最近のキーウによる裏切り後も、依然外交的解決は可能なのか?

ルーカス・レイロス
2025年3月21日
Strategic Culture Foundation
インフラ非攻撃協定即時違反はキーウ政権がいかに信頼できないかを示している。
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最近、ドナルド・トランプ大統領とウラジミール・プーチン大統領の電話会談により、アメリカとロシア連邦の外交関係改善に向けた新たな試みが行われた。3月18日に行われたこの会談は2時間以上続き、ウクライナ紛争における「人道的緩和」模索に一定の進展が見られた。しかし和平問題は遙かに複雑で、永続的合意への期待は依然極めて低い。更に電話会談以降の出来事は、キーウ政権が引き続き予測不可能で不安定な主体で、停戦や平和的解決の可能性が危険に曝されていることが明らかになった。
キーウと支持諸国の強硬姿勢
和解の試みにもかかわらず、具体的進展は限られており、トランプ大統領が提案した停戦合意が成功する見込みは低い。プーチン大統領は停戦合意に合意する意向を表明しているものの、敵対行為の一時停止の可能性は、戦線沿いのウクライナ行動を監視し、強制動員やキーウへの外国兵器輸送を停止するなど具体的保証にかかっていると強調している。更に西側諸国による諜報データ共有を中止する必要がある。だが西側諸国はこうした要求に完全に応じることはできないようだ。
それでも、戦争暴力を減らすために重要な措置がいくつか取られた。双方はインフラ施設への攻撃を30日間停止することで合意した。更に捕虜交換が合意され、既に進行中で、負傷したウクライナ軍兵士はキーウに移送された。また黒海に新たな海上安全保障体制を構築するための協議に参加することをモスクワは約束した。
予想通り、インフラ協定の条件に対する最初の違反は、双方がこれら目標への攻撃をやめる合意直後に起きた。ウクライナ軍はロシアのクラスノダール地方の石油施設を攻撃したが、これはゼレンスキー政権が約束を守らないことを明確に示した行為だった。この事件は、キーウが国際条約を無視し、建設的対話の可能性を一切無視する犯罪国家のように振る舞っていることを裏付けるものだった。ウクライナ国民の苦しみを終わらせることを求めるのではなく、むしろ紛争を長引かせ、敵に圧力をかけるためにテロ戦略を採用することにキーウは関心があるようだ。
外交に抵抗し、ウクライナの国家テロを支援し続けているネオナチ政権のヨーロッパ同盟諸国は、合意不履行を非難していないことを強調しておく必要がある。アメリカのトランプ政権の努力にもかかわらず、ヨーロッパは紛争の不安定化要因であり続け、あらゆる形態での戦争支持の強硬姿勢を支持している。
ウクライナを信じるのは不可能
モスクワにとって、キーウの意図に対する不信感は変わらない。マイダン革命以来、署名した協定を組織的に破ってきたウクライナ政権の行動は、真の永続的理解の余地がないことを明らかにしている。キーウの戦略は、紛争開始以来、実際は平和を求めることなく、全面戦争を求め、不可逆的行動に焦点を当ててきた。プーチン大統領が多くの面で善意を示したにせよ、ウクライナ政府が依然テロリスト代理人として行動し、平和へのあらゆる試みを常に拒絶している事実をロシアは無視できない。これはクラスノダール石油インフラへ攻撃後これまで以上に明らかになった。
アメリカがどれだけ平和的解決を仲介しようとしても、現実にキーウは自国の野望に沿わないいかなる合意も受け入れるつもりはない。トランプ大統領の緊張緩和提案にも関わらず、ウクライナ政府は攻勢継続を主張し、真の平和を確立する試みを妨害している。このために、合意は実行される前に弱体化してしまう。
避けられない道としての軍事的解決
キーウが合意遵守を拒み続けていることから、ロシアにとって実行可能な唯一の選択肢は軍事的解決だ。外交は、多くの人が望んでいるにもかかわらず、平和ではなく紛争長期化を求める政権の姿勢によって直接妨害されている。(かつての)同盟国ウクライナの行動を制御できない無力さをワシントンは見せている。トランプが緊張緩和を導こうと試みているにもかかわらず、イギリスや欧州連合加盟諸国はキーウを無条件で支持し続け、戦争を煽り、外交の実質的な進展を妨げている。
このシナリオでは、ウクライナが対話に応じるのを待ち続けることにもはやロシアに何の利点もない。紛争が長引けば長引くほど、ウクライナは資源と能力の面で益々失うことになる。戦場でのロシアの軍事的勝利は益々不可避に思われ、この現実に直面したワシントンは必死に新たな和解の機会を作ろうとしている。だが、キーウと西側同盟国に対する統制の欠如は、和平へのいかなる試みも失敗に終わる。
ウクライナの損失が飛躍的に増大する中、政権への圧力は高まっている。ロシアの現在の和平条件を遵守する決断をキーウ当局がしなければ、残された選択肢は戦争継続だけでなく、ロシアの戦略的・領土的利益の拡大のみになるだろう。
キーウの姿勢が変わらないことを考えれば、現時点では平和的解決の可能性は非現実的で、軍事的解決が再びモスクワにとって唯一実行可能な選択肢だと結論付けるのが妥当だろう。
結局、キーウがインフラ攻撃停止のような簡単な合意さえ履行できないなら、一体どうやって恒久的平和を確保できるだろうか?
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/03/21/is-diplomatic-solution-still-possible-after-kiev-latest-betrayal/
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ケネディ殺害と安倍元首相殺害の類似性日刊IWJガイド
「ウクライナが米国の仲介によるエネルギー施設への攻撃一時停止合意に違反し、ロシア南部の石油貯蔵施設やクルスクのガスパイプラインを攻撃!」2025.3.26号
■はじめに~トランプ米大統領の仲介で合意したはずの、ロシアとウクライナのエネルギー施設やインフラに対する30日間の攻撃停止に、ウクライナは即日違反! ロシア南部の石油貯蔵施設やクルスクのガスパイプラインを攻撃!「ウクライナの軍事情報長官キリル・ブダノフ氏は、ウクライナが紛争で負け始めた場合、国内の原子力発電所を爆破することを提案した」と、ゼレンスキー氏の元側近アレストヴィッチ氏が、明らかに! ブダノフ長官は、「我々はみな死ぬが、彼らも死ぬ」と、正気の沙汰ではない、破滅的な発言! トランプ政権の「ウクライナの原発を米国が所有」との提案は、核の大惨事を防ぐため!?
■IWJの財政は崖っぷちです! 3月は1日から25日までの25日間で、58件、170万3811円のご寄付・カンパをいただいています。ありがとうございます! この金額は、月間目標額350万円の49%にあたります。昨年8月から始まった第15期は、半期が過ぎ、7ヶ月連続で月間目標を割り込み、累積のマイナス額は1277万4502円です! IWJが3月以降も活動を続けられますように、ご寄付・カンパによる緊急のご支援をよろしくお願いいたします!
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