トランプ大統領はプーチン大統領と和平協定を締結できるのか?

2025年1月31日
Stretegic Culture Foundation
報道されている提案を検討しよう。だが、いかなる合意であれ、紛争の根源への対処に基づく必要がある。
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ウクライナ戦争を終わらせるため、ロシアのウラジミール・プーチン大統領と会談したいとアメリカのドナルド・トランプ大統領は繰り返し述べている。紛争を平和的に終結させることの緊急性についてトランプは語ってきた。それはもっともだ。
一方、プーチン大統領も寛大な態度で応え、トランプ大統領との会談に応じる用意があると述べている。
ここまでは順調だ。少なくともアメリカ側は、ロシアとのいかなる外交的接触も拒否したバイデン政権の愚かで強硬で敵対的な考え方に悩まされることはなくなった。
一方、紛争を終わらせるだけでなく、将来の紛争を回避するための本当の方法を交渉する用意がロシアには常にある。三年前の2022年2月にウクライナ戦争が勃発する前、モスクワは2021年12月に欧州安全保障条約の包括的提案を提出した。この提案は、アメリカ主導のNATO軍事同盟がロシア国境での積極的拡大をやめ、特にウクライナがNATOには加盟しないことが規定されていた。この提案はアメリカと欧州同盟諸国に即座に拒否された。
ウクライナ紛争の初期段階、2022年3月に、ロシアはイスタンブールでキーウ政権と和平交渉を行ったが、その提案はワシントンとその代理人イギリスに拒否された。その結果、三年の流血と破壊が続き、ウクライナで数百万人の死傷者と難民が出た。ウクライナはNATOスポンサーの強硬姿勢のせいで破壊されたのだ。
外交が政治を機能させる芸術なら何でも可能だ。交渉開始は、少なくとも紛争を終わらせ、核保有国間の破滅的世界戦争に発展するのを阻止するための意見や要求を交換する第一歩だ。
紛争を終わらせたいとトランプ大統領は言っている。だが彼は紛争の本当の意味を理解しているのだろうか? 問題が正しく定義されなければ、解決策は見つけがたい。
トランプはショーマン的政治姿勢をとっている。当選後24時間以内にウクライナ戦争を終わらせると豪語していたが、今では100日以内に終わらせると言っている。
善意を示す前向きな兆候もいくつかある。今週、トランプ政権は和平協定を結ぶ決意があると信じていると、ハンガリーのビクトル・オルバーン首相は述べた。
指名承認公聴会で、「ロシアとウクライナを交渉の席に着かせるトランプ大統領の取り組みを支援することが最優先事項だ」とトランプ大統領が国家情報長官に指名したトゥルシ・ギャバードが上院議員に述べた。(ただし彼女は承認されない可能性もある。)
今週のインタビューで、ウクライナ戦争終結を求める意見をマルコ・ルビオ国務長官は繰り返した。ロシアとウクライナには妥協する責任があるとルビオは述べた。
ここで問題が浮上する。解決はロシアとウクライナ二者の問題で、アメリカは扇動者ではなく、単なる和平仲介者として行動しているとトランプ政権は考えているようだ。
これは、最近の、ロシアが交渉の席に着かなければ、ロシア経済に壊滅的制裁を課すと、無礼かつ愚かにも警告したトランプ発言にも反映されている。
ロシアを脅迫したり、ロシア経済を脅かしたりできるとトランプが考えているのなら、彼は妄想に陥っている。そのような愚かな態度は常軌を逸しており逆効果だ。
事実、ロシアに対するアメリカとヨーロッパの制裁は既に失敗している。ロシア経済は一層自立し、世界の他の国々と新たな貿易関係を築くことで強化されている。現在、ロシアは、ドイツや他のヨーロッパ諸国を上回り、世界第4位にランクされている。
更に重要なのは、キーウ政権へのアメリカやNATO同盟諸国による莫大な武器供給にもかかわらず、ウクライナ戦争でロシアが決定的勝利を収めつつあることだ。ウクライナ軍の戦線は損害が増大する中、崩壊しつつある。欧米メディアでさえ、ウクライナ軍兵士の混乱と大量脱走を報道している。
トランプ政権がロシアに圧力をかけて、交渉の席に着かせることができるという考えは誤りで、紛争の本質に関する重大な誤解だ。
更に、交渉が必要な二者はロシアと、腐敗したキーウの傀儡政権ではない。アメリカとロシアだ。アメリカはこの戦争の当事者であり、和平の仲介者ではない。
和平協定締結にトランプ政権が本気なら、アメリカはロシアの条件を受け入れなければならないことを理解しなければならない。
