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2025年2月 8日 (土)

ガザの民族浄化計画を明かすトランプ



ガザ地区を「一掃」して、住民をアメリカの属国エジプトとヨルダンに移住させたいとトランプ大統領は言っているが、これはもちろん民族浄化の教科書的事例になるだろう。

ケイトリン・ジョンストン
2025年1月27日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 長くはかからなかった。ガザを「一掃」して、住民をアメリカの属国エジプトとヨルダンに移住させたいとトランプ大統領は言っているが、これはもちろん民族浄化の教科書的事例になるだろう。またパレスチナ人を故郷から追い出し、その土地をユダヤ人が奪い取り、定住するというイスラエル長年の計画とも完全に一致するはずだ。

 土曜日エアフォースワン機内で、ガザ地区から大量のパレスチナ人を受け入れることについてヨルダンのアブドラ2世国王と話したとトランプ大統領は記者団に述べ、同じ問題でエジプトの アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領とも話し合う予定だと語った。

 「エジプトには人々を受け入れてほしいし、ヨルダンにも人々を受け入れてほしい」とトランプ大統領は記者団に語り、ガザ地区は「本当にひどい状態」で「文字通り破壊現場」だと語った。

 「おそらく150万人だが、我々は彼ら全員一掃するつもりだ」とトランプは語った。



 この新たな取り決めは一時的なものにも長期的なものにもなり得るが、イスラエルやワシントンがガザの不都合な住民を一掃し、再建し、全員ピカピカの新居に帰すつもりだと大統領が考えるのは実に世間知らずだ。イスラエルはパレスチナ人から土地を奪い、返還を拒否してきた実に長い歴史があり、それこそが、イスラエル国家そのものと同じくらい古い、避難したパレスチナ人のための、いわゆる「難民キャンプ」が存在している理由だ。

 「大統領としての二期目が始まって僅か五日で、ガザに対する彼の意図をトランプ大統領は疑う余地なく明らかにした」とジョー・ローリアがコンソーシアム・ニュースに書いた。「彼は自分の発言を人道的懸念として示そうとしたが、住民を強制移住させる犯罪を行うことを彼が語っているのに気づかないのはガザについて最も無知な人だけだ」と付け加えた。

 大統領が表明した計画を、パレスチナ人を不幸な状況から救うための慈悲深い取り組みだとトランプ支持者は擁護するだろう。なぜなら、トランプ支持者は、文字通り大統領のすることなら何でも擁護する頭の固いごますり連中だから。だが誤解しないでほしいのは、これはパレスチナ人の歴史的な祖国での存在を終わらせる計画の推進で、イスラエルで最も堕落した政治派閥の最も暗い願望を満たすことになることだ。

 2023年10月7日のハマス攻撃からわずか数日後、イスラエル情報省は、ガザ地区住民をエジプトのシナイ半島に避難させることを提案する文書を作成した。ほぼ同じ時期に、イスラエルのシンクタンク「Misgav Institute for National Security & Zionist Strategy(ミスガブ国家安全保障・シオニスト戦略研究所)」は「現時点で、エジプト政府と連携してガザ地区住民全体を避難させる他に類のない稀な機会がある」と主張する論文を発表した

 それ以来、イスラエル政府もイスラエル・メディアも、ガザに対する民族浄化計画を遠慮なく発言するようになった。数週間前、複数の極右国会議員がイスラエル国防大臣イズラエル・カッツに書簡を送り、包囲戦と民間人攻撃で、ガザ北部の住民をこの地域から追い出す「完全浄化」を要求した。昨年11月、イスラエルがガザの民族浄化を実際進めているとイスラエル元国防大臣モシェ・ヤアロンは明言した。10月、イスラエルの新聞ハアレツは「もし民族浄化のように見えるなら、おそらくそうだ」と題する社説を掲載した。

 イスラエルと擁護者連中が主張したがる説の一つは、この強制的大量移住は「自発的移住」のはずだというものだが、これはばかばかしいたわ言だ。明らかに、ある場所を完全に居住不可能にし、彼らが生活できるように大量援助を急いで届けるのを拒否すれば、銃を突きつけて強制するのと同じくらい確実に、彼らに移住を強いることになる。移住するか、飢えるかの選択肢を人々に与えるのは、彼らに全く選択肢を与えないのと同じだ。

 イスラエルが民族浄化計画を完了した後のガザに対する計画は、もちろんユダヤ人入植地建設の開始だ。昨年、イスラエル軍は、過激な入植運動指導者ダニエラ・ワイスをガザ北部に潜入させ、将来の利用のために土地を偵察させ、ちょっとした論争を巻き起こした。4月に、軍事作戦が完了した後にガザに入植する秘密計画がイスラエル政府内にあるとリモル・ソン・ハル・メレクという名の国会議員がイスラエル・テレビで述べた。この全てが一体どこに向かっているか更に明確に説明する必要がある場合に備え、昨年11月、多数のイスラエル当局者が「ガザへの再定住準備」という大胆な題名の催しに参加した

 トランプ発言は、先日ガザで実現できる素晴らしいことばかり熱く記者団に語ったトランプの意図を明らかにするのに役立つ。

 月曜日「ガザは興味深い場所だ。素晴らしい場所だ」と彼は語った。「海に面していて、天候も最高だ。全て良い。ガザでは何か美しいことができる。実に興味深い。あそこなら何か素晴らしいことができる。」

 ヨルダンとエジプトが賄賂を受け取ったり強制されたりして、帝国のガザに対する民族浄化計画に参加できるのかどうかはまだ分からないが、いずれにせよ、これら計画を形容する最終的な言葉は「素晴らしい」のはずだ。

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 画像はWikimedia Commons/The White Houseより。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/01/27/trump-reveals-plan-for-the-ethnic-cleansing-of-gaza/

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