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2025年1月 5日 (日)

ガザにとまどいて



デクラン・ヘイズ
2024年12月30日
Strategic Culture Foundation

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 イスラエルによるガザ住民の気軽な殺害に抵抗している軍事部隊を見ると、気づくのは、ほとんど全てがイランか代理組織に武装されていることだ。主な例外は、旧シリア・アラブ共和国に本部を置くパレスチナ解放人民戦線(PFLP)とその派生組織で、新支配者連中は、文字通り尻を差し出し、イスラエルの拡張主義計画に便宜を図っている。トルコと属国アゼルバイジャンが、イスラエルへの主要石油供給国であることを考えれば、イスラエルに対するスンニ派の集団的反対は偽善的張り子の虎だと分かる。

 イランやヒズボラやフーシ派に対し、我々は独自の批判を持っているかもしれないが、彼らがパレスチナ人と共に戦い、命を落としているのは事実で、良くも悪くもその事実は彼らから奪えない。

 湾岸諸国の独裁者連中や、彼らが資金提供するトルコのような国には、そのような自由裁量の余地は与えることはできない。連中の狙いは、自分たちの富と権力の蓄積というより、広範なゲームの一部としてガザを利用することで、パレスチナ人などどうでも良いのだ。これはヨルダンなどの国々、特にカタールの対応に見られる。カタールは誠実な仲介者として振る舞っているが、アメリカとイギリスの巨大空軍基地と海軍基地があり、イスラム聖戦主義のカタールや同盟諸国が資金提供するこれら基地は一度も攻撃されていない。

 机上の空論を語る欧米将軍連中が、ガザの人々に命を犠牲にし続けるよう促すのは、ほとんど悪魔的なところがあるが、おそらくもっと酷いのは、同じ親カタール派のムスリム同胞団暗黒勢力による欧米世論操作だ。例えば、ニューヨークやアーマーやダブリンの大聖堂でのカトリック・ミサに対するプロテスタントとユダヤ教狂信者による攻撃や、ニューヨークや他のトルコ以外の都市でのサンタクロースへの攻撃を考えてみよう。これら二面性があるファシスト連中が、ガザに関しサンタクロースに何をしてほしいと思っているのかは誰にもわからないが、これから見る通り、カトリック・ミサ攻撃は彼ら親カタール派の意図を露呈している。

 ナクバの時代から、ガザには少なからぬ数のラテン・カトリック教徒や、遙かに多い正統派信徒がおり、その間終始、両者ともスンニ派隣国と同様な窮乏状態に置かれてきた。2013年にヨルダン川西岸に滞在していた際、キャスト・リードの時代にガザのラテン教区司祭だったマヌエル・ムサラム神父と、彼の生涯の友人でエルサレムのラテン総主教だったミシェル・サッバーに私はインタビューした。サッバーはムサラム神父とともにナクバの生存者で、捏造された民族浄化ではなく本物の民族浄化の生き残りだ。またPFLPのために武器と爆弾を満載した車を密輸していたとイスラエル軍事法廷で判断され、終身刑を宣告された元メルキト派エルサレム総主教、故ヒラリオン・カプッチ大司教とも私は非常に親しかった。

 彼らの証言は私を大いに感動させたが、ニューヨーク州クイーンズ出身の率直なマリストや、ジョー・ローウェンシュタインの証言も同様だ。彼はケニアでは近しい家族や友人しか援助物資を送ってくれなかったケニアでの宣教活動に短期間参加した後、ベツレヘム大学学長を務めていた。

 ベツレヘムについて語る際、孤児院で働く素晴らしいフランス人修道女たちに触れずにはいられない。彼女たちは、そのことで欧米の派手な連中からあらゆる宗派的非難を受けている。彼女たちや何万人もの他のパレスチナ人カトリック教徒は、自分の思惑通りに行動するプロテスタントやユダヤ至上主義者のイスラエルとカタールによる攻撃に直面して、自分たちや教会が何をすべきか説教される必要はない。カタール人がガザでの抵抗を脇道に逸らしたのと同じように、欧米での団結も脇道に逸らした。欧米では、彼らの果てしない行進やサンタクロースやカトリック大聖堂への攻撃は、イスラエルのブラック・ライブズ・マターの危機管理活動家を強化し、他の全員を撃退することだけを目的としている。

 ミサを執り行うアイルランド人やアメリカ人の司祭に対するこれら宗派間攻撃は、ロシアを国際スポーツから完全に追放するという、まったく同じ行為者たちがとった行動と正反対の、価値のない美徳を示す行為だ。彼らはロシアは追放できるのに、イスラエルを戒めるためにできる最善のことは、ガザのため資金集めをしているアメリカ人やアイルランド人司祭たちを殴ることだけなのだろうか。もしこれら親パレスチナ派の抗議行動者たちがイスラエルに圧力をかけることを本気で考えていれば、イスラエルはいかなる国際スポーツにも安全に出場できず、エル・アル航空は飛行禁止になっているはずだ。

 だが、それは個人的犠牲を伴うので、サンタや、ガザのために資金集めをしているアイルランド人とやメリカ人司祭たちを集団で攻撃するほうが遙かに良いのだ。

 私自身、パレスチナ支持デモには一度も参加していないし、また、これら常習的詐欺師やエルドアン支持者がデモを率いている限り、参加するつもりもない。これは、タイベの「善良な」 ローマ・カトリック教や、ギリシャ・カトリック教や、ギリシャ正教信者を見捨てるためではなく、実際はその逆、つまり流れを変えるための計画を練り、シリアの場合のように流れを変える手助けをするためだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/12/30/clueless-in-gaza/

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 この記事の題名、Clueless in Gazaは、オルダス・ハクスリーの小説、Eyeless in Gaza 邦訳題名「ガザに盲いて」のもじりだろう。

 寺島メソッド翻訳NEWS
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