トランプ大統領側近が主張しているウクライナでの停戦と敵対行為の凍結だけでは解決策として全く不十分だ。
先週の社説で指摘した通り、ウクライナ紛争は、アメリカとNATO代理組織による対ロシア帝国主義的策略に深く根ざしている。歴史は、わずか数年ではなく数十年前に遡る。
紛争の根本的原因に対処することによってのみ本当の平和的解決が始まるのだ。
ロシアの条件は長い間明確に示されてきた。アメリカとNATO軍事機構はロシアの国家安全保障上の利益を尊重する必要がある。モスクワが2021年12月に提案した安全保障条約が交渉の基礎になる。
現地の実情も同様だ。ロシアの新領土の、ドンバスやヘルソンやザポリージャやクリミア(いずれもロシアの歴史的領土)は交渉の余地がない。
ウクライナは決してNATO同盟に加盟できないというロシアの主張も同様だ。
もしこうした大局的な地政学的、歴史的問題をトランプが理解できれば合意は成立するかもしれない。
だが、トランプと彼の政権は、この体系的な問題を全く理解していない兆候がある。そして、たとえトランプがほんの僅かでも理解したにせよ、アメリカ帝国主義のディープステートが彼に交渉を許するかどうか疑わしい。
この問題は個人や、気まぐれで利己的な考えを遙かに超える。戦争と平和の問題は過去一世紀にわたり展開してきたアメリカの本質的に暴力的な性質から生じているのだ。
欧米諸国による裏切りという痛ましい経験と、国民と指導者の政治的知性の深さから、威勢のいいトランプには適切な合意を実現する力がないのをロシアはわかっている。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/01/31/can-trump-make-peace-deal-with-putin/
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The Chris Hedges Report
Virtue Hoarders and the Rejection of Liberalism (w/ Catherine Liu) | The Chris Hedges Report 55:32Catherine Liu details how the professional managerial class (PMC) has betrayed workers for seats within the halls of power, all while they wag their fingers at the politically incorrect working class.
Chris Hedges
Feb 13, 2025
日刊IWJガイド
「日本はUSAIDとCIAによるプロパガンダ操作に対して世界で最も忠実な国! JICAはUSAIDの裏の顔に池上彰氏を動員して協力!」2025.2.13号今朝の孫崎享氏メルマガ題名
■はじめに~トランプ政権下のイーロン・マスク率いるDOGE(米政府効率化省)によって閉鎖された米政府機関USAID(その4)! 日本はUSAIDとそのバックのCIAによるプロパガンダ操作に対して世界で最も忠実な国だった! 主要官庁からほぼすべての主要マスメディアなど、616の機関がUSIDの事実上の支配下に! USAIDとJICA(国際協力機構)はズブズブの関係だった! JICAは、米国NATOのプロパガンダ機関であるUSAIDの「裏の顔」に池上彰氏を動員して協力! 他方、日本外務省もUSAIDとは連携! USAIDの人道支援の裏には、米国NATOによる「洗脳・操作」が、もれなくついている!
■IWJの財政は大ピンチです! 昨年8月から始まった第15期は、半期が過ぎ、6ヶ月連続月間目標を割り込み、累積のマイナス額は1175万3713円です! IWJが2月以降も活動を続けられますように、ご寄付・カンパによる緊急のご支援をよろしくお願いいたします! IWJは、10年以上、オールドメディアからウェブメディアへのメディア変動期をリードしてきました。現在、ますますIWJしか報道しない情報が増えています! 緊急のご支援をよろしくお願いします!!
引用「安倍元首相の危うい立ち位置=(2022年6月13日)。デモクラシータイムス
<立花・斉藤・石丸・トランプ> 日米首脳会談/立花と維新/コメとガソリン/パレスチナ【山田厚史の週ナカ生ニュース 1:44:06
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