2025年、再びアメリカによる政権転覆の標的となったイラン
フィニアン・カニンガム
2025年1月4日
Strategic Culture Foundation
新アメリカ大統領と中東の新たな構成により、再びイランは猛烈な勢いで政権転覆の標的に返り咲いた。
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今後一年、政権転覆を巡りイランはアメリカの激しい敵意に直面することになる兆候がある。
イランの地域同盟国シリアの突然の崩壊とレバノンのヒズボラ孤立により、テヘランは脆弱に見えるようになっている。
テヘラン政権転覆の可能性にアメリカの反イラン強硬派は歓喜している。
ジミー・カーターが最近100歳で亡くなったことはイスラム共和国がワシントンの帝国主義的願望にとって、いかに大きな賞品か示している。中東におけるアメリカ権力にとって重要な従属国だったイランを1979年に失ったアメリカ大統領としてカーターは軽蔑されていた。
40年以上にわたり、イスラム共和国を打倒し、ペルシャ国家をアメリカの世界勢力圏に復帰させることをアメリカ帝国主義勢力は目指してきた。
だが先月、アントニー・ブリンケン国務長官が嘆いたように、アメリカのイランにおける「政権転覆実験」は失敗に終わってきた。
しかし現在、ワシントンではペルシャの賞に対する熱意が新たに高まっている。
シリアのアサド大統領の劇的失脚により、テヘランにおける政権転覆への欲求は頂点に達している。
政権転覆に「絶好の機会」があるとアメリカ議員やイラン亡命者は信じており、テヘランに対する最大限の圧力作戦を再開するよう、トランプ新政権に公に求めている。
最初のホワイトハウス時代(2017~2021年)に、ドナルド・トランプはオバマ政権のイラン核合意を破棄し「最大限の圧力」政策と呼ばれる経済制裁を強化した。
弱体化したイランの好機に乗じて、アヤトラ・アリ・ハメネイ師の聖職者統治を打倒するようアメリカに求める声が共和党と民主党の中で高まっている。
最近ワシントンで開かれたフォーラムで演説者が次々テヘラン政権転覆を叫んだと報じられた。長年アメリカの失敗とイスラム共和国の手強さにより、そうした願いは薄れていた。
「この政権の弾圧を終わらせるため同盟諸国と団結する義務が我々にはある」と民主党のコリー・ブッカー上院議員が語った。
「イランは弱さだけを見せている」ともう一人の民主党上院議員ジーン・シャヒーンは断言した。
長年の反イラン姿勢が正当化されたかのように共和党テッド・クルーズ上院議員が語った。「長年イラン政権転覆を私は明確に要求してきた。アヤトラは倒れ、ムッラーは倒れ、イランで自由で民主的な選挙が行われる。変化はやってくる。それはもうすぐだ」
「シリア政府の構造的変化は、イラン国民にとって、中東では実際に変化が可能だということを意味するはずだ」と元ホワイトハウス国家安全保障問題担当大統領補佐官ジェームズ・ジョーンズは述べた。
1979年のイスラム革命により、アメリカの熱心な子分だったパフラヴィー国王は退位させられた。革命とテヘラン・アメリカ大使館人質事件は、ワシントンの国際イメージに酷い打撃を与えた。国王は1953年の米英クーデターで権力を握り、26年間、この独裁君主はアメリカ兵器の忠実な大量購入者、石油利益の供給者として強権的に統治していた。
シャー打倒により、イランは政権転覆の標的になった。1980年から1988年にかけて、アメリカはイラク・イラン戦争を引き起こした。新しいイスラム教支配者たちは壊滅的経済制裁を受けたが、オバマ政権が仲介したイラン核合意が2015年に調印され、制裁は緩和された。その頃まで、アメリカは政権転覆と限定的関与という、より柔軟な政策を試みていた。
トランプ大統領はその政策を放棄し、より敵対的な政策に戻った。2020年1月3日、イラン最高軍事司令官ガーセム・ソレイマーニー少将暗殺をトランプ大統領は命じた。
1月20日に始まる第二次政権一年目、トランプ大統領はイランを外交政策目標にすると予想される。
アメリカの支援を受けたイスラエルによるガザ、レバノン、イエメンに対する戦争がイスラム共和国を致命的に弱体化させたという不穏な感覚がある。
選挙運動中、イラン核施設を軍事攻撃するイスラエル計画をトランプは支持していた。
イランは早い政治実績の成功になるかもしれないとトランプはその気になるだろう。イラン政府を打倒して親米政権に置き換えれば、アメリカ帝国主義のエゴにとって、今世紀最大の戦利品になるはずだ。
地政学的戦略も不可欠だ。アメリカの世界的権力と米ドル覇権に対する脅威とみなされる重要な代替の地政学的軸として、ロシアと中国とイランが浮上している。イランは、BRICSとして知られる対立ブロック中、最も脆弱な部分のように思われる。
ロシアとのウクライナ和平交渉をトランプ大統領は優先しているようだ。計算の一部は、アメリカ資源を解放し、イランを攻撃するという動機だ。
昨年、帝国主義団体「アトランティック・カウンシル(大西洋評議会)」は「アメリカには新たなイラン政策が必要だ。それは政権転覆を伴うが伝統的なものではない」という見出しの記事を発表した。
アトランティック・カウンシル記事は、イランに対する経済的、政治的圧力の強化と、イラン反体制派集団への秘密裏の支援による国内不安定化を提唱している。イランでの、当局に対する国民抗議を、欧米メディアが増幅して、より強化されたカラー革命が予想される。また「ロシアとイラン間に亀裂を生じさせ、イスラム革命防衛隊(IRGC)と軍の一般兵士による支持を弱めるプロパガンダ活動も政権の弱体化に役立つだろう」とアトランティック・カウンシルは勧告している。
この一年、イランを標的とする大規模取り組みをアメリカが行う年になりそうだ。
突然、アメリカ帝国主義の体制転覆機構が、イランとシリアでの長年の失敗後、再び主導権を握った。シリアでCIA代理人が勝利し、ついにアサド政権を打倒したことで、イランでも同じことをしようという動きが急増している。その目標は長年手の届かないものと思われていた。新アメリカ大統領と、中東の新たな構成により、イランは猛烈な勢いで体制転覆の標的に返り咲いた。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/01/04/2025-iran-back-in-us-crosshairs-for-regime-change/
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Scott Ritter Extra
Hypocrisy Thy Name is BlinkenScott Ritter
Jan 08, 2025
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トルドー首相党首辞任(自由党党首11年、首相9年)、本年10月までに総選挙。支持率保守党44.2%、自由党20.1%。移民問題、トランプの関税攻撃を巡り対応策で党内対立。広く見れば主要自由主義諸国全て政権交代や不安定化。米、英、独、仏、低所得層困難→反移民→右傾化。伊は既に右派政権。デモクラシータイムス
アベノミクスを徹底総括せよ!失敗を認め困難から逃げるな【金子勝の言いたい放題】20250106 55:19
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