« 惑星間例外主義の時代 | トップページ | ガザの民族浄化計画を明かすトランプ »

2025年2月 7日 (金)

ガザで依然民間人が虐殺されている



1月19日にいわゆる「停戦」が発効して以来、イスラエル国防軍によりガザ地区で80人以上のパレスチナ人が殺害されたとドロップサイト・ニュースが報じている。

ケイトリン・ジョンストン
2025年1月31日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 1月19日にいわゆる「停戦」が発効して以来、80人以上のパレスチナ人がガザでイスラエル国防軍に殺害されたとドロップ・サイト・ニュースが報じている。そのほとんどは、イスラエルによる本格的攻撃のために、立ち入り禁止だと依然からバイデン政権が言っていた今や完全に破壊された都市ラファで起きた。

 80人以上だ。もしその間に、イスラエル人が80人ハマスに殺されていたらどうなるか想像願いたい。イスラエルに殺された80人以上のパレスチナ人に加えて、80人のイスラエル人が殺されていたらどうなるか想像願いたい。もしそうなっていたら「停戦」に似た何かが継続していたと一体誰が信じるだろう?  もちろん信じない。パレスチナ人の命は使い捨てとみなされ、イスラエル人は人間とみなされているのだ。あちこちでパレスチナ人を数人殺すのは、イスラエルにとっては、迷惑なハエを数匹叩くのと道徳的に同じだとみなされている。

 私が話しているような行為の一例として、月曜日にヌセイラト難民キャンプ付近で家畜が引く荷車にイスラエル軍が空爆を行い、 5歳の少女を殺害した事件があるが、どうやらその荷車が「通行許可」を受けていない道路を走行していたという理由以外に理由はなかったようだ。

 これはイスラエル国防軍自身の言葉で、私の言葉ではない。これはロバが引く小さな子どもを乗せた荷車を爆撃したイスラエル国防軍による公式正当化だ。

 「ガザ中心部で、合意では通行が認められていない地域を北上していた不審な車両数台を追い払うため、イスラエル戦闘機が発砲した」とイスラエル軍が発表した

 正しい道路を正しい方向に走っていない「疑わしい」車両を「追い払う」ために軍用機による攻撃を行ったとイスラエル国防軍は主張している。普通の国が道路標識を使用するのと同じように、彼らは意思疎通の手段として空爆を使用する。彼らはこう言うだろう。「アラブ人の動き方は気に入らないから、ちょっとしたメッセージを送ろう。ほら。ドカン。子どもは死んだ。これで、あの道路を逆方向に通るのはやめるだろう。」

 イスラエル軍がガザ地区のパレスチナ人に対して発砲した数十件の事件全てにおいて、自分の行動を「脅威」と思われたことに対する防衛反応だと彼らは自信満々正当化している。だが上記の例から、脅威にさらされていたという主張が実際いかにあやふやかわかる。

 また火曜日に非武装パレスチナ民間人によく似たイスラエル軍事請負業者をイスラエル国防軍が「誤って」殺害した方法にもそれが表れている。この事件に関するハアレツ紙報道を読めば、その男性は「非武装で民間服を着ていたため、なぜ撃たれたのか不明」と書かれているが、なぜ撃たれたのか全く不明ではない。同紙が提供した写真から、請負業者は肌が黒く、ヨーロッパ系イスラエル人に見えなかったのが明らかで、武器も制服も持たずに現れたため、イスラエル軍は彼をパレスチナ民間人だと思い込み殺害したのだ。

 イスラエル軍事請負業者がイスラエル兵に対し威嚇的態度を取るはずなどないのは明らかだ。彼の唯一の過ちは、自分がイスラエル人で、人間として扱われるに値することを兵士に十分に伝えなかったことだ。彼がそうしなかったため、その瞬間、イスラエル軍は彼を害虫とみなし、彼は駆除されたのだ。

 イスラエル社会でパレスチナ人は余りにも広汎に非人間化されているため、イスラエル人はパレスチナ人を殺すのを何とも思わない傾向があり、それがガザでホロコーストが起きるのを可能にした理由だ。欧米社会でもパレスチナ人は非人間化されているため、我々もそれが起きるのを可能にしたのだ。全ての人が平等で人権があるという価値観を欧米は主張しているが、帝国主義の現状では、ある人間の命の方が他の人間の命より平等だというのは良く目にする事実だ。

________________

 これらの記事を音声で聞きたい場合、SpotifyApple PodcastsSoundcloud、またはYouTubeで聴取できます。私の記事は完全に読者に支えられているので、この記事を気に入っていただけた場合、ご希望に応じてチップ入れにお金を入れられる選択肢がここにいくつかあります。記事の映像版を見るには、こちらをご覧ください。毎月の記事のペーパーバックを購入するには、こちらをご覧下さい。私の記事は全て、海賊版を作成したり、あらゆる方法、形状、形式で自由に使用したりできます。再配布、翻訳、商品への使用など、ご希望どおり使用可能です。私が公開する記事を確実に読む最良の方法は、Substackのメーリングリストに登録することです。これにより、私が公開する全ての記事についてメール通知が届きます。全ての記事は、夫のTim Foleyとの共著です。



ビットコイン寄付: 1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

 画像はウィキメディア コモンズ/IDFから (CC BY-SA 2.0)。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/01/31/theyre-still-slaughtering-civilians-in-gaza/

----------

 Judging Freedom 話にならないウクライナ和平提案・ガザリゾート計画。
[SPECIAL] COL. Douglas Macgregor : Can the US Own Gaza? 26:06
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トランプ、米国はガザ地区を長期的に「所有」し、再開発を行う=200万人のパレスチナ人をその土地から追放提言。彼が本当に本気なのか、解釈①提言により国内重要問題から目をそらす、②中東での交渉上の策略、③彼が「狂人」論、④帝国主義的思想に転換(グリーンランド買収等)

« 惑星間例外主義の時代 | トップページ | ガザの民族浄化計画を明かすトランプ »

イスラエル・パレスチナ」カテゴリの記事

Caitlin Johnstone」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 惑星間例外主義の時代 | トップページ | ガザの民族浄化計画を明かすトランプ »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