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2025年3月15日 (土)

シリアの新たな流血はアメリカ政策の失敗で引き起こされた。トランプは今後どうするのか?



マーティン・ジェイ
2025年3月10日
Strategic Culture Foundation

 元シリア大統領バッシャール・アル・アサドに忠誠を誓うアラウィー派を中心とする民間人の虐殺はアメリカにとっての警鐘だ。

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 元シリア大統領バッシャール・アル・アサドに忠誠を誓うアラウィー派を中心とする民間人の虐殺は、アメリカにとっての警鐘で、トランプがHTS戦闘員による凶悪な殺戮を支持するのか、つまりネタニヤフを支持するのか、それともこの集団と、その野蛮な支配様式を抑制する重要性を理解するのかに注目が集まるだろう。

 トランプと政府高官が、家族全員虐殺されるおぞましい映像を見れば、シリアとイラクにおける自分の功績の皮肉から逃れることはあるまい。そして、この地域におけるアメリカ外交政策の一貫性のなさが、ここでの反発の本当の原因だと多くの人が言うだろう。トランプが就任した2017年1月に、米軍を使って彼が殺害していたISIS戦闘員は、現在シリアを支配して、同盟者になっている同じ連中だ。

 もちろん、多くの人は慌ててバイデン政権を指さし、ダマスカスに進軍しアサドを打倒するための資金をHTS集団に与えた土壇場での決定を非難するだろう。それは、もっぱらネタニヤフが下した決定だったのか、それともバイデンにも相談したのか? そもそもトランプはそれについて何か知っていたのだろうか?

 更に明らかなのは、テロ組織を支援してきたアメリカの歴史は大きな代償を伴っていることで、HTSが西側諸国が協力できる「穏健な」イスラム政府という要求されている姿に「変身」できないのは確実だ。

 90年代初頭、ジョージ・H・W・ブッシュは、タリバン幹部をアメリカに招き、彼らと知り合う機会とした。アメリカ全土に広がるカリフォルニアのエネルギー集団に何兆ドルもの利益をもたらす大規模ガス・パイプライン契約に署名してもらうためだ。もちろん彼らは民族衣装で現れ、お茶を飲み、ブッシュとその一味と戯れた。パイプラインが完成すれば、それを守るためだけに年間1億ドルという法外な要求を彼らは曲げなかったため、契約は結局締結されなかった。当時、タリバンは女性を石打ちで殺すなど、最も野蛮な行為を行っていた。こうしたことは、契約やアメリカ政権が連中とうまくやっていけるかどうかに全く関係ないようだった。

 だが、これら過激派には何かあったのだ。トランプが好んで言うように、彼らには切り札があった。だが現在のシリア政権の場合、変身したテロ集団が政府に転じるという構想が何であれ、彼らがトランプ政権に何を提供できるのか見当もつかない。彼らの側にはイスラエルがおり、また残虐行為後に、HTSの手下に攻撃を開始したのはアラウィ派だと非難する最もばかげた声明を出したEUもいる。彼らが支配しているシリアの大部分には鉱物や石油がないため、今後しばらく好意的ではない可能性が高いトランプの反応を前にして、ネタニヤフとEU当局両方の政治的支援に大きく依存しなければなるまい。長期的にHTS政府にかけることを既に示唆しているので、ウクライナで見られたEUの反抗が繰り返されるように見える。これは、イスラエルのロビー活動の資金と権力が、これまで考えられていたより深くブリュッセル権力に浸透していることを示しているのかもしれない。

 ジョウラニと取り巻きがこのような蛮行を遂行するのはイスラエルにとって、強硬派とネタニヤフ首相にとって、まさに好都合だ。それは無知なアメリカ人の間で憎悪をかき立てるためイスラエルが育てたいと願っている決まり文句を強化し、テヘランに至るまでの抵抗枢軸を打破しているとイスラエルが感じる歓喜に更なる見せかけをもたらす。

 今大きな問題は、特に就任数日後に、トランプがソーシャルメディアに書いた、イスラエル首相と彼のイランとの戦争願望に不満を抱いていることを示唆する投稿を受け、評論家連中が苦慮しているトランプとネタニヤフの関係だ。ネタニヤフを従わせる必要があるのだろうか? 北部のクルド人を武装させ、HTSに対する内戦を許すことが、いずれにせよ在任日数が限られているイスラエル首相に対する影響力になるとトランプは考えているのかもしれない。あるいは、HTSとひげを生やした指導者に対し、より厳しい対応を取り、野蛮な連中を監視するため平和維持活動としてシリアに駐留する計画の一環として米軍を派遣することも可能だ。これはイラクで見られるのと同じような考え方だ。一部の人にとっては、これは火に油を注ぐようなものだと思われるかもしれない。結局、オバマ政権のイラク統治におけるもう一つの失敗が、現在ダマスカスで権力を掌握しているテロ集団の誕生につながったのだから。もちろん問題は、そのようなテロ集団と正面から戦えば、より大きな敵たる抵抗枢軸をあおってしまうことだ。トランプにとって難しい選択だ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/03/10/syria-new-bloodbath-was-created-by-failed-us-policies-what-now-from-trump/

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 Alex Christoforou Youtube
PUTIN, no Minsk 3. Lukashenko, EU is done. Trump, annex Greenland. Starmer, Russia menace UK streets 45:30
 上記番組最後で、欧州人権裁判所ECHRが2014年5月2日のオデッサ労働会館でのファシストによる虐殺を放置したかどでウクライナ政府に有罪判決と彼は語っている。
 2014年5月7日、当ブログも、このオデッサ労働会館虐殺事件について書いた。
キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!)
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ウクライナ戦争で米国・ウクライナは30日停戦案を提示。プーチン大統領は理論的には提案を支持するとしながらも、戦況優位を背景に、厳しい条件・従来路線をを提示。合意は難しいであろう。

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