしているという噂が市内で長い間あった。それで施設の所有者を「助ける」のだ。

 言い換えれば彼には多くの敵がいた。それはイデオロギー的理由だけではない。
 ストラナ紙で最も人気のあるもう一つのニュースは、昨日の欧州人権裁判所によるウクライナ当局に対する判決に関するものだ。  
ヴィャチェスラヴォワ他対ウクライナ事件において、2014年5月2日のオデーサでの暴動を予防し、暴動発生後にそれを阻止し、火災に閉じ込められた人々を適時に救出する措置を確保し、事件の有効な捜査を開始・実施するため、当然期待されるあらゆる措置を当局が講じなかったため、生存権および捜査権が侵害されたと裁判所は判断した。また父親の遺体を埋葬のために引き渡すのが遅れたことに関し、ある申請者に関し私生活および家族生活の尊重の権利が侵害されたと判断した。
 裁判所の新聞発表は、この訴訟に至った経緯について以下のように説明している。  
マイダン活動家らはテントに火をつけ始めた。労働組合ビルの屋上にいた親ロシア派抗議者たちは下の群衆に火炎瓶を投げつけ、政府派活動家は報復としてビルに火炎瓶を投げつけた。双方から銃声が聞こえたと報じられている。

 1キロも離れていない消防隊に何度も電話があったにもかかわらず、消防署の地域責任者は明確な指示がない限りクリコヴェ・ポレに消防車を派遣しないよう職員に指示した。

 午後7時45分、労働組合ビルで火災が発生した。ビル内の消火器は機能しなかった。警察は消防隊を呼んだが、効果はなかった。ドミトリエフ(申請番号59339/17)を含むビル内の数人が、上階の窓から飛び降りて脱出を試みた。ドミトリエフは落下で生き延び、救急車に運ばれた。ラジホフスカの息子(申請番号59339/17)とニキテンコの息子(申請番号47092/18)を含む数人が転落死した。映像には、政権派抗議者が広場のステージで間に合わせのはしごや足場を作り、それを使ってビルに閉じ込められた人々を救出する様子が映っている。他の映像には、政権派抗議者が飛び降りた人や転落した人を攻撃する様子が映っている。

 現地の消防署長は最終的に消防車を現場に派遣するよう命じた。上階の窓から人々を救出するため梯子が使われた。消防士は午後8時30分頃に建物に入り、火を消した。警察は建物内または屋上に残っていた反マイダン活動家63人を逮捕した。彼らは2日後、数百人の反マイダン抗議集団が拘束されていた地元警察署を襲撃した際に釈放された。

 この火災で42人が死亡した。
 5月2日虐殺の良く知られた実行犯の中には、デミヤン・ガヌルのように、ウクライナで今も自由にしている者が数人いる。彼らの無制限の活動は、ウクライナ非ナチ化の必要性を強調している。

 欧州人権裁判所の判決と、デミヤン・ガヌルの死が、2014年5月2日の虐殺の犠牲者にいくらかの慰めを与えるよう願う。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2025/03/echoes-of-the-may-2-2014-odessa-massacre.html#more

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 2014年5月7日に下記記事を書いた。
キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!)
 The Chris Hedges Report
Chris Hedges: On the Precipice of Darkness 38:51
Normalizing genocide and the new world order.
Chris Hedges
Mar 16, 2025

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
立花孝志氏霞が関で襲われる、左側頭部をナタで切られ救急搬送。こうした犯行をみるにつけ、日本は「憎悪」が社会的に認知され、それが政府・政権与党の後押しで形成されたこと、安倍首相、菅官房長官時代、異なる見解を持つ人間への露骨な攻撃。憎悪の拡散→暴力的行為への移行は容易に発生。

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コメント

「ウクライナ・オン・ファイヤー」
https://odysee.com/@pomchannel:e/98:35

上記のウクライナの悲劇を描いたオリバー・ストーン監督作の
4時間に渡る「プーチンへのインタビュー」がニコニコ動画にありました。
日本語字幕入りです。

合計4話ですが、1話目を見ると連続再生できます。
他の方にも紹介していただくと参考になると思います。
プーチンも凄いがオリバー・ストーン監督の博識ぶりも凄いです。

■プーチンへのインタビュー PART1 (2020/11/16)
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37830170

目次です ↓
■プーチンへのインタビュー 全4回 +1 
https://www.nicovideo.jp/user/96603308/series/183386

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