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2025年2月22日 (土)

さよならロシア、さよならレーニン:「エネルギー自立」はバルト諸国に何をもたらしたか?



エルキン・オンカン
2025年2月13日
Strategic Culture Foundation

 バルト諸国の「エネルギー自立」は地政学的勝利として歓迎されているが、経済的負担に変わる危険性もある。

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 エストニア、ラトビア、リトアニアの電力網は、ソ連邦時代の1950年代に構築されたBRELL (ベラルーシ、ロシア、エストニア、ラトビア、リトアニア) 電力網の一部だった。

 当初16本の送電線で構成され、この送電網は直接の陸上ケーブルと、ベラルーシ経由の回線とバルト海海底ケーブルを通じてバルト諸国とロシアを接続していた。

 1990年代に独立したこれらの国々は、ソ連崩壊後もエネルギー・インフラを制御できず、周波数の安定をモスクワに頼っていた。ロシアが管理するIPS/UPSネットワークは、バルト諸国とカリーニングラードなどのロシアの飛び地も結んでいた。長年、欧州政治家たちは、この接続を「ロシア依存」と位置づけてきた。

 ロシア・ウクライナ戦争勃発後、電力を含むあらゆる形のロシア依存が徐々に断ち切られてきた。この過程の最終段階はリトアニアの首都ビリニュスでの式典で行われた。

 2025年2月9日現在、これらの国々は正式にソ連時代の電力網から切り離され、欧州の電力網に完全統合されている。このEU域内市場への移行はEU補助金12億3000万ユーロで賄われ、投資額の75%はEU資金で賄われている。ウクライナとモルドバも2022年に同様の措置を講じ、自国の電力網をEU電力網に統合している。

 当初、バルト諸国はポーランドと同期した独自周波数を維持していた。周波数同期を実現した後、バルト諸国はポーランドと共有エネルギー網に統合された。これは、バルト諸国が最初にポーランドの周波数を独自に制御する能力を示し、その後ポーランドと完全に連携して統一エネルギー網を形成したことを意味する。

 バルト諸国は電圧調整と同期試験を無事完了し、各国首脳と欧州委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエンが出席したビリニュスでの式典で「勝利」を宣言した。

 ラトビア大統領エドガルス・リンケビッチは「我々は成し遂げた」と述べ、この偉業を称えた。リトアニア指導者ギタナス・ナウセダは「さよならロシア、さよならレーニン」と述べ電力網移行を祝った。一方、エストニアとポーランドの指導者は、国防費とエネルギー・インフラの地政学的重要性を強調した。

 だが、この祝賀行事は電気料金の急騰で影を潜めた。ラトビア人ジャーナリスト、アルニス・クルイニスは、Neatkar?g? R?ta Av?ze(NRA)に寄稿し、ある家庭の電気料金が17.68ユーロから22.06ユーロに上昇したと報じた。初日だけで24.8%の増加だ。

 以前、当局は、同期の影響は5%を超えないと国民に保証していた。だが実際の値上げは予測値の5倍になった。バルト諸国がロシアからEUの送電網に移行することで、平均的な消費者は月1ユーロの追加費用を負担することになるとエストニアのヨーコ・アレンデル気候相は主張し「独立と安全のために支払う価値のある代償」だと言った。

 既にバルト諸国はヨーロッパで最も高い電気料金に苦しんでいる。2月10日現在、この地域の平均は146.83ユーロ/MWhだった。対照的に、スカンジナビアの電気料金は平均8.83ユーロ/MWhに過ぎず、格差が拡大していることが露呈している。イグナリナ原子力発電所閉鎖とフィンランド・エストニア海底ケーブル・プロジェクトの失敗は、この地域の慢性的エネルギー費用問題をさらに悪化させた。

 バルト諸国の「エネルギー自立」は地政学的勝利として歓迎されているが、経済的負担に変わるリスクもある。初日の展開は、そうなる可能性があることを示唆している。

 欧州がこの移行を成功させるか否かは、必要と考える安全保障上の措置と国民の経済的安定への要求とのバランスを取れるかどうかにかかっている。今のところ、ロシアからの離脱の思想的意義は、欧州人が直面している電気料金高騰に直接結びついている。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/02/13/farewell-russia-farewell-lenin-what-has-energy-independence-brought-to-the-baltic-states/

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